「antenna*」早坂さまインタビュー/DAC媒体説明会 登壇メディア紹介

 2015.12.08  アドテクノロジーブログ

アドテクを中心として広告業界のトレンドについて発信をする『DAC AD TECH BLOG』。今回は2015年秋 ≪媒体説明会 登壇企業≫特集。最終回は、「antenna*」を展開されています株式会社グライダーアソシエイツ 早坂さまへのインタビュー記事です。サービスの立上げ背景や10月に発表された大幅なリニューアル、そして今後のサービス展開までお話いただきました。

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「Terminal of Media」という理念スマートフォンブランディングプラットフォームantenna*とは

はじめに、貴社の事をお伺いさせてください。サービスリリースの背景から、現在展開されているサービス内容についてお教えください。

早坂:グライダーアソシエイツは、2012年5月に株式会社マクロミルの創業者である杉本が設立した会社で、現在500万ユーザーに利用されているキュレーションサービス「antenna*」を展開しています。

「antenna*」をリリースした背景は、メディア環境が激しく変化している中で、テレビや雑誌のような一次メディアが、かつての勢いを失っていることにありました。
インターネットの爆発的な普及により、コンテンツがパーツ化されてユーザーに届くことにより、メディアの世界観をパッケージで届けることが難しくなりました。さらに、CGM型サービスが台頭し、プロアマ問わずネットで気軽にコンテンツを発信するようになりました。

これにより、高品質で信頼できるメディアのコンテンツが、玉石混淆のコンテンツが混在する世界に埋もれてしまうという事象が発生したのです。

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アマチュアのユーザーが発信するコンテンツは、時として一次メディアよりも力を持つものですが、私たちはプロが取材し、撮影し、編集したコンテンツの力を何よりも大切にしたいと考えています。そこで、一次メディアのコンテンツをスマートフォンを通じて届け、メディアとの出会いを創ることができないだろうかと考え、「antenna*」というプラットフォームサービスをリリースしました。

キュレーションメディアと呼ばれることはよくありますが、私たちはantenna*をメディアとして位置づけておりません。「Terminal of Media」という理念も掲げていますが、「本物のコンテンツ」を作るメディアとユーザーの出会いの場、そしてユーザーをそのメディアに送客するプラットフォームであると考えています。

とはいえ、他キュレーションメディアとよく比較されることがあるかと思いますが、大きな違いはなんでしょうか。

早坂:先ほどもご説明したように、私たちはantenna*をキュレーションメディアとは位置づけていませんが、大きく違う点として2つあるかと思います。

まず1つ目はコンテンツの伝え方です。

antenna*で特に気を付けていることは、ユーザーの感性に訴えることのできる、“ユーザーファースト”なUI/UXを実現する事です。具体的には、画像や動画を活用することによって、ユーザーが瞬時にコンテンツの世界観を感じ取れるようなUIを目指しています。

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他キュレーションメディアでは、ニュース速報等、いわゆる「時事ニュース」にカテゴライズされるコンテンツが多いため、テキストベースのものが多いと思いますが、antenna*ではライフスタイルやエンターテインメント、カルチャーといったコンテンツを配信していることもあり、美しい写真や動画を中心とした構成になっています。

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そして二つ目は、厳選されたメディアの、良質なコンテンツを届けたいという強い意志を持っている部分ですね。
現在お取引している250程度の提携メディアは、いずれも信頼性、創造性に長けたメディアばかりです。また、質の高いコンテンツを制作する映画配給会社や音楽レーベルなど約50社ともコンテンツパートナーとして提携しています。そういった、良質なメディアやパートナーとユーザーの架け橋になりたいと考えています。

10月に大幅なサービスリニューアルを実施。
広告主向け新サービス「antenna* client ID」に迫る

10月のリニューアル内容についてお教えください。

早坂:さらなるサービス成長を目指すために、機能改善に着手しました。大きな改善点としては、ユーザー一人ひとりの趣味嗜好にあったコンテンツをまとめることのできる「マイリスト」機能の追加があります。

