「ビジネスマネージャー」×DialogOne®連携で進化する顧客エンゲージメント

 2025.10.31  株式会社Hakuhodo DY ONE

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プライバシー規制の厳格化や関連法制の改正が進む中、これまで主流であった広告配信やマーケティング手法の有効性が低下しつつあります。こうした環境変化に対応するため、企業には外部データへの依存を見直し、自社で直接取得・管理する1st Partyデータ・2nd Partyデータを中心としたマーケティング戦略への移行が求められています。

そうした課題の解決に向けて注目を集めているのが、LINEヤフー株式会社の「ビジネスマネージャー」です。LINE公式アカウントを運用している企業においては、「同じ配信を繰り返し、開封率や反応率が下がっている」「自社データはあるが施策に活かせない」「配信が効率化できずコストばかり増える」といった悩みを抱えています。このような状況を改善するには、自社が保有する顧客データを統合的に分析し、個々の顧客特性に応じたコミュニケーションを展開することが重要です。

本記事では、LINEヤフーの「ビジネスマネージャー」とHakuhodo DY ONEのマーケティングソリューション「DialogOne®」の連携によって、企業が自社データを活用した高度なマーケティング施策をどのように実現できるのか、その具体的な方法と期待できる効果について解説します。また、「DialogOne®」を活用して実現しているデータドリブンな顧客エンゲージメントの事例についてご紹介します。

なぜ今、LINEで「データ活用」が必要なのか

課題:データがあっても活かしきれない

多くの企業が以下のようなお悩みを抱えているのではないでしょうか。
「顧客データを蓄積しているが、どう活用すればよいかわからない」
「収集したデータが各部署に散らばっていて、統合的に活用できていない」
「データ分析はできているが、それを実際の施策に落とし込めていない」
「膨大なデータがあっても、ユーザー個別に対応するのは運用負荷が高すぎる」

背景には、生活者の情報接触の変化が大きく関わっています。複数のデバイスやプラットフォームを通じて大量の情報に日常的に接する中、全ユーザーへの一律配信では企業メッセージが十分に届かなくなっているのが現状です。

また、プライバシー保護の強化法規制の改正により、外部データを使った従来型のターゲティング手法にも限界が出てきています。

しかし市場環境は常に変化し、生活者の情報接触行動はますます多様化しています。企業は今まで以上に高度な顧客アプローチが求められており、自社保有の1st Partyデータ・2nd Partyデータを活用した、より精度の高いマーケティング施策を実施していくことが不可欠です。その際、有効となるのが「効率性とパーソナライズの両立」です。

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解決の鍵:「LINE公式アカウント」を活用したデータドリブンマーケティング

「効率性とパーソナライズの両立」を実現する手段となるのが、生活者との接点が豊富なLINE公式アカウントを活用したデータドリブンマーケティングです。

LINE公式アカウントは、以下のような特性をもち、顧客一人ひとりに合わせたパーソナライズ施策の基盤として活用しやすいプラットフォームです。

・日本国内の利用者数9,900万人以上(2025年6月末時点) (※1)
・日常的なコミュニケーションツールとしての定着
・リッチなデータが取得できる多様なタッチポイント
・プッシュ型配信による直接的なリーチ

(※1) 参考:LINEヤフー、LINE公式アカウント、LINEヤフー for Business


このような特性により、メール配信などでは難しかった精度の高いターゲティングやパーソナライズされた情報提供が可能となります。

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データ活用の前提:統合・管理の仕組みが不可欠

しかし、LINE公式アカウントを単に運用するだけでは十分な成果は得られません。

データを効果的に活用するためには、LINE公式アカウント内だけでなく、LINEミニアプリやLINE広告、Yahoo!広告、そして企業保有データまで含めて、これらを統合的に管理・活用できる仕組みが必要です。LINE公式アカウントデータ、LINEヤフーサービス利用データ、そしてここに各企業が保有するデータを統合することで顧客エンゲージメントの向上が期待できます。

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データを統合・管理するための仕組みが、LINEヤフーが提供する「ビジネスマネージャー」です。次章では、その基本概要と活用事例について紹介していきます。

「ビジネスマネージャー」とは

基本概要

「ビジネスマネージャー」は、LINEヤフーが提供するデータ統合・管理の基盤です。分散するあらゆるデータを収集・統合し、マーケティング施策に活用できる形に整理・管理することができます。また、LINE公式アカウント内外のデータを簡単かつ安全な環境で抽出し、オーディエンスとして利用することで、横断的なデータ活用が可能です。

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主要機能

データ収集・統合:LINE内データ、Yahoo!内データ、自社データを統合管理

オーディエンス活用:オーディエンスを作成し、複数サービスで横断的に利用することで一人ひとりに最適なコミュニケーションを実現

分析・レポート:LINE、Yahoo!、企業が保有するデータを組み合わせて分析し、 新たなインサイトを創出 ※構想段階

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そして、「ビジネスマネージャー」を効果的に活用する上でぜひご活用いただきたいのが、Hakuhodo DY ONEが提供する「DialogOne®」です。次章では、その基本概要と活用事例について紹介していきます。

