【Amazon広告基本編】Amazonスポンサー広告まとめ 広告メニューの特徴と活用メリットを徹底解説!

 2022.09.13  星野 萌

前回の記事では、AmazonというECモールの概要や用語など、Amazonにおけるマーケティング施策を考える上で土台となる部分を解説してきました。
まずは、ECモールとしてのAmazonの基本を学べたところで、今回からは、「Amazon広告基本編」と題し全3回にわたりAmazon広告について徹底解説していきます。

本記事でスポンサー広告、次回の記事でAmazonDSPをピックアップし、それぞれの特徴や活用メリットについて解説していくので、是非ご参考ください!

Amazon広告の基本

Amazon広告の種類

Amazon広告とは、その名の通りECモールAmazonが提供している広告プロダクトです。
Amazon広告は主に純広告、スポンサー広告、AmazonDSPに分類され、スポンサー広告とAmazonDSPは、運用型広告に該当します。
本記事ではスポンサー広告について詳しく解説していきます。

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Amazon広告を活用するメリット

スポンサー広告の詳しい説明に入る前に、Amazon広告の運用型広告(スポンサー広告/AmazonDSP)の特徴・活用するべき理由を4つ挙げます。

 

① 唯一Amazon内に掲載できる広告
Amazon広告は、Amazon内に掲載できる唯一の広告メニューです。
以前の記事のAmazon基本編でも触れましたが、Amazonはモバイルで約5,400万人、デスクトップで約1,125万人のユニークビジター数を誇る巨大なECモールです。
商品の購入や比較検討のためにAmazonに訪れる膨大かつ良質なユーザーに唯一アプローチできるのも大きなポイントです。

② 購入までの導線を短く設計できる
Amazon広告には、広告をクリックした際にAmazonの商品詳細ページに遷移させることができる広告や、広告から直接商品をカートに追加できるタイプの広告があるため、購入までの導線を非常に短くすることが可能です。

③ Amazonの「購買データ」を用いたターゲティングが可能
以前の記事で紹介したように、Amazon広告ではAmazonユーザーの実購買データをターゲティングに活用できます。
例えば、Amazonでゲーム機器やゲームソフトを頻繁に購入しているユーザーに対して、最新ゲーム機器の広告を配信するといった例が挙げられます。
Amazon広告は実購買データを活用した広告配信が可能なため、ターゲティング精度はより高いものになります。

④ Amazonで売れるサイクルを作り出せる
Amazon内で商品を出品している広告主にとってAmazon広告の利用は大きなメリットがあります。それはAmazon内で商品が売れるサイクルを作り出すことができる点です。

Amazon内で自社商品の購買を促進するためには、検索結果の上位に商品が表示されることが重要ですが、この検索順位がどのように決まっているかご存知でしょうか。
主にAmazon内での検索順位に関わっていると言われているのは、商品詳細ページの閲覧数や、販売数、レビュー数などであり、これらを増やすためにAmazon広告が用いられます。

Amazon広告を利用することで商品の露出を増やし、商品詳細ページへの訪問を増やすことができれば、それに伴って購入数やレビュー数も増えやすくなります。
商品詳細ページの閲覧数や購入数、レビュー数が増加するとAmazon内での検索順位が上がるため、広告での商品露出に合わせて自然検索での商品露出も増えます。
こうしてAmazon広告がきっかけで “売れるサイクル”が生まれ、より商品は売れやすくなっていきます。
Amazon内で売り上げを伸ばしたい広告主にとって、非常に価値ある広告と言えるでしょう。

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スポンサー広告とは

ここからは、スポンサー広告がどんな広告なのか、概要の説明に入っていきます。

スポンサー広告とは、Amazonが提供する基本的にはCPC課金の運用型広告(一部CPM課金)で、Amazon内に掲載でき、主にAmazon内での売り上げを伸ばしたい広告主が活用する広告プロダクトです。
スポンサー広告には、スポンサープロダクト広告スポンサーブランド広告スポンサーディスプレイ広告の3種類が存在し、それぞれの広告プロダクトで掲載面やターゲティング方法などが異なります。

