2018年12月より行われたLINE法人向けアカウントのリデザイン(Redesign)。今後はLINE@(LINEアット)も、「LINE Account connect」への統合が予定されています。
今回は、昨年実施された媒体説明会での登壇内容をベースに、LINEのリデザインによって何が変わるのか、今後どのような対応が求められるのか、について、当日の様子を交えながらご紹介します。
リデザインによる具体的な変更点
LINEのリデザインによりどのような点が変わるのか、簡単にこれまでのLINEとリデザイン後のLINEの変更点をまとめてみました。
ポイントはこの3つ。それぞれ解説していきます。
シンプルなサービス体系~公式アカウントに一本化~
これまでのLINEのビジネス向けアカウントサービス体系は複雑で、公式アカウント以外にも「LINE ビジネスコネクト」や「LINE カスタマーコネクト」、「LINE@」など様々な種別のアカウントがあり、ニーズや予算に応じて最適なアカウント選定をしなければなりませんでした。
今回のリデザインによって、これが改めて公式アカウントというものに一本化をされます。種別が一本化されることで、提供機能の差もなくなります。
柔軟な価格設定~配信数に応じた従量課金制へ~
アカウントサービスの一本化に伴い、費用体系もシンプルになります。
これまでのLINEの公式アカウントは、非常に高額でした。アカウントを開設しているだけで250万円/月という維持コストを支払う必要がありましたが、リデザイン後はこれが一律0円から利用可能になります。メッセージを送った分だけの従量課金が主となるため、必要な人に必要なメッセージを届けるという考え方が重要になっていきます。
提供データの拡充~配信に活用可能できるユーザーの属性情報が新たに追加~
これまでのLINE公式アカウントからのコミュニケーションは、友だちユーザーに対して一斉にメッセージを配信する形式が主流であり、セグメント配信を行う場合も、LINE社が提供する一部の属性推計データを活用した簡易的なものにとどまっていました。
しかし、リデザイン後はセグメント配信に活用できるデータが順次充実すると言われています。大きな点は、LINEの各種サービス内で得られたユーザーの利用データから興味や関心を推計できるようになるとのこと。属性に加え、ユーザーの嗜好性に合わせたセグメント配信も可能になります。
リデザインによる影響と、今後どう運用すべきか
上記の変更点を踏まえ、今後のLINEアカウント運用にどのような影響をもたらすのか考えてみましょう。
まず、LINE公式アカウントの維持費が下がることでブランド・商材単位でのアカウント開設が容易に行えるようになります。それに加えて、高額の固定利用費がなくなったため、シーズンやキャンペーン実施のタイミングにあわせた短期間での利用を目的としたアカウントの運用が可能になります。つまり、LINE公式アカウントが乱立する時代に突入するということが考えられるのです。
LINE公式アカウントの数が増えると、ユーザーが企業の公式アカウントから受け取るメッセージの量が増えます。そうなると、ユーザーの関心の低いメッセージはほかのメッセージに埋もれやすく、ユーザーの関心の低いアカウントはブロックされてしまう事態に陥ります。これがリデザインによるアカウント乱立の影響です。
アカウント乱立時代を生き抜くカギは、必要な人に必要なメッセージを届け、メッセージ1通1通の価値を追求していくことです。ユーザーのストレスを軽減するだけでなく、結果的にコスト面でも効率的な運用にもつながります。これまでは全員に対して同一のメッセージを届ける広告型のコミュニケーションが主流でしたが、今後はユーザーに応じて最適なメッセージを配信するおもてなし型のコミュニケーションが重要になります。
リデザインを踏まえ、求められる体制とは
ここまでご紹介してきた通り、リデザインにより
- 参入障壁が下がることで、LINE公式アカウントの新規開設数が増加。
- 今後多くのアカウントの中でユーザーに最適なメッセージを届けるために“運用”が肝になってくる。
という状況がになることが考えられます。この背景の中で今後のLINE公式アカウントを運用する企業に求められる要素を改めて整理しますと、
- アカウントの独自性と利便性を両立させるための、機能実装
- 精緻なセグメント配信を実施するための、データ拡充
- 他のアカウントに埋もれず、効果を効率的に発揮するためのアカウント運用体制
の3つの要素が重要となります。
アカウントの独自性を高め、他のアカウントとの差別化を図りアカウントの利便性を訴求することで継続的にコンタクトをとり続けてもらうことのできるアカウントが望ましく、それだけの機能を実装することのできる開発力が求められます。
さらに、ユーザーの趣味嗜好にあったメッセージングを行うために欠かせないのがデータを利用したセグメント配信です。より細かく精度の高いセグメント配信をするためにはLINE社から提供されたデータに加えて、DMPや会員情報データベースにたまっている属性情報を活用することが望まれます。
また、様々なデータを駆使してユーザーのニーズに沿った情報を正しいセグメントに適切なタイミングで届けるための配信設定のできる知見を持った者が、アカウント運用の全体最適を推進する必要があります。
まとめ
日々アップデートが繰り返される「LINE」というコミュニケーションプラットフォームへの対応と機能拡充、配信に活用するデータの確保と知見に基づく正しい運用など、LINEをマーケティングツールとして使いこなしていくためには多くのハードルがあります。
DACでは、メッセージング管理ソリューションであるDialogOne®の柔軟な開発対応力と、国内最大級のDMPであるAudienceOne®から得られるユーザーデータ、そしてこれまでのアカウント開設実績から得た知見を基にお客様のLINEアカウント運用を強力にサポートするチームをご用意しています。
リデザイン後のLINEアカウント運用に求められる要素をまとめて提供可能ですので、ぜひご相談ください。
関連URL
・DialogOne®サービスサイト
・DialogOne® に関するお問い合わせはこちらからお願い致します。
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