去る7月10日、弊社主催で広告会社様向けにB2Bマーケティングをテーマとしたセミナー、「BtoB最前線セミナー」を開催しました。当日は多くの方にご来場いただき、ありがとうございました。
セミナーでは、B2B向けのAudienceOne®活用方法について「3つのデータを活用したAudienceOne® Planningの実践『B to B』編」と題して登壇させていただきました。今回は、当日の発表内容についてご紹介します。
B to Bマーケティングの現状
B to Bのコミュニケーションファネルを簡単に整理すると、
展示会のような業界イベント、TVCMや街頭広告、タクシー広告等のオフライン広告、SEOや各種Web広告で認知を獲得し、自社サイトへの誘導、そしてインサイドセールスから商談につなげる。そして、各フェーズで様々なマーケティングツールを活用。 |
といった一連の流れが確立されているように見受けられます。
一方、Web広告に目を向けると、「資料請求」や各種「問い合わせ」をKPIに施策を実施されています。たとえば、B to BのWeb広告施策で実施されているメニューは、主に以下のようなものがあります。
1)ビジネス系媒体での優良ユーザーへの認知獲得のためのタイアップ広告やバナー広告
2)DSPやSNS広告、ターゲティングメール等で一部可能な、企業属性や決裁権限などのユーザー属性を使ったターゲティング広告
3)検索連動型広告やサイト訪問者へのリターゲティング広告
しかし、
「情報収集者、決裁者どちらを狙うべきかわからない」
「導入には対個人で無く、対企業という考え方が必要」
「ターゲットが不明瞭」
といった点から、ターゲティングが難しいという課題が挙げられます。
また、ターゲット属性が明確に分かっていたとしても
「配信面がブランドセーフでなければいけない為、掲載面が限定的になりがち」
「商材がニッチ」
「ターゲットとなるユーザーの数が少ない」
といった理由で、プランニングが限定的になってしまうという課題も挙げられます。
このように「ターゲティングが難しく」、鉄板メニューにより「プランニングが固定化・膠着化してしまう」という課題があるB to BのWeb広告施策ですが、AudienceOne®を活用いただく事により、効率的にCV数を伸ばしていくことが可能です。
AudienceOne®で利用可能なデータの種類~B to Bの場合~
AudienceOne®で利用可能なデータを分類すると、大きく分けて以下の3つがあります。
1)1st パーティデータ:
オウンドメディア(企業Webなど)上の行動や企業が持つ自社の会員データなど
2)3rd パーティデータ:
AudienceOne®が強みとする様々なデータソースから収集される推計の属性データ、興味関心データ
3)2nd パーティデータ:
事業会社にからみて、特定の他社から購入するデータ保持企業が持つ各種会員属性データやメディアの訪問者データ。
B2Bで活用できる特長的な2ndパーティデータとしては、ランドスケイプの企業属性データがあります。
弊社では2017年より日本最大級のデータベースを活用し、企業の顧客開拓や育成を支援するデータベースマーケティング事業を行なっているランドスケイプ社と協業しており、MarketOne®を活用した広告配信、配信結果分析、2018年からはMarketOne®以外への広告配信を可能にするData Exchangeの取り組みを行ってきました。
参考記事:ホワイトスペースの攻略こそがABMの神髄!B2Bマーケティングを支援する、ランドスケイプ様インタビュー
これら3つのデータを統合し、ターゲットの可視化に活用したり、広告の配信を行ったりすることが可能となります。
AudienceOne® のデータを広告配信に活用するサービス資料はこちら
AudienceOne®を活用した広告配信
配信先としては、弊社のDSPであるMarketOne®以外にも、Facebookやtwitter、LINE ads platform(LAP)などの大手ソーシャルメディアや、Amazonなどがあります。
ターゲットが明確な場合
ターゲットが明確である場合は、以下の3つを用意します。
1)ターゲットリスト
2)既に導入済みで配信する必要のない導入企業リスト
3)導入する事が想定されない競合リスト
更に、AudienceOne®の持つWeb行動データの分析により、狙うべきセグメント・除外すべきセグメントを確定し配信をすることで、より効率的な広告配信を行うことが可能です。
ターゲットが不明確な場合
ターゲットが不明確な場合は、以下の2軸で分析を行います。
1)企業属性分析
―企業のホームページへの訪問やCVをキーに、企業属性(業種、従業員規模、売上規模等)によるターゲット群の可視化
2)Web行動分析
これらの結果をもとにプランニングを行うことで、より効率的な広告配信を行うことが可能です。
広告配信事例
次に、実際にランドスケイプの企業属性データを活用した事例をご紹介します。
こちらの取り組みにおいては、事前情報により導入実績のある企業の「従業員規模」「売上規模」「業種」の情報を受領していました。その中で特に「導入企業」に注目。導入されている企業の業種に偏りがあることがわかったため、業種を指定してFacebook広告の配信を実施しました。
【配信内容】
Facebook Ad:ターゲットリストをもとにしたランドスケイプの企業属性データを活用した配信
【配信結果】
ランドスケイプの企業属性データを活用したFacebook配信では、同時期に出向していた検索連動型広告での結果と比較すると約2倍のCV数の獲得につながりました。また、CV数が2倍となったにも関わらず、CPAの増加率は1.2倍程度にとどまりました。
YDNやGDNのディスプレイ広告との比較では、CV数が約5.5倍、かつCPAは約1/2、という優れた実績を残すことが出来ました。
Facebookの場合、所属企業や職種といった利用ユーザーが自分で登録したデータも活用可能ですが、「企業名」や「職種」などは登録ユーザー数が少なく、配信ボリュームはかなり限定されてしまいます。
一方、今回の取り組みでは、『ランドスケイプ』のデータを活用する事で、Facebook広告のみで100件を超えるCV数を獲得する事が出来ました。掲載面が指定されるブランドセーフの観点からも優れたFacebook広告におけるデータを活用した取り組みとして、効率の観点・ボリュームの観点の両面を押さえた事例となっています。
まとめ
AudienceOne®が保有する3つのデータを活用する事で、鉄板メニューにより固定化・膠着(こうちゃく)化しているプランニングに新しい切り口を加え、データドリブンな広告配信設計が可能になります。
「BtoBの施策で迷っている」「DMPに興味がある」「何か新しいことに取り組んでみたい」。どういった切り口のご相談でも結構ですので、ご興味をもっていただけましたら、ぜひお問い合わせください。
今回ご紹介したB2B向けの事例に限らず、広告配信へのデータ活用「AudienceOne Connect®」の資料をご用意しておりますので、合わせてぜひご覧ください。