LINE公式アカウントを開設し、友だち集客には成功したものの、効果的なメッセージ配信方法がわからず、全ユーザーに一斉配信を続けている方も多いのではないでしょうか。
一斉配信は、友だち追加をしてくれた全ユーザーにメッセージを配信できるというメリットがありますが、開封率が低いと配信効果が得られず、無駄なコストとなるだけでなく、同時にブロックされるリスクも高まります。
そこで今回は、トーチライト社のLINE公式アカウントに関する提案を行うコンサルティング部の池田さんに、LINE公式アカウントのメッセージ開封率を上げる方法をインタビューしてみました。
実際にターゲットを絞り込み、LINE公式アカウントでメッセージ配信を行った成功事例や効果を上げる具体的な方法をご紹介しているので、ぜひご覧ください!
<インタビュイー>
池田 諭志
株式会社トーチライト
ソリューションコンサルティング局 コンサルティング部 部長
※本記事はトーチライト運営の「TeLAS」の記事を一部編集の上、転載する形で掲載しています。
LINE公式アカウントの指標の一つであるメッセージ開封率とは?
そもそもLINEにおける開封数の定義は、いずれか1つの吹き出しがインプレッションされた回数であり、メッセージ配信ごとにカウントされるので、重複しません。
インプレッション数とは、1つの吹き出しが100%が表示された回数を指し、開封数とは異なり、表示される度にカウントされます。
また開封率の計算方法は、【開封されたメッセージ数 ÷ 送信したメッセージ数】です。
たとえば、1,000通メッセージを配信し、そのうち200通が開封された場合、200 ÷ 1,000 = 0.2 となり、開封率は20%と算出できます。
ちなみにLINEヤフー社によると、LINE公式アカウントの開封率の平均は55%と言われています。
※2022年6月、LINEヤフー社調べ(友だち数や配信内容によって異なります)
一般的なメルマガの開封率が20%前後なので、単純比較するとLINE公式アカウントの方が2.75倍読まれていることになります!
LINE公式アカウントのメッセージ配信では、ターゲットを絞り込み、ユーザーごとにメッセージを出し分けることで、開封率やエンゲージメントを向上させることができます
ターゲットを絞ったメッセージ配信を実現する「オーディエンス配信」機能とは?
LINE公式アカウントでは、メッセージによって配信するユーザーを絞り込む「オーディエンス配信」の機能があります。
オーディエンス配信の強みは、対象ユーザーの属性やニーズに応じて、最適化されたメッセージ配信ができる点です。
ユーザーが企業のLINE公式アカウントを友だち追加する理由や関心はそれぞれ異なるため、全てのユーザーに同じメッセージを配信しても、ユーザーの満足度は上がりません。
たとえば、女性向け商品の告知メッセージを男性ユーザーにも配信した場合、関係ない情報と見なされて開封されない可能性があります。
LINE公式アカウントで一方的なメッセージ配信を続けると、関心の低いユーザーからブロックされるリスクが高まります。
そのため、誰にどのようなメッセージを配信するかを戦略的に考えることが重要です。
ユーザーの属性や目的、興味関心を分析し、それに基づいてメッセージを出し分けることで、LINE公式アカウントでより効果的なコミュニケーションが実現できます。
では実際にどのようにターゲットを絞り込み、LINE公式アカウントでメッセージを配信しているのか、トーチライト社のクライアントA社が行なった成功事例とメッセージ配信の効果を上げる方法を池田さんに聞いてみました。
LINE公式アカウントのメッセージ開封率を上げる方法と戦略
―はじめに、LINE公式アカウントでターゲットを絞った配信を行なった経緯を教えてください。
池田:
弊社のクライアントA社は、私が担当した時にはすでにLINE公式アカウントを開設しており、友だち数も数千万人いる大規模なアカウントを運用していました。
しかし、アカウント運用の課題として、友だち数は多いもののLINEのデータ取得や活用が十分にできておらず、全ユーザーに対して同一のメッセージを配信していました。
一斉配信を行うことは間違いではありませんが、ターゲットが広すぎて、関心度の低いユーザーにまで届くため、興味のない内容だとブロックされてしまう可能性があります。
そこで、有益な情報を届けて購買に繋げられるように、メッセージの内容に合わせて配信先を絞り込むセグメント配信を導入し、顧客とのエンゲージメントを向上させることを目指しました。
―実際にどのように配信先を絞り込みましたか?
池田:
まずは全ユーザーにメッセージを配信し、メッセージを開いたユーザー(開封層)と開いていないユーザー(未開封層)を把握するところから始めました。
開封層はそのアカウントへの関心度が高く、未開封層は関心度が低いと考えられます。ここでは、認知獲得を目的として配信を行っているため、未開封層へ配信しても開封されず、無駄な配信になってしまう可能性が高まります。
そのため、次の配信先は開封層に限定して行うことにしました。
配信先を絞り込む際には、LINE公式アカウントのオーディエンス機能の1つである「インプレッションリターゲティング」を使用しました。
インプレッションリターゲティングとは、特定の配信を開封したユーザーに限定して、再度メッセージを配信する手法です。
その結果、全ユーザーにメッセージ配信した際の平均開封率が約45%のところ、開封層への限定配信では平均開封率が約60%に上がりました。
―配信先を開封層に絞っただけで、開封率が15%も上がったのですね! さらに開封率を上げたい場合、他にどのようなことができますか?
池田:
LINE公式アカウントのメッセージ開封率を上げるためのターゲティング方法はさまざまありますが、A社の場合、開封層に対してアンケートを実施し、回答から得られた情報を基にさらにセグメントを分けて配信を行いました。
―なるほど。ちなみにどのようにセグメントを分けたのですか?
池田:
アンケートでは、性別、年齢、利用頻度、利用目的など、さまざまな項目を用意しました。
たとえば、10代から20代のユーザーには、アンケート結果から若年層が好む商品を特定し、その商品情報を配信しました。
他のユーザー層に対しても同様に、ニーズに合った情報を出し分けて配信することで、さらなる配信効果の向上が確認できました。
ただし、開封層にばかり配信するだけでは、反応してくれるユーザーの母数が徐々に減っていく恐れがあるため、未開封層へのアプローチも重要です。
ユーザーのデータを分析して開封率を上げる施策も行っているので、それは次の機会にご紹介しましょう。
おわりに
いかがでしたか?
メッセージの配信先を絞り込むだけで、LINE公式アカウントのメッセージ開封率がグッと上がります。
今回ご紹介したアンケート活用やオーディエンス配信は、APIツールの利用が必要になりますが、LINEが提供する「みなし属性」を活用することで、より簡単にターゲティングする方法もあります。
今回は、LINE公式アカウントのメッセージ開封率を上げることを目的とした施策として、開封層をターゲットにしたメッセージ配信方法をご紹介しました。
次回は、A社がさらに開封率を上げるために実施した、より詳細な施策事例をご紹介いたします!
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※本記事はトーチライト運営の「TeLAS」の記事を一部編集の上、転載する形で掲載しています。