昨今の小売業界においては、販売チャネルが増え続けていることによって競争が激化し、様々な課題が叫ばれるようになりました。
今回の記事では、そのような小売業界の課題を解決に導く、CDPとLINEを掛け合わせた具体的な施策やユースケースについて紹介します。
(*小売業界においてどのような課題があるのか、またCDPがどのようなシステムなのか知りたい方は、第一弾からご覧ください。)
【第1弾】小売業界に必要なデータ活用術 ~3つの課題とCDPを活用した解決方法~
小売業界の課題とCDP×LINEを活用した施策
小売業界の課題
小売業界全体の流れとして、インターネットの発達によって販売チャネルが増加している動きが見られます。それによって小売業界においては、
① 顧客接点の複雑化よるデータの分断
② コミュニケーション施策の単発化によるロイヤリティの低下
③ 運用に関わるナレッジやリソースの不足
などの課題が浮き彫りとなっています。そこで今回の記事では①と②の課題に対する、CDPとLINEを活用した具体的な解決策についてご紹介致します。
CDPとLINEを掛け合わせた活用
LINEというプラットフォームが持つ特徴は、大きく3点ございます。
- 日本人の約8割という非常に多くのユーザー数を保有していること
- 「認知」~「優良顧客化」といったマーケティングステージをフルファネルでカバーできること
- 電話番号・メールアドレス・Cookie・広告識別子といった多様な識別子を利用できること
これらの特徴は、データ統合や1to1コミュニケーション施策の基盤となるCDPと相性が良く、連携先として非常に有効的です。
データの統合や1to1コミュニケーションが求められている小売業界においても、CDPとLINEを掛け合わせて活用することが最適だと考えています。
次の章からは、小売業界における課題の詳細と、CDPとLINEを活用した事例について解説していきます。
課題➀ 顧客接点の複雑化よるデータの分断とその解決策
まず 顧客接点の複雑化によるデータの分断について説明します。
顧客接点が増加したことで、店舗やECサイト、SNSなど複数の接点において顧客データが収集されるようになりました。しかし、各データが別々のデータベースで保管されてしまうと、同じ顧客の行動データも紐付けて分析することができず、顧客像が不鮮明な状態になっています。そのためデータの統合を行い、顧客像を明確にする必要があります。
CDP×LINEで行うデータ統合施策
分断されたデータを統合する方法として、CDPとLINEを活用した事例について解説します。
LINE公式アカウントを用いることで、会員データ(メールアドレス)、店舗データ、LINEデータ、ECサイトのデータを統合することが可能になります。
会員データ(メールアドレス)と店舗データの統合に関してはまず、オフラインデータである店舗データをオンライン化する必要があるため、LINE公式アカウント上でデジタル会員証の機能を実装します。
デジタル会員証を店舗でスキャンすることで、オフラインでの購買などといった顧客データをオンライン化することが可能になります。そして会員データと店舗での来店・購買データを紐づけた状態でLINE公式アカウント内にデータを蓄積します。
LINE内のアクションデータと会員データ(メールアドレス)の統合には、DialogOne®Connectという弊社のソリューションを利用します。DialogOne®Connectを用いることで、LINEに登録済みのメールアドレスを取得し、そのメールアドレスとLINE内のコミュニケーションデータを紐づけることが可能となります。
(*ユーザー同意済みのメールアドレスのみの取得となります)
このようにで紐づけた、以下4つのデータすべてをCDP内インポートします。
(1)LINE上のメールアドレスと紐づけた店舗データ
(2)メールアドレスと紐づけたLINEでのコミュニケーションデータ
(3)メールアドレスが登録されたECサイトのデータ
(4)会員データ
最後に、CDP内でメールアドレスをキーに名寄せすることで、会員データでと店舗データ、LINEデータ、ECサイトデータの統合が可能となります。
CDPとLINEを活用してデータの統合を行うことで、横断的に顧客データを捕捉し、顧客像を明確に捉えることができます。
課題② コミュニケーション施策の単発化とその解決策
事業部や施策ごとに顧客に対してのアプローチが行われることで、コミュニケーション施策の単発化が起きてしまいます。最適なコミュニケーションを継続的に実施できないため、顧客のロイヤリティ向上が難しくなっています。特に他社との差別化が難しくなっている小売業界において、LTVを高め、ロイヤリティを向上させることは必要不可欠です。
しかし顧客像が不明瞭のままでは、同一ユーザーに全チャネルを使ってメッセージを訴求するような施策になってしまい、ロイヤリティの向上は目指せません。
CDP×LINEによる顧客ステータスの把握
CDPとLINEを掛け合わせた1to1コミュニケーションを行うことで顧客のロイヤリティを高める方法を解説します。まずCDPのデータ統合機能を活用して顧客像を明確化し、「認知」~「優良顧客化」までの顧客ステータスを把握します。
そしてフルファネルでのコミニュケーションを行うことができるLINEの特徴を活かし、顧客の各ステータスに合わせてパーソナライズ化された施策を、LINE公式アカウントを用いて実行します。
次に、CDPを活用して顧客ステータスを把握したターゲットに対し、パーソナライズ化されたコミュニケーションを行えるLINE公式アカウント上の施策を2つ紹介します。
施策1:レシートキャンペーン
これはLINE公式アカウント内に、商品購入時のレシート画像を送ることが応募条件として行う、購買促進施策キャンペーンです。レシート画像をLINE公式アカウントに送ったユーザーに対し、インセンティブを与えることで認知の段階で止まっていたユーザーに対して購入を促すことが可能となります。
レシートの写真を撮って送るだけでキャンペーンに参加できることから、ユーザーの参加ハードルが低くなるメリットがあります。また企業側としても送られたレシートの購買情報をOCRツールを活用しデータを読み込み、LINEのIDと購買情報を紐づけることで自社データをリッチ化することができます。
施策2:インスタントウィン
これはLINE公式アカウントを登録しているユーザーにクーポンやプレゼントを送付するキャンペーンです。
商品を購入したユーザーに対して特別クーポンを配布することで再購入を促すことが可能となります。ユーザー側としては有用なコンテンツ受け取れる、企業側としては購買促進、LINEのブロック率を低下させられるメリットがあります。
顧客ステータスを的確に捉えて施策を実行することで、LTVを向上させ、顧客のロイヤリティ化を促進できます。
まとめ
今回の記事では、小売業界の課題である顧客接点の複雑化、施策の単発化に対して、LINEとCDPを活用した具体的な解決策について解説しました。
LINE公式アカウントのデジタル会員証を活用したデータの統合、認知から顧客育成までの各ファネルのステータスの人に対してインスタントウィンやレシートキャンペーンによるLTV向上は、小売業界にとって必要不可欠です。
上記のようにLINEとCDPを掛け合わせたマーケティング施策に今後の期待が高まるでしょう。
また、小売業界の課題に対する上記以外の解決策について解説しているダウンロード資料もございますので、是非合わせてご覧ください。
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