こんにちは!
Hakuhodo DY ONEのコマースDX横断対応組織「CROSS COMMERCE Studio」です。
「【Amazon広告基本編】Amazonスポンサー広告まとめ 広告メニューの特徴と活用メリットを徹底解説!」の記事では、Amazonスポンサー広告の概要についてお伝えしました。
本記事では、AmazonDSPを取り上げて解説していきます。
インターネットマーケティングに興味がある方すべてに役立つ内容となっておりますので、是非最後までご覧ください!
AmazonDSPとは
「DSP」とは?
まずはじめに、「DSP」と聞いてもわからないという方に向けて、簡単にご説明します。
DSPとは、「Demand-Side Platform」の略称で、広告主(広告配信を希望している側)のプラットフォームのことを指します。
DSPが広告配信側のプラットフォームであるのに対して、SSP(Supply Side Platform)というメディア(広告枠を提供している側)のプラットフォームがあります。
インターネット広告ではこの2つのプラットフォームで、広告枠を「提供する側(SSP)」と、「購入する側(DSP)」の間で入札・出稿され広告が決定される仕組みがスタンダードとなります。
AmazonDSPの特徴
ここから本題に入り、AmazonDSPの特徴を説明します。
AmazonDSPとは、Amazon.co.jp内に唯一掲載可能なDSPで、Amazonが保有する膨大なデータを活用し、購買意欲が高いユーザーへのターゲティングが可能です。
Amazon独自のデータセグメントにAmazon内だけでなく外部の様々な配信先メディア、静止画や動画、コマース機能付き広告など豊富な広告フォーマットを掛け合わせることで柔軟な配信が可能な点も特徴です。
AmazonDSPは、前回の記事で解説をしたスポンサー広告と異なり、Amazonで商品を販売していない場合でも利用することができます。
この場合、AmazonDSP広告の遷移先はAmazon外の広告主のブランドページやキャンペーンサイトのページとなります。
AmazonDSPの主な目的は「ブランド認知や購入検討段階にいる人を増やす」という上流のファネルにあります。
外部サイトに自社商品を掲載し認知を得ることで、Amazon外にいるユーザーをAmazon 内へ誘導し、売上増加に繋げる役割があります。
AmazonDSPを利用することでAmazonへ流入を促し、入ってきたユーザーにスポンサー広告を当てて売上を伸ばす、という好循環のサイクルを生むことができるのです。
売上が上がれば広告費も増加でき、ますます売上が伸びていきます。
AmazonDSP独自用語
ここからAmazonDSPの詳細な説明をしていきたいところですが、AmazonDSPは独自の用語が多いため、AmazonDSPを理解する上で特に重要となる広告掲載面と遷移先の用語を説明します。
スポンサー広告の掲載面はAmazon内のみでしたが、AmazonDSPの広告掲載面はオンサイト(Amazon内)とオフサイト(Amazon面以外)の2種類あります。
Amazon面以外とは、APS(Amazon Publisher Service)と呼ばれるAmazonのSSPや外部SSPを指します。
また、遷移先も2種類に分かれており、リンクイン・リンクアウトと呼ばれています。
リンクインとは掲載されている広告からAmazon内へ遷移させることで、Amazon内で取り扱っている商品の売上を伸ばしたい場合に商品詳細ページやAmazon内のストアページに遷移させます。
リンクアウトとは、掲載されている広告からAmazon面以外へ遷移させることです。
Amazon内で取り扱っていない商品やサービスなどはリンクアウトで、自社サイトなどに遷移させることが出来ます。
またAmazonで取り扱っている商品でもリンクアウト可能な場合もあるので、その場合は掲載確認が必要となります。
このようにAmazonDSPは掲載面×遷移先で4パターンの活用法があります。
AmazonDSPの掲載面
AmazonDSPは様々な掲載面に広告を出稿できます。
全てを説明することは難しいため、図を交えて、主要な4つの掲載面例を紹介します。
Amazonトップページ
Amazonトップページはユーザーが最初に訪れることが多いページです。
PC面では画面に向かって右下に掲載枠があります。モバイル面ではファーストビューページ下部や、下に画面をスクロールしていくことで表示される掲載枠があります。
検索結果ページ
PC面では画面に向かって商品が並んでいる左側に縦長の掲載枠があります。
また検索結果ページ下部には横長の掲載枠もあります。モバイル面では、検索結果ページ下部に掲載枠があります。
商品詳細ページ
商品詳細ページではPC・モバイルどちらも該当商品の上に掲載枠があります。
またどちらも商品詳細ページ下部にも掲載枠があります。
Amazon面以外のページ
AmazonDSPの特徴としてお伝えしたように、Amazon面以外のページにも掲載枠があります。
Amazonと提携する外部SSPの掲載枠へ広告を出稿することで、Amazon独自のセグメントを利用して認知を得ることができます。
また、Amazon内ページではありませんがFireTVやTwitch、Alexa といったAmazon社が運用するプラットフォームも掲載先として選択することができます。(リンクイン扱いとなります)
AmazonDSPで利用できるセグメント
