【UDW2021】プログラマティック広告最新トレンド! 次世代広告配信プラットフォームについて

 2021.09.03  株式会社Hakuhodo DY ONE

2021年6月末に3日間にわたり開催し、
ご好評のうちに終了した「DAC Digital Update Week 2021」。
今後、複数回にわたって、会期中に配信したセッション内容について
ご紹介させていただきます。

初回は『プログラマティック広告最新トレンド!次世代広告配信プラットフォームについて』と題したセッションの内容をご紹介。コネクテッドTVやDOOH(Digital Out of Home, デジタルサイネージを使った広告全般)といった次世代メディアへの配信、サプライパス最適化(SPO)の取り組み、さらにポストクッキー時代のIDソリューションなど、プログラマティック広告の最新トレンドを分かりやすく解説。次世代広告配信プラットフォームとして進化を続けるプログラマティック広告についてご紹介します。

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左:MediaMath Japan株式会社 代表取締役社長CEO 豊福 直紀
 (デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社 執行役員)
右:MediaMath Japan株式会社 取締役CCO 富松 敬一朗

関連URL

DAC、米MediaMathと次世代広告ソリューションにおける共創を開始

 

次世代広告ソリューションにおける協働を開始したDACとMediaMath

豊福:DACは、プログラマティック広告分野におけるグローバルリーダーであるMediaMath Inc.(以下、メディアマス社)と協業することになりました。
私が2社のJV(ジョイントベンチャー)であるMediaMath Japan株式会社の代表CEOに、これまで日本拠点のカントリーマネージャーでいらした富松さんにCCO(チーフクライアントオフィサー)として参画いただくこととなりました。

メディアマス社は、ガートナーやフォレスターといった業界のリサーチメディアによる発表でも、DSPだけでなくDMPの領域でもグローバルリーダーと位置付けられているアドテック会社です。さらにアドバタイザー・パーセプションズ™のクライアント評価においても、1位に選ばれている。フォーチュン500社の3分の2以上の会社がすでにメディアマスを使っており、多くのメジャーなクライアントに支持されていることがわかります。
では富松さんから、メディアマス社のグローバル展開についてご紹介いただけますか。

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富松:メディアマス社は、本社はニューヨークですが、2007年の創立以来世界各地に事業展開しているアドテック会社です。コアバリューの1つ目は結果にコミットメントすること。パフォーマンス系、ブランド系のKPIに対し達成していく点です。2つ目は透明性。DSPからパブリッシャーまでの間のサプライチェーンにおいて透明性を維持することです。3つ目はコントロール。クライアントというより広告会社に運用を任せ、データを使いながらフレキシブルに自分たちで運用し結果を出していくという点です。

メディアマス社はいまだに独立系のDSPとして過去14年間にわたり世界で実績を積んでいますし、DMPも装備していて、シームレスに、途中でデータを欠落することなく広告運用したり、マッチングしながらターゲティングできるという特徴があります。またAPIでOEM、お客様独自のブランドでDSPを提供できますし、AIをもしお持ちであれば乗り換えることも可能です。ブランディングでもパフォーマンスでも柔軟に対応しており、CPI、CPA、ROAS対応ももちろんできます。ビューアビリティ、ブランドセーフティ、アドフラウド対策も万全を期しています。さまざまな世界のベンダーさんと連携しているのでワンストップでKPIに向かってキャンペーンが遂行できます。1stパーティ、2ndパーティ、3rdパーティからIPアドレス、お客様が持っているDMPとあらゆるデータを活用しターゲティングカスタマーにアクセスできますし、それを使ってオムニチャネル―たとえばコネクテッドTV、DOOH、デジタル屋外広告、オーディオにも配信ができる。AI、データを使ってオプティマイゼーション、最適化していくという点が、他社にない特徴になります。

現在、海外ではほぼ100%このプログラマティック(運用型広告)を使っていますが、最大の優位性は、AIによる効率性です。ニールセンのDARでは80%のターゲット率を達成しています。フリークエンシーコントロールもすべて一括管理でき、ひと月待たずに
、毎日その結果を検証し、チューニングし最適化ができる。透明性という意味で、それを持ってプログラマティックであたることができるというところが、特徴になります。

日本での実績で言うと、メディアマス社は過去2年で600%の売り上げV字回復を果たしていますし、グループ内でもアジアでの売り上げがNo.1となっています。またグローバルクライアントの逆輸入という点で、メディアマスを使っていなかったが、日本で使ってみて大成功をおさめ、その実績をもとに本社ヨーロッパでグローバルクライアントとして契約を結び、アジアで3~5カ国に展開するようなクライアントも育っています。

 

業界初となる完全透明性のエコシステムSOURCEとは

豊福:メディアマス社の最新の取り組みについてと、プログラマティック広告の最新トレンドについてもご紹介いただけますか。

富松:メディアマス社の最新の取り組みの1つは次世代メディア配信です。
アメリカにおける最新動向をご紹介すると、ここ数年はコネクテッドTVが爆発的に伸びており、これまでのディスプレイ、ビデオから、インターネットとつながったテレビへ、広告機能が大挙して移ってきています。
もう一つはデジタル屋外広告。これもアメリカならではですが、ハイウェーや空港、ダウンタウンのバスストップから、最近ではショッピングモールにおいてもプログラマティックな広告配信がインプレッションベースで可能ということで、広告主、広告会社の皆様に満足いただいているサービスです。いずれも市場規模は2桁成長で伸びており、おそらく近い将来リニアTVに追いつくだろうと予想されています。ここではアメリカの例を出しましたが、アジア、ヨーロッパでも同様の傾向です。