これまでは、antenna*がセレクトしたコンテンツを受動的に楽しむのが主流でした。一方で自分がほしい情報だけを効率良く得ることができたらもっと便利だよね、という意見があり、「マイリスト」機能が生まれました。

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「マイリスト」機能は、ユーザーがあらかじめキーワードやジャンルを登録すると、自分好みのさまざまなコンテンツが自動的に集まるというもの。この機能によって、ユーザーとコンテンツとのセレンディピティ(予期せぬ情報との出会い)が実現できるのではないかと考えています。

また、ユーザーが「マイリスト」に登録している情報が更新されるとプッシュ通知が届くなど、今回の大幅機能改善を皮切りに、ユーザーにとってより良い情報収集の仕方・コンテンツの消費の仕方を提供していければと考えております。

さらに、今回のバージョンアップによってUI/UXもリニューアルしており、スマートフォンのスクリーンを全面占有できる縦型動画の実装であったり、カバー面に表示する16:9のムービーの黒い部分に企業ロゴ背景等を入れ込むことができるようになりました。

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「マイリスト」機能の追加はユーザーにとって大きな変化だと思います。今後は広告主向けにも新たな機能等は登場するのでしょうか。

早坂:まさに今案内を開始しているところではありますが、現在「antenna* Client ID」という新サービスを開発中です。広告主が自身の広告コンテンツを格納することができる「ブランドブック」というメニューがあるのですが、基本的にはこれを活用したものになります。簡単にポイントをお話ししますね。

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まず1つ目は、このサービスの目的でもありますが、広告主とユーザーとのコミュニケーションが長期的に成り立つこと。継続的なコミュニケーションによって、いわゆる「潜在顧客ファン化」を促進することが可能となります。

2つ目は、ブランドに関するコンテンツを集め、ストックできること。それにより、antenna*内部に企業やブランドにおける「第2のオウンドメディア」を構築することが可能となります。コンテンツマーケティングが注目される中、オウンドメディアをつくられる広告主様が多くなっている印象があります。一方で、オウンドメディアはロイヤルユーザーに利用される傾向が高いため、ユーザー層を広げたいという要望も多くいただいております。antenna*内に「第2のオウンドメディア」を構築して、リーチを広げ、且つ潜在顧客を育成するということが可能となります。

最後のポイントは、antenna* client IDのコンテンツに触れているユーザーに関するデータを分析できるようにしていることです。データを分析することによって、ユーザー軸のインタレストグラフを作ろうと考えています。ただつくるだけではなく、次のマーケティング施策に利用できる、改善に繋がることをゴールとした設計にしてゆきます。同様のインタレストグラフを作っていけるサービスはなかなか少ないと思いますので、この提供ポイントは推していきたいですね。

年代や地域・職業別のような、従来マーケティングに活用されているデモグラフィック情報ももちろん大事だとは思いますが、デモグラフィックだけではわからない潜在層のニーズをしっかりキャッチしていくためにも、インタレストグラフは大いに活用できると考えています。

今後貴社が挑戦したい事をお教えください。

早坂:スマートフォンでもブランディングができることを、もっと多くの方に認知してもらえるよう活動していきたいですね。

良質なメディアのコンテンツを配信したり、UI/UXを意識するなど、antenna*は常に、 「ユーザーファースト」のコミュニケーションを意識 しています。

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そうやって今まで作り上げてきた世界では、コンテンツでも広告でも、全てが魅力的なコンテンツとして見えてくるようになります。実際に、ブランドメディアブーストという、広告主とメディアのタイアップコンテンツはユーザーの反応がとても良く、広告もコンテンツとして受け入れられているのを実感しています。

現在antenna*は、私たちの目指す世界観に共感いただく1000社以上の広告主に活用され、非常に大きな手ごたえを感じておりますが、一方で、スマートフォンにおけるブランドコミュニケーションはまだ始まったばかりだとも思っています。この領域の挑戦者として、引き続き広告主と一緒に前例のない取り組みを続けていきたいですね。

早坂さま、ありがとうございました。

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