昨今では「ポストクッキー時代」と言われていますが、皆さんは対策がお済みでしょうか?
ポストクッキーには様々な対応策がありますが、本記事では共通IDソリューションのうち『推定ID』にフォーカスして解説します!
「その前にポストクッキーのことをもう少し知っておきたい……。」という方は、入門編として『そもそも「クッキー」とは何?』というテーマから解説する連載記事がありますので、ぜひあわせてご確認ください!
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超入門編 そもそもクッキー(Cookie)とは何?ーポストクッキー時代の今後の対策 |連載 第1回
Introduction
媒体社へ入社したタンジさん(主人公)の部署では、自社サイトの運営やマーケティング施策を行っています。
タンジさん)
ワタナベくん、久しぶり。部署の仕事慣れてきた?
ワタナベさん)
ぼちぼちだよ。
早く一人前になりたくて、広告業界のことを勉強しているよ。
タンジさん)
広告業界って変化が激しいもんね。
最近だと「ポストクッキー」はよく聞くようになってるよね。
ワタナベさん)
たしかにそうだね。
今まで広告施策とかに利用していたクッキーが使えなくなることで、いろんな対策が検討・実施されてるんだよね。
僕もちょうどこの前、共通IDについて勉強したところだよ。
タンジさん)
クッキーやモバイル広告IDの代わりになるIDを付与して、ユーザーを個々で識別する方法だよね。
ワタナベさん)
そうそう。
メールアドレスや電話番号などのユーザーが登録した確定情報をキーにして作成するIDなら、高精度且つ持続的にユーザーを捕捉できるんだよ。
タンジさん)
いわゆる確定IDだよね。
ワタナベさん)
だね。
別のアプローチ方法のものだと、色々なデータを分析して「おそらく同一人物だろう」と判断するのが推定ID。
タンジさん)
そうそれ!
いま僕の部署で、推定IDを活用できるように進めようって話になっていて、調べてるところなんだ。
ワタナベさん)
そうなんだ。
推定IDはまだまだ詳しくないから、僕も一緒に勉強しようかな。
タンジさん)
いいね、じゃあ一緒にアキタさんに聞きに行こうか。
タンジさんの部署の部長であるアキタさんに、推定IDについて話を聞きにいくことにしました。
タンジさん)
アキタさん、いまワタナベくんと共通IDについて理解を深められればと思い情報収集してまして、推定IDについていくつかお伺いしてもよろしいでしょうか。
アキタさん)
いいよ!二人とも勉強熱心だね〜!
「推定ID」のアプローチ方法
アキタさん)
推定IDとは、IPアドレス(PCやスマホごとに付与されているインターネットの住所のようなもの)や、ユーザーエージェント(ネット利用者が利用するOS・ブラウザ)などの大量のデータを分析する技術を使って、同一ユーザーであろう人を推測して、IDを付与する方法だよ!
ここまでは知ってたかな?
タンジさん)
はい。
IPアドレスというと、家で使うWi-Fiなどにも割り当てられているものですよね。
アキタさん)
その通り!
ワタナベさん)
確定IDとの違いでいうと、アプローチ方法ですよね。
アキタさん)
そうそう!
Webサイトにアクセスすると、アクセスした人のIPアドレスやOS情報などたくさんの種類の情報が残るのだけど、このたくさんの情報のうち複数項目が一致したら「おそらく同一人物かな」と判定するイメージ。
電話番号やメールアドレスが不要だから、会員登録などをしていないユーザーも判定可能なのが長所だね。
あくまで推定だから精度面は確定IDに劣るけれど、推定IDは判定対象が多いことでボリュームが圧倒的に多いの。
「推定ID」と「確定ID」の使い分け
ワタナベさん)
アプローチ方法の違いは、それぞれの長所でもあるんですね。
タケダさんにも、ボリュームを出したければ推定ID、精度を上げたければ確定IDを用いるのが一般的って教わりました。
アキタさん)
その通り!
ではここでタンジくんに質問です。
広告配信をする時に、訴求対象のターゲット像が明確になっている場合だったらどちらのIDがいいかな?
タンジさん)
ターゲティング配信をするためには精度が高い方が良いので、確定IDかと思います。
アキタさん)
そうだね!
では次はワタナベくん。
新商品の訴求で、広くリーチする広告配信をしたい場合だとどうかな?
ワタナベさん)
その場合は、ボリュームが取れる推定IDの方が良いですね。
アキタさん)
大正解!
