※2023年 7月 3日(月)更新
Webサイトのアクセス解析ツールといえば、Googleアナリティクス(以下、GA)を導入しているサイトが多いかと思います。第三世代のGAであるユニバーサル アナリティクスの無償版の計測が、2023年7月1日に停止され、慌てた方も少なくないのではないでしょうか。
本記事では最新のGAであるGA4についてご紹介します。今までGAを使っていたけど、これからどうしたらよいの?という方や、GAの最新バージョンについて知りたいという方は、ぜひこちらの記事をチェックしてみてください!
Googleアナリティクス 4 とは
「Googleアナリティクス 4」(以下、GA4)は、現在のGAの最新バージョンの名称です。サイトに実装するタグの仕様によって世代を区分すると、第4世代となるため「4」という名称がついています。
そのひとつ前の世代が「ユニバーサル アナリティクス」(以下、UA)と呼ばれるもので、多くの方々が慣れ親しんでいるGAのバージョンの名称です。UAは、当初「analytics.js」というタグでした。それが、2017年に「gtag.js」が生まれ、2つのタグで設定できるバージョンとなります。UAとしては、analytics.js でも gtag.js でもレポートで分析できることに違いはありません。gtag.js が登場した当時は、アナリティクス以外のGoogle製品(主に広告系のソリューション)と共通して使用できるタグの形式という認識でした。
それから2020年に「App+ Web Property」という名称でGA4のβ版が提供され始めたことをきっかけに、gtag.js がUAとは全く別のアナリティクスの仕様も提供することになりました。これが最終的に名称が変更され、「GA4」となったのです。
GA4はデータの計測方法がUAまでの計測方法とガラリと変わりました。すでに導入してみた方は、なぜこんなにも変わったのかと苦悩している方もいるのではないでしょうか。もちろんこれには理由があります。デジタルプラットフォームやデバイスの多様化により、今や企業側はWebサイトだけでなく、自社でアプリも保有するようになりました。そのため、Webだけではなくアプリも横断して利用するユーザーが増え、そのユーザーの行動を統合して捉えたいニーズが出てきました。GA4は、現在のデジタルプラットフォームの計測に関わる環境の変化とそれを取り巻く課題を解決するために、計測方法を変えるに至ったのです。
UAとGA4の仕様の具体的な違いにつきましては、弊社資料ダウンロードに詳細にまとめておりますので、ご興味ある方はぜひお取り寄せください。
導入のメリット
では、UAの後継版となるGA4のメリットをご紹介いたします。
GA4は、現在のデジタルプラットフォームの環境変化とそれを取り巻く課題を解決するために変わったと前述しましたが、変わったのは計測方法だけではありません。
具体的には、クロスプラットフォーム・クロスデバイス計測への対応、Googleシグナルの活用、Googleの機械学習モデルの活用等々。昨今のデジタル領域で大きく話題となっているブラウザのトラッキング規制に対応できる仕組みも備わっています。
弊社が考えるGA4の三大特徴は以下の3点です。
①クロスプラットフォーム
クロスプラットフォームとは、UAではアプリとWebサイトはGAのプロパティがそれぞれ別の独立した環境となっていたものが、GA4では同一のプロパティで計測できるようになります。また、ユーザー一人ひとりにIDが存在するサイトでは、そのIDをGAのユーザー識別子としてデバイス横断の分析を、アプリとWebでできるようになります。
②機械学習を用いた予測指標
Googleの機械学習を用いることで、GA4では予測指標が使えるようになります。例えば、一定のコンバージョンデータが集まると、その実績を元に今後サイト内で購入してくれそうなユーザーや売上貢献の高い可能性のあるユーザー等、条件に当てはまる対象を把握することができます。また、それを広告サービスに連携することができます。
③無償版でのBigQuery連携
GA4では無償版でもBigQueryにデータ連携ができるようになったため、他システムとのデータ連携がしやすくなり、活用の幅も広がることが考えられます。(UAではBigQueryへのデータエクスポートは有償版限定の機能です)
GA4独自の各機能の詳細をダウンロード資料にまとめております。ぜひお役立てください!
また、具体的な活用事例については、今後のブログ記事でご紹介できればと思います。
導入のハードル
一方GA4導入には、現状いくつか課題もあります。
GA4は今までのバージョンと同じく、無償版を利用できます。また、有償版もリリースされており、UAの有償版(以下、GA360)を使用していた場合、GA4でも有償版を使用することは可能です。しかし、GA360とGA4の有償版では価格体系が大きく変更されているため、注意が必要です。
また、既に無償版で gtag.js のUAを利用しているサイトでも、GA4を利用するには既存のタグに改修が必要になります。そしてその改修こそがGA4導入において大きな障壁になりやすいのです。
GA4は、これまでのGoogleアナリティクスとは別のツールといっても過言ではありません。UAと同じ gtag.js でも、計測の仕組みがこれまでのGAとは全く異なるため、基本的な指標の数値も異なります。目標設定やイベントを使っている場合は、その計測方法も再設計が必要になります。
基本指標の見方から変わってくるため、GA4のレポート画面は、UAのそれとはデザインが異なります。正直なところ、ある程度の技術的仕様を理解しないと正しいレポートが出せない難しさもあります。UAを使いこなしている皆さんでも、学習コストがかかる可能性が高いでしょう。
今後の展開
改めて、UAの無償版の計測は2023年7月1日をもって終了となりました(最新のオーダーに含まれるGA360版は、2024年7月1日までは計測の延長が可能)。
UAとGA4は同じGoogleアナリティクスであっても、データが共有されないため、過去のデータを移管することができません。そのため、GAをメインの解析ツールとして今後も使用される場合は、一刻も早くGA4を導入し、データを貯め始めることが必要です。
- UAからGA4への過去データの移管ができない
- ツールの使い方が大きく変わっているためGA4のデータに慣れる期間が必要
- UAとGA4の数値はピッタリ同じにならない可能性もあるため数値検証を行う
という点においても、1日でも早くGA4を導入するに越したことはありません。
ただし、計測方法が変わったため、UAと近しい数値を見るためには、GA4の構造を理解してイベント設計をすることが重要です。
DACでは、複数の企業様に対し、上記で取り上げたようなハードルをクリアしながらGA4を導入した実績が多数あります。サイトの特性に合わせてGA4 をご活用いただけるよう、導入・運用等をサポートいたします。GA4でお困りのことがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。