データの活用が企業のマーケティング活動の中で非常に重要視されている昨今、日本でも認知が大きく広がり世界的に導入企業が増加傾向にあるのが『カスタマー・データ・プラットフォーム(以下、CDP)』です。
本ブログでは連載として、CDPに関する基礎知識から活用方法、導入までの流れなど、CDPに関する情報をお届けしています。本記事ではCDPの導入が決まった後、どのように構築を進めていくのかについて2回に渡ってお伝えします。
自社でCDPの導入が決まった際に、「どのようにCDP構築を進めるべきか悩んでいる」「何から始めればよいかわからない」といった方にぜひご確認いただけたらと思います。
CDP連載ブログ
【第1弾】いまさら聞けない『CDP』とは?|その種類や活用方法まで詳しく解説!
【第2弾】CDPで何ができるのか?|データ統合による顧客理解とコミュニケーション施策をご紹介!
【第3弾】CDPとDMP・MAの違いと最適な活用法
【第4弾】『CDP』導入までの3つの壁|直面する課題とその解決策を細かく解説!
【第5弾】『CDP』導入後の流れ|どのようにプロジェクトを進めればよいか?成功のために意識すべき点について(前編)※本記事※
【第6弾】『CDP』導入後の流れ|どのようにプロジェクトを進めればよいか?成功のために意識すべき点について(後編)
CDP構築のステップ
一般的なCDP構築のステップは以下の通りです。
データ確認・整備>環境構築・データ統合・分析>コミュニケーション施策設計・実行>効果計測・分析
大きく分けて、各種データを統合・分析する環境を構築する「システムインテグレーション領域」と、そのデータを元にコミュニケーション施策の設計・実行、効果計測を行う「マーケティング領域」に分かれます。
将来的にどのようなコミュニケーションを取っていきたいのか、それにはどのようなデータをどのデータベースからCDPに統合していく必要があるのかを整理する必要があり、エンジニアサイドとビジネスサイド双方で目的とゴール、手順をすり合わせていく必要があります。
詳細な構築ステップを見ていきましょう。
STEP1:構想・要件定義
「目的/ビジネス要件定義」では、現状の課題の把握、目的の設定を行います。
「推進体制」に関しては、前述の通りエンジニアサイドとビジネスサイドのメンバーを含めて認識を合わせながらプロジェクトを推進することが重要となります。
「全体像/論点整理」についても前述の通りで、ビジネスサイドで掲げるゴールを達成するためにエンジニアサイドでそれをワークフローに落とし込むことが必要です。双方の意見をすり合わせて論点整理を行っておくことが重要となります。
STEP2:設計・実装
「データ・要件定義」では自社がどのツールにどのようなデータを格納しているのか、その上で"STEP1"で定義した目的を実現するために必要なデータが何なのかを整理します。
「データ取得設計」については、各データをどの手法でCDPに統合するかを定義します。タグ/SDK経由での取得や、中間サーバーを介しての取得など様々な方法がありますので、データ内容や性質に合わせて、最適な取得方法を決定してきます。「データ加工設計」については、データの活用方法や体制に合わせて、使いやすいデータ構成を整理し、データをクレンジングします。「アウトプット連携」については、目的としていた施策を実行するためのツールへのデータ連携を行います。こちらもいくつかデータ連携方法がありますので、データ内容やツールに合わせた連携方法を決定します。
「分析/可視化」ではBIツールなどを活用し、統合データの可視化を行います。
「施策設計」では分析を行った上で、ロイヤル度や属性、興味関心など様々な観点で顧客のセグメント化を行い、それぞれにあった施策を検討します。
「セグメント精緻化」では作成したセグメントを使って機械学習を行ったり、スコアリングロジックを設計します。
「施策実行/PDCA」では設計した施策の実行と、その結果を可視化することでセグメントのチューニングや精緻化などを行ってPDCAを回していきます。
そんな万能なCDPですが、導入を検討する上でどういった課題に直面するのか、そして、その課題をどう解決していくのかを次章で解説します。
CDPプロジェクトを成功に導くために意識する点
一般的なスケジュール感としては初期の構想・要求定義~設計・構築でおよそ6ヶ月です。その後施策の検討・実行のフェーズに入っていきます。
このスケジュールの中でどのような点に留意すべきか、意識すべき点についてご紹介いたします。
その1:構想・要求定義
この部分では、前述の通り、ビジネス・エンジニアサイド双方の考えを取り入れて課題と目的を整理する必要があります。
また、課題設定においては具体的な課題を設定すると、限定的で汎用性が低かったり、課題が多すぎて整理できなくなることにより、機能の過不足が発生してしまいます。そのため、ある程度構造化しておくことが必要です。(下図をご参照ください)
その2:設計・実装
どのツールからデータを取り込み、どのツールにデータをアウトプットするのかを整理します。
"その1"で定義した目的やコミュニケーション施策を行うために必要なデータとその管理ツールがどのようなもので、どの手法でCDPに入れるのか、そしてCDPに入れた様々なデータをどのIDをキーにして統合していくのかを丁寧に確認し、設計していきます。
CDPで行いたいこととCDPでできることをビジネスサイド・エンジニアサイドですり合わせながら進行することが重要です。
その3:施策運用
収集・統合したデータを施策に活用する際は、どのような効果指標で施策評価を行うのかも合わせて検討が必要です。
CDPは様々な部署で活用するデータ基盤となるため、各部署で必要なKGI/KPIを整理して各指標の変化に影響する項目の洗い出しなどを行った上で可視化や施策への活用を行うことが望ましいです。
まとめ
CDPの導入が決定した後、どのような手順でCDPを構築・運用していくかイメージを持っていただけましたでしょうか。
続く第6回ではCDP構築のステップ(後編)として、導入を進める過程でのプロジェクトを成功に導くポイントなどをお伝えいたしますので是非ご確認ください。
DACではCDP構築に当たって必要となるデータの棚卸、環境構築、運用など様々なフェーズにおいてトータルサポートが可能です。お気軽にお問い合わせください!
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