GA4の便利機能「オーディエンス」とは?設定や活用方法についてご紹介

 2022.09.28  株式会社Hakuhodo DY ONE

※2023年 7月 3日(月)更新

無償版のユニバーサルアナリティクス(以下、UA)の計測が停止され、Googleアナリティクス4(以下、GA4)メインの計測が主流になってきたかと思いますが、皆様はGA4をうまく活用できていますでしょうか?

本記事では、GA4の機能の1つである「オーディエンス」についてご紹介します。「オーディエンス」は分析だけでなく広告配信にも活用でき、GA4を使っていく中でとても便利な機能になりますので、是非こちらの記事をチェックしてみてください!既にGA4を導入されている方はもちろん、導入をご検討の方にもGA4についての理解を深めていただければと思います。

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「オーディエンス」とは

「オーディエンス」とは、特定の特徴を持っている、または特定の行動をしたユーザーのリストです。ユーザー属性、イベント名、イベントパラメータ等を用いて「オーディエンス」を作成すると、設定した切り口ごとにユーザーのデータを切り分けることが可能で、標準レポートにおいては、「オーディエンス」をセグメントとして用いることになるため、実際に使用する機会も多い機能になります。

また、設定したオーディエンスリストを活用して特定のユーザーに向けての広告配信をすることも可能になります。 ひとつ前のバージョンであるUAにも「オーディエンス」の機能は存在しており、すでに活用されていた方もいらっしゃるかと思いますが、GA4ではより使いやすくなっており、詳細なオーディエンスが作成できるようになっています。

加えて、GA4から新しく機械学習を活用した「予測オーディエンス」という機能が登場しました。

従来、機械学習を活用した予測は専門知識や技能を持ったデータサイエンティストが行ってきましたが、GA4の「予測オーディエンス」機能では、特定の条件が満たされていれば自動で「予測オーディエンス」のリストが作成されます。そのため、マーケターでも簡単に機械学習の活用ができるようになりました。

活用にあたっては、GA4側で定義された特定の「推奨イベント」が実装された状態で一定以上のデータが蓄積されると、利用可能なオーディエンスリストが作成されます。下記のような5種類のユーザーを予測することができ、これらの「予測オーディエンス」は広告配信に活用が可能です。

予測オーディエンス一覧

  • 7 日以内に初回の購入を行う可能性が高いユーザー
  • 7 日以内に購入する可能性が高い既存顧客
  • 7 日以内に離脱する可能性が高いユーザー
  • 7 日以内に離脱する可能性が高い既存顧客
  • 28 日以内に利用額上位になると予測されるユーザー

「予測オーディエンス」を用いることで、サイト内において価値の高いユーザーへのアプローチや、エンゲージメントの低いユーザーへのアプローチが可能になります。

次項では2種類の「オーディエンス」の設定方法についてご紹介します。

 

「オーディエンス」の設定方法

「オーディエンス」を設定するには、2種類の方法が存在します。それぞれご紹介します。

1)「設定 > オーディエンス」から設定する方法

設定からオーディエンスを選択し、画面右上の「オーディエンス」をクリックします。

GA4-オーディエンス_01-1
「ゼロから作成」については、自分で条件をすべてカスタマイズして「オーディエンス」を作成することができます。「オーディエンスの候補」については、よく使われそうな条件のテンプレートがいくつかあるため、テンプレートから条件を指定することで、ゼロから作成するよりも手軽に「オーディエンス」を作成することができます。

なお注意点として、「オーディエンスの候補」を使用する場合、プリセットされたイベントが計測されている前提での使用となります。(プリセットされたイベントが計測されていない場合は使用が出来ません。)

GA4-オーディエンス_02

計測しているディメンションや指標を活用して、分析のためのセグメントを作成することができます。

セグメント条件としてはユーザー属性やイベント名、イベントパラメータ等が設定可能です。有効期限を設定することも可能で、ユーザーを該当のオーディエンスに含める期間を調整できます。

今回は「first_visit」というイベントを発生させたユーザーを条件に設定し、初回訪問ユーザーを対象とした「オーディエンス」を作成しています。
またキャプチャ内の「オーディエンストリガー」に関しては、今後の記事でご紹介いたしますので、ご期待ください

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GA4-オーディエンス_03ー1

 

