「チャットボット」と聞いて、皆さんは何を想像しますか?
AIや人工知能による自動会話システムを思い浮かべる方がほとんどではないでしょうか。「チャットボット」とは、「チャット」と「ロボット=ボット」を組み合わせた言葉で、人の手を介さずに自動で会話を行うプログラムのことを指します。「チャットボット」と一口に言っても活用方法は多岐に渡り、LINEでもチャットボットを使ってユーザーとコミュニケーションを取ることができます。
コロナ禍でチャットボットの普及率はさらに高まり、新型コロナワクチン接種用の問合せが簡単にできるチャットボットや、資料請求や予約などのサービス利用を自動化するためのチャットボットなど、日常生活のさまざまな場面で活用されるようになりました。
今回は、LINE公式アカウントのチャットボットが持つ機能をはじめ、チャットボットの活用によって企業とユーザーの双方が得られるメリットや、ユーザーとのコミュニケーション方法など、詳しくご説明します!
※本記事はトーチライト運営の「PORTL」の記事を一部編集の上、転載する形で掲載しています。
LINEでチャットボットを使うメリットとは?
LINE公式アカウントでチャットボットを利用する大きなメリットは、「顧客対応工数削減」と「機会損失防止」です。
「ユーザーからの問い合わせに多くの時間や人員を取られて、他の業務の対応ができない…」というお悩みを抱えるクライアント様は多いのではないでしょうか? そんな時に活躍するのが、今回ご紹介するLINEのチャットボットを使った「自動応答機能」です。
「自動応答機能」によって、対応にかかっていた工数の削減や、ユーザーとのスピード感のあるコミュニケーションを行うことが出来ます。また、ユーザーの問い合わせた内容に対してすぐに回答が来るため、ユーザビリティの高い価値体験の提供も可能です。
チャットボットを導入する企業だけではなく、ユーザーに対してメリットがあるのもチャットボットの魅力のひとつです。
LINEで使えるチャットボットを知ろう
LINE公式アカウントでは2種類の設定方法があります。
1つ目は、LINE公式アカウントの管理画面(OAM)から設定できるチャットボットを使用する方法です。ユーザーからメッセージを受信した時に、自動でメッセージが送信されます。OAMでは、「応答メッセージ」と「AI応答メッセージ(シンプルQ&A)」の設定ができます。
2つ目は、ベンダーなどが開発・提供するチャットボットツールを導入する方法です。ツールの導入により、「シナリオ型」と「AI搭載型」のチャットボットの利用が可能となり、ユーザーと発展的な会話をすることができます。
それぞれユーザーと行うチャットのコミュニケーション方法や、実現できる会話の難易度が異なるため、詳しくご説明します。
手軽に導入可能。OAMで設定できるチャットボットとは
LINEのチャットボットをOAMで作成するには、「応答メッセージ」と「AI応答メッセージ(シンプルQ&A)」の2つの方法があります。
応答メッセージ
LINE公式アカウントにデフォルトで備わっている機能で、キーワードとなる単語をOAMに登録して、ユーザーからメッセージを受信した際に、指定のメッセージを自動送信する仕組みです。事前に設定したキーワードがユーザーから発話された場合にのみ反応するボットであるため、利用ケースは限定的になってしまいますが、OAMで設定するだけで簡単に利用することができます。
たとえば、OAMから応答メッセージのキーワードに「営業時間」、キーワードに対する返答を「営業時間は11:00〜20:00です。」と設定します。すると、以下の画像のように、ユーザーが「営業時間」と発話した際に、「営業時間は11:00〜20:00です。」というメッセージが自動的に応答されます。
AI応答メッセージ(シンプルQ&A)
AIが瞬時に言語処理を行うため、応答メッセージより複雑な会話をすることができます。この機能は、ユーザーからメッセージを受信した時に、ユーザーの質問の意図をAIが自動的に判断し、その内容に最適なメッセージテンプレートを自動送信する仕組みです。
返信可能なメッセージには、「一般的な質問」「基本情報」「業種別テンプレート」「予約情報」と4つのカテゴリーに分かれており、カテゴリーごとに返信内容を設定します。
また、シンプルQ&Aには業種別テンプレートの設定項目もあります。「美容」「飲食」「教育」「宿泊施設」「リテール」「その他」の6種類が用意されており、該当の業種に合わせた返信内容をテンプレートで利用することができます。
OAMからテンプレートの内容を見ることができるので、利用してみたい方は確認してみてください。
複雑な自動返信をしたい時は、API連携ツールを活用
OAMで利用できるシンプルなチャットボットではなく、「ユーザーとより発展的な会話をしたい!」という方には、LINE社の提供するMessaging APIを利用したチャットボットシステムの利用が必要です。
現在、さまざまな企業がチャットボットツールの提供を行っていますが、それぞれ強みとなるポイントが異なります。そのため、LINE公式アカウント内で実現したい会話にあったチャットボットを選ぶことが重要です。チャットボットシステムを利用する場合、「シナリオ型」と「AI搭載型」の大きく2つの方法があります。
シナリオ型
ユーザーが選んだ質問の選択肢によって、チャットボットが回答を提示する仕組みを指します。
事前に会話のシナリオをある程度想定し、会話の内容を登録しておくと、ユーザーの選択肢や発話内容に合わせてチャットボットのシステムが選択肢を自動で提示し、更にユーザーが選択するという流れを繰り返すことで、最終的にチャットボットから回答が提示されます。
ユーザーからの問い合わせ内容がある程度想定できる場合は、シナリオ型のチャットボットで会話のシナリオを設定しておくと、簡単にユーザーの求める情報を導き出すことが出来ます。
AI搭載型
ユーザーの発話内容や問い合わせ内容をAIが解釈して、統計的に最も正解になる確率の高い回答を、アルゴリズムによって算出して答えるというものです。
回答のパターンをAIが学習しながら見つけるため、ユーザーからの問い合わせ内容が複雑になる場合や予測できない場合などに最適です。
たとえば、よくある質問は、ある程度内容が固定されるので「シナリオ型」で実装を行い、在庫確認や予約といった柔軟性のある会話については「AI搭載型」を利用する、といったように場面に応じて使い分けを行うことが重要です。
おわりに
いかがでしたか?
チャットボットは、実は身近な存在であり、特にLINE公式アカウントのチャットボットは多くの生活者が利用している機能です。この記事を読んで、LINE公式アカウントにおけるチャットボットの特徴やLINE公式アカウントでの利用方法のイメージを掴んでいただけたら幸いです。
DACではMessaging API対応ソリューション「DialogOne®」を提供しており連携実績のあるチャットボットツールも複数あります。またトーチライト社と連携し、企業のLINE公式アカウント運用を支援する「SNS運用コンサルティングサービス」を提供しています。LINE公式アカウント活用においてお困りごとがございましたら、ぜひご相談ください。
※本記事はトーチライト運営の「PORTL」の記事を一部編集の上、転載する形で掲載しています。