【導入事例多数】Amazon広告自動運用ツール Commerce Flowの詳細解説!

 2023.08.08  大塚 皆人

こんにちは!
Hakuhodo DY ONEのコマースDX横断対応組織「CROSS COMMERCE Studio」です。

Amazon スポンサー広告(以下、スポンサー広告)にご出稿の皆さま、スポンサー広告の自動運用ツールにご興味をお持ちの皆さま、こんにちは!

前回の記事では、スポンサー広告の運用効果を効率よく高める鍵は、自動運用ツールを上手に活用することであること、自動運用ツールのひとつである「Commerce Flow」の基本的な機能についてご紹介しました。

前回の記事をまだご覧になっていない方は、こちらをクリックしてください。
>> AIを活用したAmazon広告自動運用ツール「Commerce Flow」のご紹介

本記事では、運用の最適化の仕組みや、Commerce Flowに実装されている各機能について解説し、最後に導入クライアントの事例を共有します。

Commerce Flowの活用について深く理解したい方、または、スポンサー広告の自動運用ツールを検討されている方は、ぜひ最後までお読みください。

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【概要】Commerce Flowを導入した広告運用の最適化

Commerce Flowによるスポンサー広告の運用最適化について、詳しく解説します。
スポンサー広告の運用方法は目的に応じて多種多様です。

Amazonスポンサー広告の概要については、こちらの記事をご参考ください。
>> 【Amazon広告基本編】Amazonスポンサー広告まとめ 広告メニューの特徴と活用メリットを徹底解説!

例えば、認知拡大のためにクリック数を増やす、限られた予算で売上最大化を目指す、獲得単価が目標を達成している限り予算上限を設けずに配信を続ける、など様々な戦略があります。
運用を成功させるためには、具体的なKPIを設定し、目標に対する成果を出すための調整を継続的に行うことが重要です。

Commerce Flowはこれら多様な運用目標のKPIに対応可能なツールです。
まず、運用調整の具体的なプロセスについて説明します。

スポンサー広告の設定では、配信を行う際に次の二つの要素を設定します。
・宣伝対象商品(ASIN)
・ターゲティング方法(キーワードやオーディエンス)
そして、各ターゲット(例えばキーワードターゲティングの場合、特定のキーワード)に対して1クリックあたりの入札金額を設定します。

配信開始後は、配信の状況に応じて、都度、入札単価やキャンペーンの予算を調整します。

 

主な運用調整設定
①入札単価の調整:1クリックあたりの入札金額設定
②予算の調整:1日の上限予算設定

運用の成果は、配信結果が目標のKPIを上回っているかどうかで評価されます。では、上記の調整が広告配信にどのように影響するのか考えてみましょう。

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例えば、ターゲットに対する入札金額を低く設定すると、使用する広告費は下がり、費用対効果が高まります。
しかし、入札競争で敗れる可能性も高まり、結果として配信量が減り、売上の獲得が低下する可能性があります。

一方、入札単価を高く設定すると、入札に勝つ確率が高まり、広告が配信されやすくなります。
しかしその一方で、1クリックに対するコストが上昇し、売上獲得に対する費用対効果が低下します。

このように、「最適な状態」とは、広告費と売上のバランスが適切に取れている状態を指します。
広告主それぞれが許容できるバランスは異なるため、どの程度までの効果を許容できるかを運用におけるKPIとして設定する必要があります。

入札金額の調整は運用効果に直接的に影響を与えますが、入札単価の相場感や調整幅の感覚を掴むのは経験が必要とされ、運用初心者の多くが苦労します。

そこでこのCommerce Flowの出番です。
CommerceFlowでは過去の配信結果や入札の変更データを基に、目標のKPIを達成するための入札最適化を行うAIが搭載されているため、特別な経験や知識は必要ありません。
目標を設定するだけで、誰もが簡単に最適な広告配信を実現できるようになっています。

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スポンサー広告アカウントを最適な状態にするための3つのステップ

では、Commerce Flowはどのように運用の調整を行っていくのでしょうか。
以下で3つのステップを説明します。Commerce Flowの運用調整方針も、基本的には広告費と売上のバランスを見ながら調整を行っています。

Step1:新規キーワードの発掘
まず、効果の高そうなターゲットに対して配信を行うための予測を行います。自動ターゲティングや部分一致キーワードの配信を行うことが前提となりますが、“完全一致”で配信を行っていないキーワードを分析します。

各キャンペーンのターゲティング配信結果を基に、完全一致で配信を行うと効果の見込めるキーワードを抽出し、配信に追加します。

Step2:育成
Step1で切り出したキーワードを実際に配信し、その効果を確認します。もしくは既に配信しているターゲットの調整を行う場合は、このStep2からスタートします。ここでは一定期間、入札の変更などの調整を行わずに配信効果がどのようになるかのデータを集計するための期間が必要です。

Step3:最適化
Step2で十分なデータが蓄積されたら、目標のKPIを達成できるように入札の調整を行います。目標のKPIを十分に満たしている場合は、さらなる売上獲得のために入札を上げ、配信を増加させます。逆に、目標のKPIを満たせていない場合は入札単価を下げ、配信の減少を目指します。

Step2と3を繰り返すことで、初めは目標のラインを前後させつつ、最終的には最適なバランスを見つけることができます。
目標が高すぎる、または使用できる予算が少なすぎる場合には調整に難しさがありますが、基本的には配信開始から約1ヶ月後には調整が効き始め、開始当初と比較して配信効果が上がることを実感できるでしょう。

 

