アドテクを中心として広告業界のトレンドについて発信をする『DAC AD TECH BLOG』。今回は2015年秋≪媒体説明会 登壇企業≫特集。初回は、実名型グルメサービス「Retty」を展開しているRetty株式会社 代表取締役 武田様へのインタビューをお届けします。サービスの立上げ背景や今のサービス内容、そして今後のサービス展開までお話いただきました。
月間ユーザー100万人増の日本最大級の実名型グルメサービス「Retty」
はじめに、「Retty」とはどういうサービスか教えてください。
武田:Rettyは、信頼できる人や厳選されたお店まとめからお店を探すことができる「実名型グルメサービス」です。飲食店の情報だけではなくて、実名ユーザの口コミを投稿・閲覧できることによって、より好みに合ったお店探しができます。2011年6月にサービスをスタートし、現在利用者数は月間1,400万人を突破 ※1 しました。
※1:2015年8月現在
どういったユーザがRettyを活用しているのでしょうか。
武田:ある程度お金に余裕があり、食べることが好きなグルメユーザが多いですが、口コミを投稿する人は特に、影響力・発信力のある人が多いと思います。この人が美味しいと言っているなら行ってみよう、と思わせてくれる人ですね。そういう信頼できる人たちが投稿してくれることによってクオリティの高いコンテンツが蓄積され、その情報を求めてユーザが集まるようになっています。
質問:初めて訪れるお店の情報源はどこから収集しますか?OCNプリエ レストラン選びに関するアンケートより
Rettyと他のグルメサービスとの違いはなんでしょうか。
武田:大きく二つありまして、一つはスマホ起点のサービスであるということ。もう一つは、シーンや人のレベルに合わせてお店情報を出し分けできることです。
グルメサービスはインターネットやデバイスの普及と共に進化し続けてきました。インターネットが普及しだした当初に出てきたグルメサービスが、単純にお店の紹介をするサービスで、インターネットで言われる1.0世代ですね。
次に誕生したのが、お店の紹介だけではなく、ランキング等も出して表示することができる2.0世代のサービスです。お店をランキング化することで、人気のあるお店が分かるようになりました。
そしてこの延長線上にあるのが私たちのサービスで、最適化したお店情報を提供する、3.0世代の次世代版グルメサービスです。例えば、今までは会食を選ぶとき、時間がかかっていたと思いますが、その時間をかなり短縮させて、もっと簡単に選べるようにする等、ひとりひとりの状況に合わせたお店情報をお渡しすることができるスマートフォンを起点にしたサービスです。
広告メニューはどういったものがあるのでしょうか
武田:いくつかありますが、代表的なものを簡単にご紹介しますね。
ひとつが、スポンサーまとめ広告です。一言でいうと、読み物コンテンツと企業メッセージ・商品を融合した広告です。ユーザが読みたくなるようなコンテンツを通じて、企業のメッセージや商品を自然に浸透させることができます。例えば、中華料理名店を紹介する読み物コンテンツをつくったとして、そこに企業の商品、例えば飲料商品を一緒にのせて、その記事内でユーザに自然に訴求するなどですね。
もうひとつが記事広告です。理解を深めてもらうための広告ですが、これは発信力の高いRettyユーザに理解してもらい、拡散してもえることを活用したメニューとなります。
現在、ユーザの心理状態をもっと細分化して、ユーザの気持ちの瞬間を捉えて広告提供できるようなメニューもリリースしました。詳細は媒体説明会でお話しさせていただきましたが、適切なタイミングで適切なクリエイティブを与えることよって、ユーザに気づきを与えられるようなメニューになっています。
3.0世代の”食”サービス「Retty」 急成長の理由は“口コミ量と質”“
Rettyを立ち上げようと思ったきっかけを教えてください。
武田:日本から世界に発信できるサービスを作りたいと思って、食をテーマにRettyというサービスを立ち上げました。
起業する前に1年間ほどアメリカに滞在し、様々なサービスを調査していたのですが、今後ありとあらゆる分野においてスマートフォンを活用した3.0世代のサービス革新が起こると肌で感じたんです。スマートフォンは世界的に普及して、ビジネスチャンスがフラットにあるなと。アメリカだけではなく、全世界的にサービスが続々と立ち上がっていく中で、このチャンスを逃してはいけないなと思いました。
