昨今さまざまな業界において「DX」や「データの活用」という言葉を耳にすることも多いのではないでしょうか。LINE公式アカウントの成功も「データ」が鍵を握っており、顧客理解を深めることで良好な関係をつくることができます。
そこでトーチライトでは、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社(以下DAC)と共催で「友だちから『ファン』になってもらうためのデータ活用術!」と題したセミナーを3回にわたり開催いたしました。
第三回目のセミナーでは、LINE株式会社(以下LINE社)をお招きし、「友だちから『ファン』になってもらうためのデータ活用術!~意外と知らない!LINEデータの可能性~」と題し、CX(カスタマーエクスペリエンス)編についてご説明いたしました。今回は、セミナーの一部をレポートにてお届けします。
関連ページ:
【終了済】友だちからファンになってもらうための"データ"活用術!
~成功事例をLINE社と解説!CX領域の可能性~
登壇:LINE株式会社 CX推進チーム マネージャー 奥 亮介様
トーチライト 坂本 夏望、DAC 池田 諭志
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※本記事はトーチライト運営の「PORTL」の記事を編集の上、転載する形で掲載しています。
いま考えるべき“公式アカウントDX”とは
DACとトーチライトは、“公式アカウントDX”と題し
LINE領域における公式アカウントDXの戦略・手法の提案に注力しています。
セッションで池田は、「今後デジタルという領域が重要視される中で決して欠かせないデータという領域に関して、LINEが最も適したプラットフォームである」と語り、LINEにおけるDXの重要性について言及しました。その具体的な理由として3つの理由を説明しています。
池田:「コミュニケーションプラットフォームとしての圧倒的なユーザー数を誇るLINEは、公式アカウントの友だちになってもらうことによって継続的な顧客接点を持つことが出来ること、さらに1端末=1IDとして管理されるものなので、ユーザー単位でのデータ管理に適しているということ、そして公式アカウントの中で簡易的なデータ基盤として活用が出来ることが、データ収集の活用に適したプラットフォームとして我々は考えています」
さらに、“公式アカウントDX“のステップについてこう語ります。
池田:ステップ1.2.3で【集客・データ蓄積】から【データ活用】した上で最終的には良質なCXの実現に繋げていくというステップとなります。ステップ1の【集客・データ蓄積】の際に具体的にどのような手法、どのような方法を使うべきなのか、ステップ2の【データ活用】では、どうやって施策を実行していけばいいのか。ステップ1.2でデジタル領域と言われる話ですが、その先のステップ3の【良質なCXの実現】として先進的なDX推進、CXとは何かを捉えていくことが重要と考えます。
※「第一回:友だち集客・データ取得編」「第二回:データ活用編」のセミナーレポートを公開していますので、ぜひ合わせてご参照ください。
関連ページ:
LINE公式アカウントDX実現に向けて、ここからはじまるCX
3回連続セミナー開催レポート(友だち集客・データ取得編|前編/後編)
記事詳細はこちら>>>
LINE意外としらない!LINEデータの可能性
3回連続セミナー開催レポート(データ活用編)
記事詳細はこちら>>>
CXとDXの関係性
池田:CXは顧客に体験の場や行動を起こすための体験創出をすること、DXは企業視点で企業が保有するデータを活かしマーケティング戦略での活用する仕組みづくりです。「CXとDXの関係を意識して好循環を生み出すことが、これからのデジタル領域を生き抜いていく上での企業の成功のメソッドになるかと思っております。
池田:CXとDXの循環とは、まずお客様は体験をします。その顧客の行動データを蓄積・分析し、その分析の結果を基に顧客体験の場に関して改善反映をしていくという流れになっています。良い顧客体験が生まれると『改めてまた買ってみよう』『またこのサービス使ってみよう』となるので、継続的に使ってくれるお客様や話題化によって新しいお客様も入ってくるという売上向上の仕組み化を作っていく事が出来るのが企業の成功メゾットに向けたCX・DXの関係性と考えています。
また、いまCXを考えるべき理由として、以下のように説明しました。
池田:CXが良いと日々選ばれていくサービス・商品になっていきます。ただしCXとDXの循環を実行するには時間がかかるため、早めに準備をしていくことを含め改めてCXの重要性を考えていただければと思っています。
LINEにおけるCX
次にLINEを活用した手法について、トーチライト坂本がCXに関するLINEソリューションについて解説をしました。
坂本:広告領域には、「LINE広告」や「Talk Head View」、販促領域に関しては「LINEで応募」等の機能があります。また、CXの部分では決済に関して「LINE PAY」での決済、CRMに関しては「LINE公式アカウント」やLINEの「ミニアプリ」などがあります。この様にLINEを活用したソリューションはとても多くの種類があります。その為、企業によって手法や考え方も変わってきますので、そのため企業の目的に合わせた手法を選択する必要があります。
LINE社と考えるCXの成功事例
LINE社 は、これまでLINE広告やLINE公式アカウントに代表されるような広告販促CRMのソリューションをメインにB to Bセールスをしてきましたが、LINEをより企業の皆様にサービス提供プラットフォームとして使ってほしいという想いからDX事業部、CX(カスタマーエクスペリエンス)推進チームを設置しました。様々なLINEのソリューションを組み合わせることでお客様体験を創出するプランニングに取り組んでいます。