精度もボリュームも、それぞれ必要な場面があるんだよね。
だから確定ID・推定IDの両方が必要なんだよ!
タンジさん)
なるほど、それぞれの必要性がわかりました。
今回うちの部署では、推定IDの導入を検討していますよね。
アキタさん)
そうそう!
いくつか推定IDはあるけれど、いま検討しているのはDACの「AudienceOne ID®︎」という共通IDソリューションだよ!
共通IDソリューション「AudienceOne ID®︎」とは?
ワタナベさん)
AudienceOne®︎って聞いたことあります。
でもDMPとして認知してました。
アキタさん)
よく知ってるね!
AudienceOne®︎はいわゆるパブリックDMPと呼ばれるようなサービスで、3rdパーティクッキーを利用してサイト来訪者の属性や興味関心を推定・分析するようなツールだよ!
タンジさん)
属性や興味関心をもとにサイトの来訪者がどんな人なのか分析するツールってことですね。
でも、3rdパーティクッキーの利用は規制されていくんですよね?
アキタさん)
そう!
だからDACでは、AudienceOne®︎の共通IDソリューションとして、1stパーティクッキーやIPアドレスを利用してIDを生成・付与する「AudienceOne ID®︎」を開発したのよ。
ワタナベさん)
なるほど。
AppleのSafariブラウザではITPによって、3rdパーティクッキーが活用できなくなってたかと思いますが、Safariからサイトにアクセスしてきた人も捕捉できるってことですね。
アキタさん)
まさに!
サイト来訪者を3rdパーティクッキーで計測しようとすると、Safariユーザーの約8%しか捕捉できなかったけど、AudienceOne ID®︎での計測では84%まで捕捉できたみたい!
タンジさん)
あれ?
これはつまり、AudienceOne ID®︎でSafariユーザーまで捕捉して、AudienceOne®︎の持っているデータでユーザー分析を行えるってことですか?
アキタさん)
その通り!
AudienceOne ID®︎は共通IDソリューションとしての側面だけではなくて、AudienceOne®︎がDMPとして保有してる様々な3rdパーティデータを活用できるのも魅力なの。
例えば、性別や年齢、年収などの属性データや、その人の興味を持っている事柄などを判定して、どんなユーザーなのか可視化することができるの!
「AudienceOne ID®︎」を使った広告配信について
タンジさん)
うちの部署では広告施策を行うこともありますよね。
導入検討しているということは、AudienceOne ID®︎を使った広告配信も可能ということでしょうか。
アキタさん)
そういうこと!
AudienceOne ID®︎とは別のIDで「ID5 ID」というIDソリューションがあってね、これはDSPやSSPでもすでに流通しているIDなの。
AudienceOne ID®︎はこのID5 IDと連携しているのよ。
タンジさん)
なるほど。
すでに広告配信への活用が進んでいるIDと連携をすることで、そのIDを介してAudienceOne ID®︎もDSPやSSPとの連携ができるようになっているのですね。
アキタさん)
そうなのよ。
ID5 IDってすごくて、すでに全世界で6万サイト超の導入実績があるし、月間30億以上のユニークユーザーIDを判定している世界で最も利用されているIDソリューションなんだって!
ワタナベさん)
僕は今日初めて聞いたサービスだったのですが、日本でも使われているのですか?
アキタさん)
日本国内でも1,000サイト以上に導入されていて、月間3.5億以上のユニークユーザーIDの判定がされているんだよ!
ワタナベさん)
すごいですね。
今日でだいぶAudienceOne ID®︎とID5 IDを知れた気がします。
タンジさん)
AudienceOne ID®︎はID5 IDと連携していることで広告配信も可能になっていて、識別可能なユーザーのボリュームが向上しているってことなんですね。
アキタさん、お時間いただきありがとうございました!
まとめ
タンジさん)
すごく勉強になったね。
ワタナベさん)
なったね。
確定IDは精度の高さ、推定IDはボリュームの大きさとそれぞれの長所を改めて整理できたし、今日で少しだけ推定IDに詳しくなった気がする。
使い分けられればより良いと思うし、先輩にも話してみようかな。
タンジさん)
AudienceOne ID®︎は共通IDとしての側面以外に、AudienceOne®︎のいろんな3rdパーティデータも活用できるって話だし、ポストクッキーが進んでもしっかりユーザー分析とかできそうだったね。
部署での活用が始まったらまた情報共有するね。
ワタナベさん)
ありがとう。
僕も確定IDの「RampID」の話ができそうだし、また情報交換しよう。