下記が3種類のスポンサー広告のフォーマット、ターゲティング方法、掲載面をまとめた一覧です。

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それでは、各広告メニューの詳細や出稿するメリットを解説していきます。

 

スポンサープロダクト広告

スポンサープロダクト広告はAmazon内の検索結果ページの上部、中部、下部と商品詳細ページの下部に掲載できる検索連動型広告です。
検索結果ページでの掲載においては自然検索で表示される商品と並んで表示され、見え方も自然検索の商品と非常に似通っています。
ユーザーにとって抵抗感が少ない広告であり、クリックされやすいのが特徴です。

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広告の遷移先は商品詳細ページのみで、ターゲティング方法はキーワードターゲティングと商品ターゲティングが利用可能です。

・キーワードターゲティング
事前に入札をかけるキーワードを設定し、ユーザーが設定したキーワードを検索した際に該当枠を入札しに行きます。キーワードの選定に関しては、手動でキーワードを選定する手動ターゲティングと、Amazonが自動で関連性の高そうなキーワードを選出してくれる自動ターゲティングが利用可能です。ただし、自動ターゲティングは手動ターゲティングと比較して細かな調整を行うことはできません。

・商品ターゲティング
商品ターゲティングには、ASINターゲティングとカテゴリターゲティングの2種類が存在します。
 ⅰ)ASINターゲティング
  ユーザーが商品を検索した際に、自然検索の検索結果1位が設定したASINだった場合、該当枠に対して入札しに行きます。
 ⅱ)カテゴリターゲティング
  ASINターゲティングと類似しており、自然検索の検索結果1位が設定したカテゴリに属するASINだった場合に入札しに行く仕組みです。

ここまでスポンサープロダクト広告の詳細について言及してきましたが、スポンサープロダクト広告を利用するメリットにはどんなものがあるでしょうか。

スポンサープロダクト広告活用の一番のメリット、それは費用対効果の高さにあります。
スポンサープロダクト広告は前述した通り、オーガニック商品と並列で広告露出が可能なためクリック率が高く、また掲載面の多い広告プロダクトであることからクリック単価も高騰しにくい傾向があります。加えて、検索連動型の広告のため広告を配信するユーザーは少なくとも商品や商品の属するカテゴリにある程度の興味・関心を持つ顕在層になります。
これらの理由から、スポンサープロダクト広告は3つのスポンサー広告の中で、最も費用対効果が高い傾向にあります。
Amazon広告を活用するにあたって、まず最初に検討すべき広告プロダクトと言えるでしょう。

 

スポンサーブランド広告

スポンサーブランド広告は、Amazonで検索したキーワードに対して自社ブランド・商品の訴求が可能な検索連動型広告です。
Amazon内の検索結果ページの最上部、下部に掲載できます。検索結果の最上部に掲載が可能なため、スポンサー広告の中では比較的視認率が高いことが特徴です。
スポンサーブランド広告では静止画と動画が利用可能であり、動画の場合は検索結果ページの中部に掲載されます。

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静止画の検索結果ページの最上部掲載では、図のように検索バーのすぐ下に掲載することができます。
また、スポンサーブランド広告には商品コレクション、ストアスポットライトと呼ばれるフォーマットが存在します。
主に異なる点は表示内容と遷移先です。

①商品コレクション
ブランドロゴと見出し、ASINを0~3個掲載、遷移先はAmazonストア(※1)、商品リストページ(※2)などです。広告内のASINをクリックした場合は各ASINの商品詳細ページへと遷移します。

②ストアスポットライト
上記の図のようにブランドロゴと見出しに加え、商品画像とサブページタイトルを表示します。見た目はASINに似ていますが、ASINではないのでクリックしても商品詳細ページには遷移せず、ストアのサブカテゴリページと呼ばれるページに遷移します。