ここからはLINE社の奥亮介氏が成功事例を元に、業界別で考え方やポイントを解説しました。
※セミナーでは事例を複数紹介しましたが本レポートでは抜粋してご紹介させていただきます。
飲食店:自社アプリ機能/会員証/席予約のLINE化
LINE 奥氏は、CX観点において「LINEミニアプリ」を用いることで、飲食店の顧客により利便性の高い仕組みを提供することが可能になり、顧客の利用率も高くなると語ります。
LINE奥:「私の周りにも『予約の際の電話をするタイミングがなく予約が出来なかった』や『移動中にネット予約を取りたい』など様々な要因によって、来店の機会損失の課題はあるかと思っております。そこに対して、ネイティブアプリというのも有効的な1つの手段だと思います。しかし、アプリを作ってもなかなか認知をしてもらえなかったり、利用していただけなかったりとマーケティング予算面でも負荷がかかってくるかと思っています。
その中でLINEとしては何ができるかと考えたときに、そもそもLINEという8,900万人がダウンロード済みのアプリケーションというのを活かして同様のサービスを乗せられないかと考えました。そこで生み出したのがLINEミニアプリというサービスです。アプリのダウンロードハードルをなくし、会員化やモバイルオーダーを、LINEユーザー全てにダイレクトにできる環境を作るといった事を提供したいと考えています。
ミドルからライト層の顧客のデータ取得やサービス促進をする手法がDX
池田:ミドルからライト層をお客様とコミュニケーションを取る場として、まさにLINEの仕組は使いやすいのではないかと思っています。まだまだ会員証も実際のカードを使っている所も多いかと思いますが、日常的に利用しているLINEのサービスの中に会員証を表示させることで、よりデジタル化してわかりやすく、目に入りやすく、いつも手に持っているスマホで使えるようになります。ふと思いついた時に店舗に足を運び、会員証忘れてしまったというよなことがない良質な体験の提供ができるのはないかと思っています。
また、飲食店の事例としてあきんどスシロー様について解説。
池田:ロイヤル層に対してはネイティブアプリ、そしてミドル・ライト層にはLINEのミニアプリで同じサービスを訴求するというものです。元々スシローは規模感の大きなアプリをもうすでに持っていらっしゃいます。その中に予約/受付、もちろんポイント蓄積もありますのでロイヤルカスタマーとしてはわざわざLINEで何かをするという事はないと思います。
一見順調そうに見えますが、奥氏はこう続けます。
LINE奥:一方で未だに店頭に並んでいる方がたくさんおりまして、その人達にもどうにかしてこのサービスを使ってほしいという思いがありました。その中で我々としてはLINE公式アカウントをこれまでご提案していたのですが、それだけではなくLINEプラットフォームにダイレクトにスシローの予約サイトを作ってしまおうという事でご提案させていただきました。LINEの中にデータが蓄積するのではなく、予約や受付、ポイント蓄積などはもちろんスシローのデータベースに溜まっていきますので、共通の顧客情報として管理することが可能になります。ネイティブアプリではアプローチできない層に対してはLINEを活用してもらることで皆よりたくさんの顧客にこのサービスを使ってもらうことが可能になりました。
運送業:自社サービスのLINE化
奥氏はさらに、
「運送業とお客様のCX体験を変えることの実現をお手伝いしたい」と掲げました。
LNE 奥:運送業は商品の受け渡しに課題が多かった業界になります。届く時間を指定したはずなのに家にいないなど、不在通知の紙のコストはもちろんですが、運送業の人件費や燃料費を考慮するとものすごい負担になっていました。一方で、お客様の立場からしても欲しい時に届かない、再配達の手続きが煩わしいなど不満が溜まっていました。これを解消するために、各社が専用会員サイトを作り登録してくださいと促しておりますが、やはりそれでも登録となると中々ハードルが高かったりします。この改善においてもLINEというプラットフォームであれば気軽にLINEのトークでお客さんへの事前通知であったり、確認通知を受け取ることができ、また通知後すぐ返答を出来るようにしました。
その一つの事例としてヤマト運輸様を紹介しました。
池田:LINEで再配達依頼を気軽に出来る仕組みや、簡単かつ気軽にユーザーが回答することにより、企業側としても配達効率の向上に繋がり、電話業務や不在配達のオペレーションを大幅に削減することができた事例になります。仕組みの構築にはそれなりに時間はかかりますが、かなり利用されてきているサービスとなっており、今後こういった顧客体験をいかに早く推進していくかが重要になります。
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自社データをLINEでのコミュニケーションに活用するには
自社データをLINEでのコミュニケーションに活用するには顧客が持つデータとLINEのユーザーデータを統合することで、ユーザーに対してLINE上で最適な1to1のコミュニケーションを実現することが可能です。
記事詳細はこちら>>>
おわりに
いかがでしたでしょうか?
今回は「友だちから『ファン』になってもらうためのデータ活用術!~成功事例をLINE社と解説!CX領域の可能性~」のセミナーの一部をレポートにてご紹介いたしました。LINEを使った具体的な施策や提案に興味がある方は、ぜひお問い合わせください!
なおDACでは、LINEのMessaging API対応ソリューション「DialogOne®」の提供や、企業のLINE公式アカウント運用を支援する「SNS運用コンサルティングサービス」を提供しています。LINE公式アカウント活用においてお困りごとがございましたら、ぜひご相談ください。
※本記事はトーチライト運営の「PORTL」の記事を編集の上、転載する形で掲載しています。