2)「探索」から設定する方法

「探索」からセグメントを作成します。

GA4-オーディエンス_04ー1

セグメントのタイプを選択すると、セグメントの作成画面が表示されます。
セグメントの作成画面において、画面右上にある「オーディエンスを作成する」にチェックをしていただくことで、「オーディエンス」としても設定ができます。
条件設定は「設定」 > オーディエンスから設定する方法と同様になります。

GA4-オーディエンス_05ー1

 

予測オーディエンスの設定方法

続いて「予測オーディエンス」の設定方法をご紹介します。

前述した『「設定」 > オーディエンスから設定する方法設定』にて記載した流れで見ていただくと、「オーディエンスの候補」の中に「予測可能」というタブがあります。
そこで「利用可能」となっている条件のオーディエンスリストを広告配信に活用することが可能です。
※予測オーディエンスを活用するために必要なデータが一定以上蓄積されていない場合は、残念ながら利用不可となります。

GA4-オーディエンス_06-1

例えば「7日以内に離脱する可能性が高いユーザー」を選択した場合、7日以内に離脱する可能性が高いユーザーの上位何%を指定するかの割合を選択して、オーディエンスを作成することが可能です。
例:7日以内に離脱する可能性が高い上位20%のユーザーを設定

GA4-オーディエンス_07-1

 

 

オーディエンスの活用方法

ここまで「オーディエンス」の概要および設定方法をご紹介しましたが、実際にどう使うのか?という点に関してもご紹介いたします。
今回は「比較」と「広告配信」での活用方法をご紹介します。


オーディエンスの活用方法:比較

「比較」とは、レポート画面において、複数のデータセットを並べて分析・評価することができる機能です。比較を使用することで、例えば、Android デバイスとiOS デバイスのそれぞれから生成されたデータを比較し分析をすることができます。
「比較」では「オーディエンス」に設定した内容をセグメントとして使用することが可能で、詳細な分析ができます。
今回は全てのユーザーのデータとアプリ内購入または e コマースでの購入を行ったことがあるユーザーを条件にした「purchasers」という「オーディエンス」のデータを比較しています。

GA4-オーディエンス_08-1

 

オーディエンスの活用方法 -:広告配信

前述のとおり「オーディエンス」はセグメントの機能以外にも広告配信にも活用が可能です。
例として、「ECサイトでカートに商品を追加したが、購入までは至らなかったユーザー」にリマーケティング広告を配信する際の「オーディエンス」作成方法をご紹介します。
※広告配信には別途Google広告との連携が必要になります。

「カートに商品を追加した」という行動は「add_to_cart」、「購入」は「purchase」というイベントが推奨イベントとして用意されています。
「オーディエンス」で「add_to_cart」のイベントを発生させたユーザーを含めるように設定し、同時に「purchase」のイベントを発生させたユーザーは除外することで、「ECサイトでカートに商品を追加したが、購入を行わなかったユーザー」のリストを作成することができます。

このオーディエンスリストをGoogle広告に連携することで、Google広告側でそのユーザーに対して広告配信を行うことが可能になります。

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予測オーディエンスの活用方法

例えば前述した「7日以内に離脱する可能性が高いユーザー」という予測オーディエンスを活用する場合、離脱する可能性が高いユーザーに対して最新機能やお得情報を広告配信し、エンゲージメントを継続してもらうといった施策を行うことが可能です。

その他にも「7日以内に初回の購入を行う可能性が高いユーザー」という予測オーディエンスを活用し、CVに近いユーザーのみに限定して効率よく広告配信を行うことが可能です。

 

まとめ

GA4は計測したデータを分析に使用する以外にも、広告配信にも活用することが可能です。「オーディエンス」はサイト内のユーザーの行動や属性を条件としてセグメントを作成することが可能で、広告メディアのリタゲ用のタグだけでは指定できないようなユーザーに対しても、広告施策が展開できます。

「予測オーディエンス」は機械学習を用いて、蓄積されたデータをもとに購入を行う可能性が高いユーザーや、LTVが高くなりそうなユーザーへアプローチできるようになり、よりビジネス成果に繋げやすくなっています。特に「予測オーディエンス」は活用条件を満たすためにも、早めにデータを蓄積することが重要になりますので、早めのGA4導入が推奨されます。

DACでは、既に複数の企業様に対し、上記で取り上げたようなGA4のデータ活用をサポートした実績があります。Webサイトの特性に合わせてGA4 をご活用いただけるよう、導入・運用等もサポートします。GA4でお困りのことがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。

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