LINE社は、2018年6月に開催した「LINE CONFERENCE 2018」で法人向けアカウントの「Redesign(リデザイン)」を発表しました。LINEの広告事業が始まって以来の大きな変化となるこのリデザインを、LINE公式アカウントを活用する企業はどのように見ているのか。また、リデザイン後にどのような世界を見据えているのか。今回は、弊社ソリューションサービス本部長 小林ならびに園田が、LINE社に取材いただいた内容をご紹介します。
※本記事は2018年1月18日にLINE Biz Solutionsブログに掲載された内容の転載記事となります。
左から DAC園田 友輝、小林 武帥
リデザインによって LINE公式アカウントの活用方法はますます多様に
DACは、LINE上での「One-to-One」コミュニケーションを可能にするメッセージング管理ソリューション「DialogOne®」(ダイアログワン)の提供を通じて、企業のLINE公式アカウント運用を支援してきました。園田は、LINE公式アカウントの“強み”を次のように考えます。
「メールに代わるCRMのための顧客接点として、LINE公式アカウントへのニーズは近年非常に高まっています。LINE公式アカウントでは、7,800万人(2018年10月時点)ものアクティブユーザーに対してプッシュ型配信でタイムリーなコミュニケーションを行うことができます。さらに、LINEビジネスコネクト*を導入すれば、One-to-Oneコミュニケーションを可能にするという点で、とても優れた顧客接点だと感じています」(園田)
(*注釈)LINE ビジネスコネクト: LINE公式アカウントの各種機能を企業向けにAPIで提供することで、一方通行のメッセージ配信だけでなく、ユーザーごとにメッセージを送り分けることを可能にしたサービス。リデザインによって単体サービスとしての LINEビジネスコネクトは終了し、同機能は「LINE Messaging API」として LINE公式アカウントの標準機能となった。
そんな中、リデザインによる今後の変化にどんな期待を寄せているのでしょうか。
「LINE公式アカウントに対する企業側のニーズが高まっているとはいえ、導入や維持のための初期コストがかかっていたため、ナショナルクライアントといわれるような大手企業でも、運用のハードルは高かったというのが正直なところです。
リデザインの新料金プランによって、参入障壁は間違いなく下がるでしょう。料金プランだけでなくサービス体系も大きく変わるため、企業はこれまで以上にLINE公式アカウントを柔軟に使えるようになります。以前では想像もしていなかった施策も増えていくのではないでしょうか」(園田)
スマホのアプリ立ち上げ黎明期に似た空気感
クライアント企業のニーズを最前線で感じてきた立場から、小林は「LINE公式アカウントを運用する企業間の競争は、いっそう激しくなるかもしれない」と予見します。
「公式アカウントを運用する企業の数が増え、一斉配信の頻度も高まるにつれてユーザーの目はシビアになりつつあります。数ある公式アカウントが並列的な位置にある中、自社の公式アカウントが埋没した存在にならないためには何をすべきか。通数課金に切り替わるリデザイン以降、コスト効率を含め、いかに最適化していくか。企業のLINE公式アカウント運用をサポートする我々に対し、手腕が問われると考えています」(小林)
小林、園田によれば「特にナショナルクライアントでは、ブランドやキャンペーンごとに公式アカウントを運用するなど、顧客セグメントがより容易に可能となるため、リデザイン以降の世界に期待する企業も増えている」といいます。
「現在のLINE公式アカウント運用を取り巻く状況は、スマホ利用者が徐々に広がり、企業が一斉にアプリサービスを立ち上げた黎明期と似ています。当時と同様、いかにユーザーに選ばれるサービスを提供できるのか、多くの企業が検討を始めています」(小林)
園田も次のように続けます。
「さまざまな機能を実装できるAPI型アカウントの活用が広がることで、新しい業界も関心を示すでしょう。これまでは初期の導入コストがかかることで導入を諦めてしまう企業も多かったのですが、リデザインでの料金体系見直しにより、再度LINE公式アカウントの導入を検討する企業も出てきています」(園田)
“本当の友だち”との密なコミュニケーションが求められる
リデザイン以降、企業による公式アカウント運用のあり方はどのように変わっていくのか。両氏はあらためて次のように提言します。
「7,000万人超のユーザーがいることで、LINEをマスメディアの一部だと考えている企業は多いと思います。その中で、いかにユーザーとコミュニケーションをとるのか、それが公式アカウントの“肝”の部分ですが、企業担当者も頭ではそのことを理解していても、コストや手間の面からなかなか実行に移せないケースもありました。と考えれば、リデザインは企業が新たな施策にチャレンジする絶好の機会といえるのかもしれません」(小林)
「これまで、LINEのスタンプ施策などは圧倒的な集客パワーを持っていました。獲得した“友だち”に対してプッシュ型配信を行い、一部のユーザーの反応を待つといった、ある意味割り切った運用をしていた企業も多かったと思います。しかし、今後はこれまでと同じ手法が通用しない可能性もあります。ユーザーが求めている情報、それを必要としているタイミングを把握して適切なメッセージ配信を行うために、LINEプラットフォームの提供データはもちろん、各企業が保有するデータや3rd パーティデータも活用しなければなりません。LINE公式アカウントでつながったユーザーは “友だち”と呼称されますが、これからのLINE公式アカウント上では “本当の友だち”と密にコミュニケーションをするような施策が求められていくのではないでしょうか」(園田)
リデザイン以降の世界に向けて、同社の体制も大幅に刷新していく予定です。
「我々がすべきことはリデザイン以降も基本的には変わりません。しかし企業にとってのLINE公式アカウントの運用のあり方が変化するとともに、我々のお客様アプローチも変わっていくでしょう。細分化されていくお客様のニーズを見越し、よりクリエイティブなメッセージ配信を実現するために、異なる部署を横断した “ワンLINEチーム”としてお客様ニーズに対応していく体制を整えています。
加えて、リデザインの機能面強化に貢献するため、「LINE Biz-Solutions Partner Program」における弊社の三期連続「Diamond」評価につながったメッセージング管理ソリューション「DialogOne®」や、LINE Ads Platformのデータパートナーにも認定されている国内最大規模のDMP「AudienceOne®」といったDACソリューションの機能拡充に取り組み、LINE Biz-Solutionsプロダクトとの連携活用も一層強化して参ります。LINE公式アカウントをどのように使ってよいものか考えあぐねている企業も散見されるなか、LINEとの連携も強化しながら、新たな成功事例をいち早く生み出していきたい所存です」(小林)
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