【Amazon広告基本編】AmazonDSPの全てが丸わかり!

 2022.09.14  相原 快人

これまで、「Amazon基本編」と冠して、二回に渡りメガECモール「Amazon」の魅力をお届けしてきました。そして前回からは「Amazon広告の基本編」として、その第一弾では、Amazonスポンサー広告の概要についてお伝えしました。

この第二弾では、AmazonDSPを取り上げて解説していきますので、是非最後までチェックしてください!

AmazonDSPとは

まず初めに、DSPって?と思われる方が多いかもしれませんが、DSPとは、「Demand-Side Platform」の略称で、広告主(広告配信を希望している側)のプラットフォームのことを指します。
DSPが広告配信側のプラットフォームであるのに対して、SSP(Supply Side Platform)というメディア(広告枠を提供している側)のプラットフォームがあります。
インターネット広告ではこの2つのプラットフォームで、広告枠を「提供する側(SSP)」と、「購入する側(DSP)」の間で入札・出稿され広告が決定される仕組みがスタンダードとなります。

 

AmazonDSPの特徴

ここから本題に入り、AmazonDSPの特徴を説明します。
AmazonDSPとは、Amazon.co.jp内に唯一掲載可能なDSPで、Amazonが保有する膨大なデータ活用と購買意欲が高いユーザーにターゲティングできます。
Amazon独自のデータセグメントに配信先メディア、広告フォーマットを掛け合わせることで柔軟な配信が可能な点も特徴です。

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AmazonDSPでは、前回の記事で解説をしたスポンサー広告と異なり、Amazonで商品を販売していない場合でも利用することができます
この場合、Amazon DSP広告の遷移先は広告主のブランドページやキャンペーンサイトのページとなります。当然Amazon内で商品を販売をしている場合、Amazon内の商品ページ等でも遷移先として設定できますが、いずれにせよ掲載可否の確認が必要となります。

AmazonDSPの主な目的は「ブランド認知や購入検討段階にいる人を増やす」という上流のファネルへの対応から、より「自社商品を購買してもらう」ためのファネル下部に対しても有効な広告メニューです。
そのためAmazonが提携している外部サイトに自社商品を掲載し認知を得ることでAmazon外にいるユーザーをAmazon内へ誘導し、売上増加に繋げる役割から、自社ないしは競合商品をAmazon内で閲覧・購買したユーザーに対しての広告まで、幅広いターゲティングが可能な点が特徴です。

AmazonDSPを利用することで認知を拡大し、Amazonスポンサー広告で売上を伸ばし、更に一度買ってもらった生活者に対してもう一度自社の商品をお勧めしていくことで、得た費用で更に広告を配信するという好循環のサイクルを生むことができるのです。

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AmazonDSP独自用語

ここからAmazonDSPの詳細な説明をしていきたいところですが、AmazonDSPは独自の用語が多いため、AmazonDSPを理解する上で特に重要となる広告掲載面と遷移先の用語を説明します。

スポンサー広告の掲載面はAmazon内のみでしたが、AmazonDSPの広告掲載面はオンサイト(Amazon内)とオフサイト(Amazon面以外)の2種類あります。
Amazon面以外にでは、APS(Amazon Publisher Service)と呼ばれるAmazonのSSPや外部SSPが保有する媒体の広告枠(在庫)に掲載されます。

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また、遷移先も2種類に分かれており、リンクインリンクアウトと呼ばれています。

リンクインとは掲載されている広告からAmazon内へ遷移させることで、Amazon内で取り扱っている商品の売上を伸ばしたい場合に商品詳細ページやAmazon内のストアページに遷移させます。

リンクアウトとは、掲載されている広告からAmazon面以外へ遷移させることです。
Amazon内で取り扱っていない商品やサービスなどはリンクアウトで、自社サイトなどに遷移させることが出来ます。またAmazonで取り扱っている商品でもリンクアウト可能な場合もあるので、その場合は掲載確認が必要となります。

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AmazonDSPの掲載面

AmazonDSPは様々な掲載面に広告を出稿できます。
全てを説明することは難しいため、図を交えて主要な四つの掲載面例を紹介します。

 

Amazonトップページ

Amazonトップページはユーザーが最初に訪れることが多いページです。
PC面では画面に向かって右下に掲載枠があります。モバイル面ではファーストビューページ下部や、下に画面をスクロールしていくことで表示される掲載枠があります。

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検索結果ページ

PC面では画面に向かって商品が並んでいる左側に縦長の掲載枠があります。
また検索結果ページ下部には横長の掲載枠もあります。モバイル面では、検索結果ページ下部に掲載枠があります。

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商品詳細ページ

商品詳細ページではPC・モバイルどちらも該当商品の上に掲載枠があります。
またどちらも商品詳細ページ下部にも掲載枠があります。

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Amazon面以外のページ

AmazonDSPの特徴としてお伝えしたように、Amazon面以外のページにも掲載枠があります。
Amazonと提携する外部SSPの掲載枠へ広告を出稿することで、Amazon独自のセグメントを利用して認知を得ることができます。

 

 

AmazonDSPで利用できるセグメント

ここまで本稿で何度か「Amazon独自のセグメント」という言葉が出てきたと思いますが、ここからはAmazonの持つ多彩なセグメントの中から主要な3つのセグメントについて説明していきます。