ここまで本稿で何度か「Amazon独自のセグメント」という言葉が出てきたと思いますが、ここからはAmazonの持つ多彩なセグメントの中から主要な3つのセグメントについて説明していきます。
ホットカスタマー(=インマーケット)セグメント
ホットカスタマーは、Amazonにて過去30日間で対象カテゴリに興味関心のある、購買意向の高いユーザー層を指します。
大カテゴリは約20個/中カテゴリで約250個存在し、さらに細分化された商品カテゴリが無数に存在するため、そのカテゴリ閲覧をベースとしたセグメントを提供しており、約2500種類以上のカテゴリを有しています。
過去30日間に、指定のカテゴリに属する商品ページを閲覧したユーザーに広告が配信されるためエンゲージメントが高いユーザーをターゲットにすることが可能です。
ライフスタイルセグメント
ライフスタイルは、特定のライフスタイルに関連した複数の商品カテゴリに関心を持つユーザー層を指します。
カテゴリは約100種類以上あり、グルメ、スポーツ愛好家、テクノロジー愛好家など、特定のライフスタイルにマッピングされたユーザーへ自社商品の検討を促すことができます。
過去1年間の検索内容や閲覧・購入履歴などから好きなブランドや商品、関心のあるサブカテゴリーより特定の趣味嗜好を割り出しています。
ASINリターゲティング
ASINリターゲティングとは、商品(ASIN)を指定するターゲティング手法です。
ユーザーのAmazon内での行動をもとに、商品やブランドに興味のあるユーザー、もしくはそれに類似するユーザーに対して広告を配信することができます。
自社商品はもちろん、競合の特定商品へのターゲティングもできるため競合商品検討者へのブランドスイッチの促進や競合へのディフェンスができます。
ASINリターゲティングのセグメントは3種類あります。
①購買セグメント
特定の商品やブランドに属する商品を購入したユーザー層。
②閲覧セグメント
特定の商品やブランドに属する商品を閲覧したユーザー層。
③類似セグメント
類似商品の商品詳細ページを閲覧したユーザーや自社もしくは関連するブランドキーワードに関して検索したユーザー層。
注意点として、センシティブASIN(医薬品/宗教/公序良俗に反する/Amazonが不適と判断したもの等)のASIN指定は不可となっています。
AmazonDSPで配信可能なクリエイティブフォーマット
最後に、AmazonDSPで配信可能なクリエイティブフォーマットについてご説明します。
AmazonDSPのクリエイティブを知ることで、AmazonDSPがどのように掲載されているのか、これまで記事で解説した内容の点と点が繋がってくると思います。
AmazonDSPで配信可能なクリエイティブは静止画バナー広告、コマース広告、動画広告の3種類ありますのでそれぞれ解説していきます。
静止画バナー広告
静止画バナーは、最も想像しやすいフォーマットかもしれません。
リンクイン/リンクアウトのどちらにも対応しており、配信面もオンサイト/オフサイトどちらでも出稿できます。
コマース広告
コマース広告とは、Amazonの各種eコマース機能を連携させ、機械学習で効果的に配信するクリエイティブを指します。
現在AmazonDSPで利用できるコマース広告は3種類あります。
コマース広告の中でも最も主流なeコマース広告(ReC)は、最大4つの広告フォーマットをセットで配信が可能です。
種類は、クーポン広告・カート広告・カスタマーレビュー広告・今すぐチェック広告があります。
eコマース広告の特徴は、バナー素材がなくても ASIN情報のみで広告フォーマットが自動生成されることです。
Amazon のカタログ情報と連動した価格や割引情報、Amazonのカスタマーレビューを広告内に表示させることができ、在庫状況の変動などにも自動で対応するため、手作業による設定変更が不要となるメリットがあります。
さらに直接カートに遷移させられるなど、ユーザーの購買導線をショートカットできることが強みです。
自動生成された商品画像だけでなく、任意でオリジナルの静止画を作成し、背景画像を挿入することでよりリッチなクリエイティブを作成することもできます(カスタム eコマース)。
コマース広告は本来、Amazon内に登録されている商品情報を使うことで購入導線を短くできるものですが、最近ではクリエイティブ作成工数の削減という側面でBSCやABCと呼ばれる、商品詳細ページ以外のページへ遷移するクリエイティブを利用することも可能です。
動画広告
動画広告は、現時点でAmazon広告メニューで唯一のオフサイト配信が可能なフォーマットとなっています。
一方でオンサイトでの配信はできないため、Amazon内で動画広告を利用したい場合はスポンサーブランドビデオ広告純広告を利用するほかありません。
動画というフォーマットを使用することで、ユーザーに商品やブランドイメージをより魅力的に伝えることができます。
おわりに
今回はAmazonDSPの説明でしたがいかがでしたか?
AmazonDSPの最大のメリットは、一般的なDSPができることにプラスしてAmazon面に配信ができる点とAmazon独自のセグメントが利用できる点です。
多くの掲載面やセグメント、クリエイティブなど混乱してしまうかもしれませんが、別記事で説明しているAmazonスポンサー広告との違いを意識することで少し整理しやすくなるかもしれません。
Amazonに関連するブログ記事は複数公開されておりますので、ぜひぜひご一読ください。
■CROSS COMMERCE Studioについて
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