その上で、日本でサービス革新を起こせる分野はどこだろうと考えたときに「食」という領域にたどり着きました。
サービス革新は、その領域においてユーザや企業の課題感が高いところまで進んでいないと実現しません。例えばアメリカでは10年以上前にLinkedInというサービスが普及しましたが、それは日本よりも明らかにアメリカの方がインターネットの浸透度が高く、ダイレクト・リクルーティングという考え方が受け入れられる状況だったからです。
2015年秋 DAC媒体説明会開催のお知らせ(Blog記事)食に対する課題レベルが世界でもトップクラスである日本のユーザが気に入るサービスが作れたなら、それはイノベーションになり、やがて世界にも展開できるだろうと考えました。そうやってRetty立ち上げに踏み切りました。
どうやってここまで大きく成長することができたのでしょうか。
武田:ユーザ数が月間100万人ずつ増えているのはここ最近の話で、サービススタートをして3年間はただひたすらに口コミ数を溜めていました。そのために口コミ機能改善に注力し続けましたし、ユーザの声もキャッチアップし続けました。
そうやって3年間コンテンツを増やし続け、ある程度の量まで達した時、ユーザ数が大幅に増えるようになったんです。お店を調べたときに、自然検索上位にあがるようになり、そこからの流入が爆発的に多くなってきています。2015年9月には利用者が1,400万人を突破しました。
プロモーションはどの程度実施していたのでしょうか。
武田:広告施策はサービススタート当初から今まで全くやっていませんね。コンテンツの量をベースに、SNS経由やSEO経由で徐々にユーザを増やしていきました。投稿者が少し増えて、コンテンツが少し増えて、ユーザ数が少し増える、というサイクルを確立して、だんだんと増やしていきました。
そもそも良質な投稿をするユーザは、広告を打ったとしても響かないんですよね。それよりも、Rettyのサービスを使うことによって、食生活が豊かになる、グルメ仲間ができることを実感してもらい、それを発信してもらうことが重要でした。
「Retty2020 1億人構想」を掲げるRettyの目指す姿
今後どのようなサービス展開をしていくのでしょうか。
武田:新戦略「Retty 2020 1億人構想」を掲げ、「国内No1グルメサービス」「訪日外国人満足度No1」「グローバル20ヶ国展開」を目標にサービス展開していきたいと考えています。
東京オリンピックが開催される2020年は日本が世界に注目されるタイミングで、外国人来訪者がぐっと増えると言われています。我々としては「食を通じて世界中の人々をHAPPYに」というビジョンに近づけるチャンスが到来し、良い旅行のための良い食体験を、外国人に提供できる貴重な機会が訪れています。ここを逃す手はありません。
そのためにも、他事業者との取組みを開始して外国人との接点を持つようにするとか、オンラインだけでなく外国人向けに紙媒体で情報を提供できるようにするなど、やっていきたいことはたくさんあります。情報価値の提供だけではなく、レストランと連携して試食会キャンペーンを実施するなど、体験価値も提供できるような体制にしていきたいと考えています。
今後のサービス展開において、DACとはどのような取り組みに期待していますか
武田:現在広告事業において、大手含む広告主にRettyの良さを知ってもらい、利用いただくことが段々と増えてきています。事例もその分溜まってきていますし、一部大手広告主とは新しい広告メニューの取組みも進めています。
今後も、一時的に売れるのではなくて、こういった長期的な付き合いを続けられるようにしたいと考えています。そして、広告主に価値を提供する一方、ユーザにとっても満足できるようなコンテンツを維持し続けていきたいですね。すべての利害関係者が満足できるような広告商品を、今後もDACと共に開発していきたいと考えています。
武田様、ありがとうございました。
【関連URL】
- Rettyサービスページ
- 2015年秋 DAC媒体説明会開催のお知らせ(Blog記事)
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