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ホットカスタマー

ホットカスタマーは、Amazonにて過去30日間で対象カテゴリに興味関心のある、購買意向の高いユーザー層を指します。
大カテゴリは約20個/中カテゴリで約250個存在し、さらに細分化された商品カテゴリが無数に存在する為、そのカテゴリ閲覧をベースとしたセグメントを提供しており、約2500種類以上のカテゴリを有しています。
過去30日間に、指定のカテゴリに属する商品ページを閲覧したユーザーに広告が配信されるためエンゲージメントが高いユーザーをターゲットにすることができます。

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ライフスタイル

ライフスタイルは、特定のライフスタイルに関連した複数の商品カテゴリに関心を持つユーザー層を指します。カテゴリは約100種類以上あり、グルメ、スポーツ愛好家、テクノロジー愛好家など、特定のライフスタイルにマッピングされたユーザーへ自社商品の検討を促すことができます。
過去1年間の検索内容や閲覧・購入履歴などから好きなブランドや商品、関心のあるサブカテゴリーより特定の趣味嗜好を割り出しています。

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ASINリターゲティング

ユーザーのAmazon内での行動をもとに、商品やブランドに興味のあるユーザー、もしくはそれに類似するユーザーに対して広告を配信することができます。
自社商品はもちろん、競合の特定商品へのターゲティングもできるため競合商品検討者へのブランドスイッチの促進や競合へのディフェンスができます。

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ASINリターゲティングのセグメントは3種類あります。

購買セグメント
 特定の商品やブランドに属する商品を購入したユーザー層。

閲覧セグメント
 特定の商品やブランドに属する商品を閲覧したユーザー層。

類似セグメント
 類似商品の商品詳細ページを閲覧したユーザーや自社もしくは関連するブランドキーワードに関して検索したユーザー層。

注意点として、センシティブASIN(医薬品/宗教/公序良俗に反する/Amazonが不適と判断したもの等)のASIN指定は不可となっています。

 

AmazonDSPで配信可能なクリエイティブフォーマット

最後はAmazonDSPで配信可能なクリエイティブフォーマットについてご説明します。
AmazonDSPのクリエイティブを知ることで、AmazonDSPがどのように掲載されているのか、これまで記事で解説した内容の点と点が繋がってくると思います。

AmazonDSPで配信可能なクリエイティブは静止画バナー広告、eコマース広告、動画広告の3種類ありますのでそれぞれ解説していきます。

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静止画バナー広告

静止画バナーは、最も想像しやすいフォーマットかもしれません。
リンクイン/リンクアウトのどちらにも対応しており、配信面もオンサイト/オフサイトどちらでも出稿できます。

 

eコマース広告

eコマース広告は最大4つの広告フォーマットをセットで配信でき、機会学習で効果的な広告FMTで最適化が可能です。
種類としては今すぐチェック広告カスタマーレビュー広告クーポン広告カート広告があります。
またカスタムeコマース広告という背景画像を挿入することでよりリッチなクリエイティブを作成することもできます。

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eコマース広告の特徴は、バナー素材がなくてもASIN情報のみで最低限の広告フォーマットが自動生成されることです。
メリットは、バナー内にAmazonのカタログ情報と連動した価格や割引情報、Amazonのカスタマーレビューを引用し、掲載することができる点です。さらにAmazonのカタログ状況に自動で対応するため手作業による設定変更が不要となります。
また「カートに入れる」という機能で購入導線をショートカットすることができるので、購入率が高い傾向にあります。

eコマース広告は「Dynamic eCommerce(DeA)」と「Responsive eCommerce(ReC)」の2種類に分かれており、DeAは掲載したいサイズを絞って配信することができますが、配信したいサイズの画像素材全て作成する必要がある一方で、ReCでは1つのサイズを作成するだけで、すべて自動でサイズ調整がなされるため手間がかかりません。
しかしすべてのサイズに自動調整されるため細かな指定ができないことや、サイズごとの配信結果レポートを見ることはできないなどのデメリットもあります。

 

動画広告

動画広告は、現時点でAmazon広告内唯一のオフサイト配信が可能なフォーマットとなっています。
一方でオンサイトでの配信はできないため、Amazon内で動画広告を利用したい場合はスポンサーブランドビデオ広告純広告を利用するほかありません。
動画というフォーマットを使用することで、ユーザーに商品やブランドイメージをより魅力的に伝えることができます。

 

おわりに

今回はAmazonDSPの説明でしたがいかがでしたか?
AmazonDSPの最大のメリットは、一般的なDSPができることにプラスしてAmazon面に配信ができる点Amazon独自の豊富かつ購買に近いデータを活用したセグメントを指定した配信が利用できる点です。
多くの掲載面やセグメント、クリエイティブなど混乱してしまうかもしれませんが、前回説明したAmazonスポンサー広告との違いを意識することで少し整理しやすくなるかもしれません。
次回はAmazon基本用語第二弾を更新する予定ですので是非そちらもご確認ください!

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この記事の執筆者

相原 快人

DACへ新卒で入社。Amazon・楽天市場等のECプラットフォーム専門部署に所属し、 ECプラットフォーム広告専門の運用業務を担当。大手飲料/家電/消費財メーカーなど幅広い業種のクライアントを担当し、Amazonを中心としたEC売上を最大化するための広告プランニング〜運用の実行を含めたPDCAを実行。

DACへ新卒で入社。Amazon・楽天市場等のECプラ...

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