また、スポンサーブランド広告のターゲティングはスポンサープロダクト広告と同様、
キーワードターゲティングと商品ターゲティングが利用可能です。

静止画広告の他に動画広告が利用可能であることは前述しましたが、このスポンサーブランド広告の動画広告はスポンサーブランドビデオ広告と呼ばれており、普通の動画広告とは異なる部分もあるため簡単に紹介しておきましょう。

 

スポンサーブランドビデオ広告

検索結果ページの中部に掲載さる動画広告で、広告の50%が画面に表示された時点でミュートで動画が再生されます。
スポンサー広告の中では唯一の動画広告であり、課金形態は他のスポンサー広告と同様でCPC課金です。
動画広告ではCPM課金が一般的な中、珍しくCPC課金を採用しており、キーワードを検索したユーザーに対して安価に動画を見せることが可能です。
しかし、広告配信において、一般的なimpression数やClick数などの指標は確認できますが、動画視聴開始率などの動画広告ならではの指標が一部確認できないため、その点はあらかじめ認識しておく必要があります。

スポンサーブランド広告、スポンサーブランドビデオ広告はともにブランド訴求に重点を置いた広告であり、ユーザーにブランドを知ってもらう、理解してもらうのに有効です。
また、検索結果ページのファーストビュ―に掲載できることから視認率が高く、費用対効果も高い傾向にあることがメリットとして挙げられます。

 

スポンサーディスプレイ広告

スポンサーディスプレイ広告は、スポンサープロダクト広告、スポンサーブランド広告とは別の視点で使われることが多い広告です。
Amazonの商品を閲覧しているユーザーの興味関心に関連性の高い広告を配信することが可能な為、検索を軸とした他2つの広告メニューとは、接触するタイミングが異なる広告メニューです。
掲載面はAmazonのトップページや検索結果ページの中部、商品詳細ページの最上部、下部と、他のスポンサー広告よりも掲載先が多く、配信サイズも豊富です。

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主な遷移先は商品詳細ページと検索結果ページで、ターゲティングは商品ターゲティングとオーディエンスターゲティングが利用可能です。
なお、オーディエンスターゲティングとは、Amazonでの閲覧・購入履歴をベースとしたセグメントを活用して広告配信するターゲティングのことを指します。

スポンサーディスプレイ広告の特徴は、前述したように配信先と配信サイズが豊富な点が挙げられます。
また、スポンサープロダクト広告、スポンサーブランド広告のようなキーワードターゲティングではなく、ユーザーの興味関心セグメントを基にターゲティングを行う点も特徴の一つでしょう。
メリットとしては、スポンサー広告の中では比較的CPCを安価に抑えられる広告であることが挙げられます。しかし、顕在層へアプローチする広告ではないため、費用対効果は他のスポンサー広告より低い傾向があり、その点には注意が必要です。

 

※1:Amazonストア
いわゆるAmazon内に作成可能なブランド専用ページ。企業はストア内で、各ブランドのイメージやこだわりなどの情報を発信する役割。
※2:商品リストページ
その名の通り、同ブランドの商品が一覧で表示されているページ。

 

 

おわりに

今回はAmazon広告の中でもスポンサー広告にクローズアップして解説してきました。
スポンサー広告についての大枠は今回の記事で理解していただけたでしょうか?
次回はAmazonDSPについての記事を更新します。お楽しみに!

DACでは、AmazonをはじめとするECモールの活用や、オウンドサイトの活用など、Eコマースにおけるマーケティング施策に関するご相談をお待ちしております。
是非、お問い合わせください。

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この記事の執筆者

星野 萌

DACへ新卒で入社。Amazon・楽天市場などのECプラットフォームにおける広告を横断的に担当し、ECモール広告のプランニング、運用、分析業務を一気通貫で実行。家電メーカーや食品メーカーを中心とした大手企業を中心に経験を積み、ECモールにおける売上最大化に向けたPDCAの実行業務を担当。

DACへ新卒で入社。Amazon・楽天市場などのECプラ...

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