「DialogOne®」とは

基本概要

「DialogOne®」は、Hakuhodo DY ONEが提供するLINE公式アカウントの成果を最大化するマーケティングソリューションです。LINE内外の多様なデータを統合し、個々のユーザーに最適化された施策を実現します。ストレスフリーな顧客体験を提供し、企業と顧客双方の負担を軽減します。

≫「DialogOne®」詳細はこちら

新機能:「ビジネスマネージャー」とのオーディエンス連携

2025年8月、「DialogOne®」が機能アップデートし、「ビジネスマネージャー」とのオーディエンス連携が可能になりました。顧客の属性や行動履歴、興味関心などに基づいたパーソナルなコミュニケーションが効率化され、顧客エンゲージメントの向上とより効果的なマーケティング活動を実現します。

①オーディエンス自動連携で手間や工数を削減

これまではLINE公式アカウント管理画面を介してオーディエンスを取得する必要がありました。今後は「ビジネスマネージャー」で作成したオーディエンスを管理画面を介さずに自動連携できるようになったため、手間や工数などが軽減されます。

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②「AND条件」の細かいターゲティングで配信可能

これまでは、オーディエンスの配信条件を複数組み合わせた場合でも、“条件のいずれか一つでも該当するユーザー”に配信される仕組みのため、細かなセグメント設計やターゲティングには制約がありました。今後は、“条件すべてに該当するユーザーのみ”に配信できるため、商品と親和性の高い「本当に届けたい層」の絞り込みが可能となり、結果として高いクリック率とコンバージョン率が期待できます。

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③自由度の高いクリエイティブフォーマットで配信可能

クリエイティブ制作においては、LINEヤフーが提供する管理画面LINE Official Account Manager(OAM)と比較すると、「DialogOne®」のほうが自由度が高く、リッチメニューやカルーセル形式を活用することでコンバージョン率の向上が見込めるため、より効率的な配信が可能です。

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業界別ユースケース

小売業界

EC・オンライン上で接触があるユーザーの実店舗誘導を図るため、統合的なオムニチャネル戦略でアプローチを実施。実店舗来店の見込みが高いユーザーをターゲットデータとして抽出し、メッセージ配信で店舗受取サービスなど実店舗ならではのメリットを訴求することで、オンラインとオフライン相互補完効果を実現できます。結果、顧客とブランドの接触が増え、ブランドへの愛着度(ロイヤルティ)が向上するとともに、オンラインのみでは実現できない付加価値により購買単価の向上も期待できます。

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金融業界

投資商品の見込み顧客育成のため、データドリブンなアプローチを実施。投資に興味はあるが未契約のユーザーをターゲットデータとして抽出し、メッセージ配信で自分向けの情報と感じさせる内容を継続的に提供します。全ての手続きや情報提供を公式LINEアカウント内で完結させることで、外部遷移による離脱リスクを最小限に抑制します。結果、企業への信頼度向上と、次のアクション(口座開設、投資商品の検討など)への行動変容を促すことができます。

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Hakuhodo DY ONE は、DialogOne®と連携しLINE公式アカウントフォロワー(友だち)のデータを統合管理・分析できるサービス「DialogOne® Insight」も提供しています。次章では、基本概要と主な機能について紹介していきます。

「DialogOne® Insight」とは

基本概要

「DialogOne® Insight」は、LINE公式アカウントの友だちデータを統合管理・分析できるサービスです。顧客基盤ともいえる友だちデータの自由な分析を可能にし、データ施策活用をサポートします。

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主な機能

データ統合・分析:友だち追加から購買までの顧客行動を一元分析
可視化ダッシュボード:直感的に理解できるグラフやチャートで現状把握
セグメント化:分析結果に基づいた効果的なターゲット分類
配信連携:分析結果を即座に「DialogOne®」配信に活用

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今後の展開・まとめ

今回ご紹介したLINEヤフーの「ビジネスマネージャー」は、企業がデータ活用をするうえで非常に有効な基盤です。分散しているデータを統合し戦略的に活用できる基盤があることで、よりデータドリブンな顧客エンゲージメントの向上が期待できます。

また、「DialogOne®」を組み合わせて活用することで、よりパーソナルな顧客体験を提供し、顧客との1to1コミュニケーションを深化させることが可能です。

Hakuhodo DY ONEでは、LINE公式アカウントの開設から運用戦略の設計、実行までを一気通貫でサポートしています。お気軽にお問い合わせください。

DialogOne ご紹介資料

 

この記事の執筆者

株式会社Hakuhodo DY ONE

アドテクノロジーやデジタルマーケティングに関する情報を提供します。

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