いまさら聞けないDMPとDWHの違い

 2019.01.23  山岡 希望

デジタルマーケティングにて活用されるシステムの中で、混同されがちなのがDMPとDWHです。どちらも英語3文字で表示していることや、そもそも「データ管理するためのシステム」という部分で類似しているので、混同するのも無理はありません。しかし、その目的や効果は全く違います。その違いを明確に理解していないと、DMPもDWHも効果的な活用はできないでしょう。

そこで今回は、いまさら聞けないDMPとDWHの違いについて紹介します。

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DMPって何?

DMP(データマネジメントプラットフォーム)は「膨大なデータを保有する巨大な箱」とイメージしてください。この箱の中には、1stパーティデータ(自社で収集・保有しているデータ)または3rdパーティデータ(自社で収集できない外部データ)、もしくは両方が一元管理されています。DMPに集めたデータは、MA(マーケティングオートメーション)やCRMツール、DSP(Demand-Side Platform)などと連携し、メールやデジタル広告の効果を最大化するために活用します。

どのようなデータを保有しているかというと、一般的にはデジタル上のユーザー情報です。その内容はユーザーの属性情報(性別や年齢など)から興味関心に関する情報、居住地データやSNS情報など多岐にわたります。

ちなみに1stパーティデータを主に扱うDMPを「CDP(プライベートDMP)」、3rdパーティデータを主に扱うDMPを「パブリックDMP」と呼びます。

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DMPは一般的に「広告効果を最大化するためのシステム」として認識されることが多いですが、実際はもっと広範囲に活用できるシステムだということをぜひご理解いただきたいと思います。

たとえば、自社の顧客情報に3rdパーティのオーディエンスデータを紐づけると、優良顧客に類似した属性を持つユーザーを発見できます。ということは、効率良くセールスを展開して収益を拡大できるということにつながります。

あるいは既存顧客に向けて、アップセル施策のためのCDP(プライベートDMP)を活用した広告マーケティングを展開すればLTV(生涯顧客価値)向上が期待できます。

参考ページ


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DWHって何?

DWH(データウェアハウス)は、直訳すると「データの倉庫」です。システムの概要も文字通り、社内に蓄積されるデータを保管するためにあります。特徴は「データが時系列で保管されること」と「データが更新・削除されないこと」などです。

DWHは何のために用いられるかというと、主にデータ分析のためにデータを整理し、それをBI(ビジネスインテリジェンス)などのデータ分析ツールで利用するためのものです。DWH自体に分析機能が備わっているケースもありますが、本格的なデータ分析をするならば専用ツールと連携するのがよいでしょう。

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では何のデータを保管するかというと、売上情報だったり、在庫情報だったり、DMPのようなオーディエンス情報だったりもします。つまり、DWHは保管するデータに特定のカテゴリが無く、社内に蓄積されるデータであれば種類を問わず保管できるというのが特徴です。

「じゃあDWHはマーケティングに活用できないの?」というと、そうではありません。DWHで保管されているデータをBIによって可視化、分析することによりマーケティングでも活用できます。しかし、DMPのようなメールマーケティングに活用するためのMA連携や、広告効果を最大化するためのDSP連携は難しいケースが多いでしょう。これがDMPと大きく違う点です。

ここまでの内容でDMPとDWHの関係を整理すると「データ管理のためのシステム」という点では共通しているものの、そもそもの目的や効果が違うシステムということになります。

「DMPとDWHを連携すると何か良いはないの?」という疑問がありそうですが、最近話題になっている個人情報保護の観点でメリットがあります。利用目的をDWHは個人情報の取り扱う代わりに外部連携を最小限とし、DMPは個人情報を取り扱わないで広告マーケティングへの活用のために外部連携を積極的に行うようにすると、個人情報のデータベースを直接、外部連携せず、安全に広告マーケティングへの活用ができます。

いま必要なシステムはどっち?

根本的な目的や効果が違うシステムなので「どちらを導入すべきか?」は一概には言えない問題です。

BtoBかBtoCを問わず、ユーザーの購買行動はデジタル上に集中しているというのが現状です。パソコンとインターネット、スマートフォンやタブレットの普及によってユーザーは時間や場所を問わず、いつでも好きな情報を手にできる時代になりました。そのため、何か製品を購入したりサービスを利用したりするにあたって、ユーザーはまずインターネットで情報を取得します。この傾向は一般消費者だけでなく企業の決裁者に関しても同じ傾向があります。ビジネスの相手が一般消費者でも企業や法人でも、デジタルマーケティングを展開することが非常に大切です。

以前ならば「DMPは大企業が導入するシステム」という認識が強かったものの、最近では組織の規模を問わず活用事例が増えています。DMPが現代社会を生きる企業のニーズに合致して、コモディティ化が進んだ結果でしょう。

そのため、もしも「データ管理ソリューションを導入したい」「データ分析をもとにしたマーケティングを展開したい」と考えているならば、DMPをおすすめします。

ただし、DMPにはいくつか留意点があります。それは「DMPは広告だけのツールではない」「DMPで高度な分析はしない」の2点です。

たとえば、自社のCRMデータと連携して既存顧客の購買プロセスや課題を分析し、その情報を営業に引き渡してアップセルやクロスセルといった収益拡大のための施策に使うこともできます。

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さらに一口に広告配信といっても、リターゲティング広告ではなく、既存顧客と類似するユーザーに広告配信する活用方法もあります。
「DMPはツール」という固定概念を持ってしまうと、その効果を存分に発揮できない可能性があるでしょう。

数あるDMPの中には分析機能を備えているものもありますが、高度な分析までDMP自体が担うわけではありません。そのため本格的にデータ分析を行いたいという場合は、BIやデータマイニングツールなど、専門ツールと連携することで高度なデータ分析を行うことができます。

これらの留意点に気を付けながら、目的に見合ったDMPの導入を検討することで、より効果の高い導入が実現できるでしょう。

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AudienceOne®について

AudienceOne®はDACが提供するDMPであり、月間4.8億ユニークブラウザと1億以上のモバイル広告ID、2兆レコード以上の膨大な3rdパーティデータと、多様な専門領域データ(2ndパーティデータ)を保有しています。そのデータを解析して高精度なセグメントデータを生成/提供します。このデータを分析/可視化、また豊富な連携チャネルを活用した“新規顧客の獲得”から“既存顧客へのLTV向上”までを一気通貫で実現できます。

DMPを導入したい。上手に活用したい。こうしたニーズをお持ちの方は、ぜひ一度DACへご相談ください。
要件や環境に合った最適なソリューションを提案いたします。

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この記事の執筆者

山岡 希望

ECショップの運営、メディアレップでネット広告の運用、開発を経て、2014年にDACへ入社。アドサーバの開発、カスタマーサポートのマネージャーに携わる。2017年にマーケティング領域を担当し、自社ソリューションのサイト立ち上げや自社セミナーの開催などを行う。その後セールス領域の支援としてSFA導入を担当し、DACソリューションのデータドリブンマーケティング&セールスの基盤を管理、運用する。
プライベートでは、少年野球のコーチをボランティアで5年携わっており、地域の子供の身体と心の育成に貢献。 趣味の一環で、自家製味噌を作ったり、家庭菜園で野菜を育てている。

ECショップの運営、メディアレップでネット広告の運用、開...

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