2020年以降、人々がインターネットで過ごす時間が大幅に増加し、企業と顧客のコミュニケーションの場もオンラインが中心となっています。
それに伴い、企業にとって顧客のデータを効果的に活用し、最適なメッセージを届けることの重要性は日々高まっております。しかし、顧客データを活用したいがどのように活かせるのかわからない、具体的にどんなデータを利用すればいいのかわからない、といった方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は金融業界でAudienceOne®をご活用いただいた、実際の事例を3つご紹介いたします。
なお、本事例は先日実施したセミナーにおいて、より詳細に解説しております。アーカイブ動画のご用意がございますので、こちらも合わせてチェックしてみてください!
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DMPを活用したCRM施策とは?
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AudienceOne®について
2兆レコード以上の膨大な3rdパーティデータと、多様なデータパートナーから提供された専門領域データ(2ndパーティデータ)を保有し、そのデータを解析して高精度なセグメントデータを生成・提供する、国内最大級のDMPです。
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金融業界での活用例①:離反防止
こちらは自社や他社の商品への関心度を可視化し、潜在的に離反の可能性が高いユーザーの把握にAudienceOne®をご活用頂いた事例です。
企業が抱えていた背景と課題はそれぞれ下図の通りです。自社のクレジットカードから他社クレジットカードに乗り換えを検討している顧客を特定したいが、他社商材に対する興味関心がどの程度あるのかを判断するデータを保有していないため特定ができないという課題がありました。
オウンドサイトへの訪問状況やサービスの購入情報は自社で調べることが可能ですが、他社への興味を可視化するためには他社のウェブサイトの訪問状況等を調べる必要があります。そこでAudidenceOne®の持つ検索キーワードの拡張機能を利用します。
この機能を用いて他社の商品名や他社企業名などの固有キーワードと関連性の高いURLを訪問したユーザーを補足します。これにより、他社企業に関連性が高いURLを高頻度で訪問しているユーザーは他社商材への関心度が高いと判断できます。
キーワード拡張機能を用いて抽出したユーザーデータと自社のデータベースに保持されている顧客情報を結合させることで、顧客属性を下図のように整理できます。
自社関心度に加え、他社関心度の軸を活用できるようになったことで、離反防止対象群を特定し、メルマガ配信などの離反防止施策を積極的に行うことができました。
自社顧客のロイヤリティを把握し、ロイヤリティが高いユーザーへアプローチすることは、もちろん大切ですが、離反予備軍の把握および離反防止策の実施についても重要視する必要があります。
金融業界での活用例②:機械学習
こちらは機械学習にAudienceOne®のデータを用いて既存顧客がどのような他商材に興味を持っているのかを可視化し、クロスセルの推進に活用した事例です。
ここでは、銀行が定期預金契約を結んでいる顧客に対し、自動車ローンの販売を行いたいという背景がありました。しかしこちらの銀行の場合、定期預金ページへの顧客の訪問データは自社で計測することができていましたが、ウェブページに来訪していないユーザー情報は計測ができていませんでした。
そこで、ユーザーの自動車ローンへの関心度を分析すべく、AudienceOne®が保有する多様なユーザーの興味関心データとその行動ログデータを活用します。AudienceOne®︎の持つデータと銀行で所有するユーザーデータを組み合わせて機械学習を行うことで、コンバージョンの確率に応じた予測モデルを作成することができます。
また、ここで使用されているAudienceOne®の興味関心データは毎日更新を行うため、常に最新のデータを変数とした機械学習モデルの構築が可能であり、精度の高い分析を行うことができます。
こうして完成した機械学習モデルを利用して、自動車ローンのコンバージョン確率に応じて顧客に対する訴求内容を変化させることで、施策の費用対効果を改善するだけでなく、訴求内容と顧客のステータスに乖離が生じにくくなるため、顧客体験の向上にも繋がりました。
今回は、自動車ローンを事例としてご紹介しましたが、AudienceOne®には1,400種類の興味関心セグメントがあるため、自動車ローンにとどまらず、様々な商材でご活用いただけます。
金融業界での活用例③:メール配信
こちらはAudienceOne®の興味関心データを活用して、各ユーザーごとに最適化された内容でメール配信を行い、メール開封率の向上、および顧客体験の向上を実現した事例です。
この企業では、金融商品のキャンペーンメールを顧客に対して配信していましたが、自社で保有している顧客データが少なく、顧客ステータスに関わらず全ての顧客に対して同じ内容を訴求するメールを配信しておりました。
オール配信による施策のみだと、保険に興味がある人に対して投資に関するキャンペーンのメールを送ってしまう、といったような配信のミスマッチが多発し、メール開封率の低下などに繋がりかねません。
そこで、AudienceOne®の持つ興味関心データを自社データに紐づけ、各金融商品に対して興味関心が高いユーザーを抽出しました。
これにより、各キャンペーン毎に最適なユーザーへの配信が可能になり、メールの開封率・クリック率が改善し、顧客体験の向上が実現しました。
ユーザーの興味関心を把握し、適切なメッセージを送付することで、顧客体験を向上させるだけでなく、企業側はムダなメール配信を抑えることが可能になります。
まとめ
本記事で紹介させていただいた施策事例を再度まとめます。
①離反防止
AudienceOne®の検索キーワードの拡張機能を用いて、ユーザーの他社関心度を判定することで離反予備軍の把握や施策優先度の検討材料として活用。
②機械学習
更新性のある最新のAudienceOne®の興味関心データをクロスセル推進用の機械学習モデルの変数として活用し、コンバージョン確率の大小でのセグメント化を実現。
③メール配信
AudienceOne®興味関心データを連携することによって、オール配信ではなく、各商材に対して関心の高い最適なユーザーへのメール配信を実現。
今回は、金融業界を例に事例を紹介いたしましたが、DACでは様々な企業様とのお取り組みの中で、幅広いノウハウを蓄積しております。データマーケティングにご興味のある方や課題をお持ちの方など、お気軽にご相談ください!