EC事業に取り組まれる企業では、ECサイトでの売上が伸び悩んでいたり、運用面を効率化できずに多くの時間やコストがかかってしまうなどの課題をお持ちではないでしょうか。
こうした課題を解決するためには、社内のデータを活用することが非常に重要です。
今回は前・後編に分けて、データ活用基盤であるCDPを用いたECサイトにおける課題の解決について解説していきます。
前編である本記事では、ECサイトにおいて直面する課題の整理と、CDPを活用した解決方法を説明し、後編では弊社が実際に支援した企業の事例をもとに、CDPを用いた課題解決について具体的に解説します。
EC市場の現状
EC市場は上昇傾向が続いており、特に巨大プラットフォーム(楽天やAmazonなどモール型EC)が大きく伸長している状況です。またshopifyなどのECサイトを簡単に構築できるサービスの台頭により、EC事業への参入障壁が低くなることで多くの企業が取り組みを開始しています。
EC事業において直面する課題と解決方法
EC事業において直面する課題
EC事業に取り組む企業が増えてきたため、競争は激化し、顧客ごとの興味関心やステータスに合わせたコミュニケーションを取ることが必要となっています。
そのため、自社ECなどからデータの収集を行い、収集したデータを分析しつつ施策を行うことが重要となります。
しかし、大きく分けて2つの課題に直面し、データの活用に至らない現状があります。
1つ目の課題は、在庫管理や生産計画などの業務に多くの工数がかかってしまい、データを活用するためのリソースが割けないことです。
2つ目の課題は、部署・マーケティングツールごとに顧客データがバラバラに管理されていることで、正確な顧客像を捉えきれないことです。
EC事業における課題の解決方法
EC事業における2つの課題は、どちらも「社内で散在しているデータを収集・統合すること」が解決策となります。
1つ目の課題に対しては、部署やマーケティングツールごとに管理されていたデータを統合管理することで、在庫管理や生産計画に必要なデータをその都度関係各所から集める必要がなくなり、集計の工数を減らすことが可能になります。
2つ目の課題に対しては、自社内に散在していた顧客データを集約することで、より詳細な顧客分析が可能となり、明確な顧客像を把握できるようになります。
これらの解決策を実行するためのシステムとしてCDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)が注目されています。
CDPには、主に以下の機能があります。
- 社内で分断されている自社データの統合
- 自社データを活用した広告配信の最適化
- 明確化された顧客像をもとにした1to1マーケティング
CDPの詳細については過去の連載記事でも解説しておりますので、ぜひご一読ください。
CDP導入によって実現できること
以下の図はCDP導入により実現できることを表したものです。販売までの準備(商品企画~仕入れ)のフェーズと、実際に商品を売る(集客~クロスセル)フェーズのそれぞれで実現できることがあります。
1つ目は商品企画から仕入れに至るまでの業務工数の削減・効率化です。
CDPには集計・分析業務を自動化できる機能や機械学習機能が備わっており、手作業が必要であった工程の作業時間を短縮するなど、業務工数の削減や効率化を期待できます。
2つ目は集客からクロスセルに至るまでのCXの向上です。
CDPを導入することで社内に散在していたデータを統合管理でき、顧客単位での行動傾向やステータスの把握に役立ちます。
ターゲット一人ひとりに合わせたメッセージを送ったり、適切なチャネルでアプローチできるため、CXの向上を期待できます。
まとめ
今回は、EC事業においてデータを活用する重要性と、データ活用施策を実施するうえでの課題と解決方法について解説しました。
EC事業においては、在庫管理や生産計画などの業務に多くの工数がかかってしまうことでデータ活用に工数を割けないことや、顧客データが社内に散在していることで顧客像を把握するための分析に活用できていないことが課題となります。
これらはCDPを用いて、データを収集・統合することで解決可能です。
具体的には、在庫管理や生産計画に関わる業務工数を削減することや、より精緻な分析によって正確な顧客像をとらえ、1to1コミニュケーションを行うことでCXの向上を実現できたりします。
後編では、弊社が実際にCDPの構築からデータ活用まで一気通貫してサポートした事例をベースに、企業の抱える課題を解決方法と、業務工数の削減やCXの向上を実現について解説しておりますので、是非ご一読ください。