【連載ブログ第1弾】いまさら聞けない『CDP』とは?|その種類や活用方法まで詳しく解説!

 2021.08.02  株式会社Hakuhodo DY ONE

企業のマーケティング活動にデータの活用が非常に重要視されている昨今、日本でも認知が大きく広がり世界的に導入企業が増加傾向にあるのがカスタマー・データ・プラットフォーム(以下、CDP)です。

本記事では混同しがちな「CDP」と「DMP」の違いや、CDPが必要とされる理由、導入することにより何が実現できるのかなど、CDPについて抑えておくべきポイントを徹底解説します。

CDP連載ブログ

【第1弾】いまさら聞けない『CDP』とは?|その種類や活用方法まで詳しく解説!※本記事※
【第2弾】CDPで何ができるのか?|データ統合による顧客理解とコミュニケーション施策をご紹介!
【第3弾】CDPとDMP・MAの違いと最適な活用法
【第4弾】『CDP』導入までの3つの壁|直面する課題とその解決策を細かく解説!
【第5弾】『CDP』導入後の流れ|どのようにプロジェクトを進めればよいか?成功のために意識すべき点について(前編)
【第6弾】『CDP』導入後の流れ|どのようにプロジェクトを進めればよいか?成功のために意識すべき点について(後編)

CDPとは?DMPとの違いは?

「CDP」とは、その名の通り顧客の氏名やメールアドレスなどの個人情報を管理することに加え、散在するマーケティングデータを収集・統合・分析し分類・活用するためのプラットフォームです。プライベートDMPと呼ばれることもあります。自社で収集しているあらゆるデータを一元管理することで新規顧客の獲得から既存顧客への施策までをデータドリブンに最適化することが可能になります。

CDPと同じく、マーケティング施策へのデータ活用を可能にするソリューションであるDMP(データマネジメント・プラットフォーム)とは補完関係にあります。ここでいう「DMP」はパブリックDMPのことを指します。

どちらもデータを保有・活用するためのプラットフォームであるCDPと DMPには大きく3つの違いがあります。

CDPとDMPの違い

その1:保有するデータのタイプ

DMPはさまざまなWebサイトまたはアプリ内のユーザー行動をもとに推計された3rdパーティデータが主なデータになります。一方でCDPは自社サイトへの会員登録データや自社EC・店舗での購買データなど、主に1stパーティデータを管理するプラットフォームになります。そのためCDPでは自社で収集できる事実に基づいた確定データを保有することが可能です。

その2:保有するデータの統合・分析の粒度

DMPは顧客の個人情報を保有することができないため、セグメント単位での管理となります。一方で、CDPは個人情報と行動データを統合して顧客単位で管理することができるため、顧客カルテのように顧客一人一人の特徴を把握し、顧客を立体的に理解することが可能になります。

その3:可能なデータ活用施策の幅

DMPは2点目で述べたようにセグメント単位での管理となるため、新規顧客の獲得のための広告配信へセグメントとして活用することに優れています。しかしながら、既存顧客に対しての示唆を生むためのデータとしては明瞭さが欠けており、CRM施策へのデータ連携は想定されていないケースも多くあります。一方でCDPは顧客単位での管理となるため、それらのデータをマーケティングツールへ連携し、パーソナライズしたコミュニケーション施策を実施することに優れています。また、CRM施策だけでなく、分類したセグメントに向けてさまざまな広告プラットフォームから広告配信することも可能です。新規獲得の施策から既存顧客への施策まで幅広く活用できる点はCDPの利点といえます。

CDPブログ_図1

CDPが必要とされている4つのポイント

近年CDPは世界中のさまざまな企業で導入が進んでいます。なぜCDPが注目され、必要とされているのか?その背景として4つのポイントを解説します。


Point 1. 消費者行動と顧客接点の変化

オンライン上での購買やWebサイトのコンテンツ閲覧など顧客との接点が多様化したことにより、これまでは店舗での行動によって理解が可能であった顧客ニーズも複雑化し、顧客を理解した最適なサービスの提供が難しくなってきているという背景があります。多様化した顧客との接点で得ることのできるデータを統合して管理することが顧客ニーズの理解のために重要になってきています。


Point 2. マーケティングテクノロジーの進化

顧客とのコミュニケーションをとる接点(チャネルポイント)は多様化しております。国内で利用可能なマーケティングツールは年々増加しており、一企業で複数のマーケティングツールを導入しているケースも少なくありません。そのような中で導入したツールごとの連携が取れず、ツールごとにデータが分断しているといった課題が顕在化しています。ツールごとに活用しているデータを統合し、すべてのチャネルで自社のデータを活用できる環境を構築することが必要とされています。


Point 3. 事業ごとのデータ管理体制

顧客接点が多様化する中で、自社で収集できるデータも増加しています。一方で、それぞれの接点で収集したデータは各事業部で管理する体制となっており、事業部を横断したデータの管理・活用ができていない企業は多くみられます。クロスセルやアップセルによるLTV向上・収益拡大を目指すためには顧客データを統合することでカスタマージャーニーを明瞭に描き、施策へ繋げることが重要になっています。

CDPブログ_図2


Point 4. プライバシー保護への対応

近年では個人情報保護法の改正によって個人情報の収集や活用における同意取得が義務づけられ、またApple社やGoogle社のIDFA・3rd Party Cookieの利用制限によってデータ活用施策の縮小が想定されています。このような社会情勢の変化によって自社のデータ収集・活用の方針見直しを行う必要が出てきています。

CDPブログ_図3

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これら4つの観点から、自社で収集できるデータを1つのプラットフォームで統合して管理・活用する重要性が高まっており、結果としてCDPの必要性も高まっています。

CDPで実現できること

ここまで、CDPの概要と必要性について解説してきました。ここからはCDPによって実現できることを紹介します。

改めてCDPは自社で収集したデータを統合し、それらのデータをもとに分析、そして他のマーケティングツールへと連携するといった自社データすべての起点・ハブとなるような働きをするソリューションとなります。

CDPとは_図

CDPの主な機能としては以下の5つに分けられます。

① データの保有
② 顧客単位でのデータ統合
③ 個客の分析・分類
④ データの連携
⑤ コミュニケーションの実行

 この5つの機能によって「顧客理解の深化」と「One To Oneコミュニケーション」を実現することができます。

「顧客理解の深化」①②③が関係しています。顧客接点・施策ごとに分散していた顧客IDを統合することで、より精緻な顧客分析を行うことが可能になります。また顧客IDに紐づくデータを増やすことで顧客のニーズを明瞭にします。

「One To Oneコミュニケーション」③④⑤が関係しています。チャネルデータを横断した継続的なユーザーコミュニケーションの実現が可能で、統合した顧客データをマーケティングツールに連携することで顧客ごとに最適なコミュニケーション施策を実施することができます。

 

CDPの2つのタイプを比較

CDPには大きく2つのタイプがあります。

必要な機能がすべてパッケージになっているSaaS型のCDPとクラウドサービスを利用する自社構築型のCDPがあります。

それぞれにメリット・デメリットがあるため自社に適したCDPを選択することが重要になってきます。

CDPブログ_図5

DACではSaaS型・自社構築型のどちらのCDPも導入支援できる体制が整っています。

まとめ

今回は、CDPについて基本的なポイントをご紹介させていただきました。

DACでは、CDPの構築やコンサルティング、データ戦略など、さまざまなサービスを提供しています。CDPにご興味のある方、導入を検討している方は、お気軽にご相談ください。

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