 

配信予算と目標達成のための自動調整方法

個々のターゲティングを最適化したとしても、アカウント全体での目標達成は必ずしも保証されません。アカウント全体での目標を達成するためには、目標の達成状況だけでなく、予算の進捗状況も考慮に入れた調整が必要となります。

理想的には、目標のKPIと予算、どちらも達成できるのが望ましいですが、実際の配信では配信量とKPIの達成はトレードオフの関係になることも多く、どちらかを優先する運用方針が必要になります。これを予想して、Commerce Flowは初期設定で“運用目標”と“配信予算のコントロール”のどちらを優先させるかを選択できるようになっています。

それでは具体的な運用ケースを基に、それぞれの状況でCommerce Flowがどのように運用調整を行っていくかを見ていきましょう。

運用例① 予算コントロールを優先するケース
獲得効果を目標としつつも、配信予算の消化を優先する方針で運用を行っているとしましょう。例えば、月額25万円の予算を元にROAS 300%を目標にしていたとします。しかし、月の中間で運用実績をモニタリングしたところ、着地予想が30万円(5万円の予算超過見込み)に上振れしてしまっている一方で、ROASは目標を上回る400%を達成していました。

この場合、Commerce Flowは最初に予算超過を防ぐために消化金額を抑制し、入札単価を下げる調整を行います。特に、配信対象のキーワードやオーディエンスの中でROASが低いものから入札を下げます。さらにキャンペーンの日次予算を下げることで目標に近づけるようにします。

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運用例② KPIのROASを優先させるケース
先程と同様に月額25万円の予算を元にROAS 300%を目標にして運用していた場合を考えてみましょう。月の中間で運用実績をモニタリングしたところ、予算消化見込みが20万円(5万円の予算未達見込み)で、ROASは目標を下回る200%でした。

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この場合、Commerce Flowは予算消化金額の着地予想が現状よりもさらに下がる可能性があるとしても、目標のROASを改善するために獲得効果の低いターゲティングの入札を下げ、配信を抑制します。
これにより効果の改善を目指します。
さらに、目標効率を上回っているキャンペーンについては予算を増やし、一方で獲得効果の低いキャンペーンは予算を減らすことで、目標に近づけるようにします。

これらのように個々のターゲティングの調整と広告アカウント全体の目標達成を同時に行うCommerce Flowですが、さらなる配信効果の向上を実現するための特別な機能も備えています。

 

①時間帯ごとの配信予算のコントロール

Amazonは、夕方から夜間にかけてユーザーが増加する傾向があります。この機能を使用すると、このようなユーザーが閲覧・購買をするピーク時に予算を集中させたり、逆に早朝などのユーザーが少ない時間帯の配信を抑制したりする調整が可能となります。これにより、より多くの売上獲得を目指すことができます。

この機能は、スポンサー広告の管理画面にはないCommerce Flowのオリジナルで、ご利用者様から最も人気の高い機能です。
設定は7日間×24時間で行えるため、平日と週末で異なる配信強弱をつける設定を行うことも可能です。

 

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②時間帯ごとの入札単価のコントロール

さらに、予算コントロールに加えて、入札自体も時間帯ごとにコントロールできる機能が提供されています。
これにより、ユーザーが最も多い時間帯に予算を投下する運用だけではなく、効果が低い時間帯では入札を下げたり、逆に効果が高いと考えられる時間帯では入札を上げたりすることで、より運用効果を高めることが可能となります。

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【事例紹介】Commerce Flow導入事例

最後に、実際にCommerce Flowを導入したご利用者様からの声をご紹介させていただきます。
Commerce Flowの導入により工数削減や獲得効果の改善を多く実感頂いております。

 

▼医療用品メーカー様
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社内に広告運用の専門知識が不足していたため、配信予算は自動ターゲティングのキャンペーンにほぼ使用されていました。
Commerce Flowの導入により、日々の運用工数を大幅に削減することができるだけでなく、配信の最適化による獲得効果の大幅な改善が見られました。
これは結果的に定常的な売上増加につながり、ご利用者様から高い評価をいただくことができました。

 

▼大手食品メーカー様
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このケースでは、広告対象の商品やキャンペーンの数が多いため、運用に膨大な工数がかかり、細部の調整を行う余裕がありませんでした。
しかし、Commerce Flowを導入したことで、人手を介さずに常に最適化を実行できるようになりました。
これにより、工数が大幅に削減されただけでなく、節約された予算を使って新たな商品の広告を開始することが可能となりました。

 

 

 

【まとめ】Commerce Flow:自動最適化の力

いかがでしたでしょうか?今回はHakuhodo DY ONEが提供するスポンサー広告の運用ツール、Commerce Flowの詳細について説明させていただきました。
スポンサー広告の出稿者数は増え続けており、今後は入札の競争が激化することが予想されます。
そういった状況下において、自動最適化ツールの重要性はさらに増してくるでしょう。

Commerce Flowに興味を持っていただけた方は、ぜひお問い合わせください!
Commerce Flowのサービス紹介ページもぜひご覧いただけますと幸いです。

さらに、Commerce Flowは新機能のリリースを続けており、最新情報を随時本ブログで発信してまいります。
最新の情報や事例をぜひご覧いただければと思います。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

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この記事の執筆者

大塚 皆人

2018年にDACへ入社。Amazon、楽天、Yahooショッピング初めEC媒体のソリューション開発&販売を担当。専門はECマーケティングにおけるデータ分析&検証。

2018年にDACへ入社。Amazon、楽天、Yahoo...

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