我々が接続しているテレビに関するコネクテッドTV、テレビ局のチャネルには、4大ネットワークはもちろん含まれていますし、HuluやサムソンTV、Rokuなどの動画配信サービスもカバーされています。デジタル屋外広告に関しても我々は世界のパートナー、SSPと連携しています。メディアパートナーとしては、ゲーム会社はもちろん、アプリ専属のSSPなどとも連携しております。

エコシステムについての取り組みとしては、昨年12月、「SOURCE」という業界初の完全透明性のエコシステムを発表したところです。
我々が連携する50社余りの世界の各SSPに対し、毎月評価、ランキングで発表するというもので、評価基準として、DSPから最終のパブリッシャー企業までの経路を管理できるSPOというアルゴリズムで最適化に成功しています。粒度の細かいターゲティングも、もちろんデータを駆使してやっていく。そこに対してSSPがどれだけサポートしてくださるかも評価基準の一つになっています。そしてアドレサブルフラウドインバリッドトラフィック(※1)できるだけ最小化することも評価基準の一つです。また従来のディスプレイビデオだけでなく、オムニチャネルにおいても、どれだけリーチ、ターゲティングできるのか、またサプライチェーンをまたぐ複数のID基準なども、評価基準の一つです。最後にALIGNED。広告主のKPIをちゃんとヒットできるのかどうか、リーチできるのかどうかが評価基準になっていますし、我々のアルゴリズムといかに連携できているかも実は評価基準の一つで、その完全透明性のあるサプライチェーンとして評価させていただいています。

参考URL:

《用語集》アドレッサビリティ(アドレッサブル広告)とは
《用語集》アドフラウド(Ad Fraud)とは
《用語集》無効なトラフィック(Invalid Traffic)とは

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SOURCEを使った事例として、まずはB2Bの例をご紹介します。IBM社とはここ数年ずっとパートナーとしてご協力いただいていますが、SOURCEをいち早く使っていただいています。CPMが減少し、KPIである、彼らの言うCPEV(コスト・パー・エンゲージメント・ビジット)も減少。ビューアビリティの大幅な改善が果たされています。B2Cの例では、アメリカの大手リテールの小売業ですが、こちらもCPMの大幅減少、ビューアビリティ、実質のコンバージョンの増加、そしてROAS改善も達成しています。これら2つの例からも、SOURCEというものがいかにインパクトがあり、広告主に対してKPI等改善の効果があるかわかっていただけるかと思います。

最後に、ポストクッキー時代のIDソリューションにおける我々のアプローチについても簡単に説明させてください。

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3rdパーティクッキーがクッキーレスになることで、1stパーティデータがベースとなります。もちろんユーザーレベルでのプライバシーに配慮しながら、データの損失をなくし、いかに真の1stパーティデータを確保し広告配信に活用するかがキーとなってきます。我々は、世界各地のデータ会社、IDソリューションのベンダー、DMPの会社、競合のDSPとも実は組んで、彼らの持つIDソリューションを使い、そのまま広告配信するという360度外交を考えております。彼らが出してくるデータをそのまま使うことでデータ漏洩もありませんし、問題があれば議論しながら解決していくということで、このIDキーチェーンを使うことでアトリビューション、リマーケティングが可能になります。

実際にいま日本ではLiveRamp社とテストを始めていますし、海外ではすでに事例があります。LiveRamp社のアイデンティティーリンクを活用した形でCPA、ROI、リーチで改善が見られており、日本においても、最低でもこのレベルの改善は期待できると考えています。


豊福:メディアマス社はまさにグローバルでDSP、DMPに強みを持つ会社として成長してきた会社であり、DACはまさに日本において、インターネット広告業界で実績を積み重ねてきた会社です。両社の座組として、メディアマスジャパンが立ち上がるということです。


当然メディアマスが持つグローバルなSSP、接続先については変わらず使えるわけですが、DOOH、オーディオ、コネクテッドTVといったオムニチャネルにおける展開にも備えています。日本での展開においては、DACが持つ「AudienceOne®」を中心としたさまざまなターゲティングが可能な、ローカルデータでいけば1,400種類以上の座組をすでに備えていますし、広告主が望む日本でのターゲティングが可能であると考えています。

それを実現するにあたっては、やはりIDソリューションをうまく活用することで、先ほどお話したさまざまな配信先において、たとえばフリークエンシーコントロールをかけたり、ブランドメッセージをコントロールしたりといったことが実現可能となります。広告主がプログラマティック広告に求めるのはまさにそうしたコントローラブルな、かつブランディングが可能なソリューションであるはずですから、メディアマスジャパンとしても、その最新のソリューションをお届けしていけたらと考えております。

以上となります。ありがとうございました。

まとめ

今回は、「DAC Digital Update Week 2021」にて配信しましたセッション『プログラマティック広告最新トレンド!次世代広告配信プラットフォームについて』の内容をご紹介いたしました。
本記事をご覧いただき、内容に興味をお持ちいただけました場合は、ぜひ下記よりお問合せください。

また、今後も「DAC Digital Update Week 2021」にて配信しましたセッションについて、順次ご紹介をさせていただきます。

関連URL

DAC、米MediaMathと次世代広告ソリューションにおける共創を開始
「DAC Digital Update Week 2021」をオンライン開催 -6月23日(水)~25日(金)-


※本記事は博報堂DYグループの「“生活者データ・ドリブン”マーケティング通信」に掲載した記事を一部更新の上、転載しました。
https://seikatsusha-ddm.com/

この記事の執筆者

株式会社Hakuhodo DY ONE

アドテクノロジーやデジタルマーケティングに関する情報を提供します。

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