今回は、Yahoo!広告の中でもより購買意欲の高い層(ローワーファネル)向きの広告メニュー「アイテムマッチ」について解説していきます。アイテムマッチの配信面やターゲティング、活用時のメリット、更にはストアマッチとの違いなどを解説しているので「気になってはいるけど、どんな広告メニューなのか知らない」、「ストアマッチという単語もよく聞くけど、アイテムマッチと何が違うの?」という方には是非読んでいただきたい内容です。
アイテムマッチとは
アイテムマッチとはYahoo!広告の一種で、Yahoo!ショッピング内に掲載できる広告です。アイテムマッチはショッピングブランドサーチアド同様、ユーザーの検索に応じて広告掲載がされるため検索連動型の広告に分類されます。Yahoo!ショッピングにおける売上の約8割が検索結果からの来店であるため、Yahoo!ショッピング内の検索連動型広告であるアイテムマッチは、Yahoo!ショッピング上の売上を伸ばすのに非常に有効な手段です。
アイテムマッチは、クリック課金の方式をとっており、 入札方式は、セカンドプライスオークションです。
ストアマッチとの違い
ストアマッチとアイテムマッチの違い
「ストアマッチという広告メニューも聞いたことがあるけど、アイテムマッチと何が違うの?」と思う方がいるかもしれません。
ストアマッチとはYahoo!ショッピング内に掲載できるツールを指し、アイテムマッチはそのストアマッチの広告のひとつです。つまり、並列の関係ではなく、ストアマッチがアイテムマッチを包含しています。
ストアマッチとストアマッチプロの違い
ストアマッチは厳密に言うと2つの種類があり、「ストアマッチ」と「ストアマッチプロ」と呼ばれるものがあります。
この2つは、提供先がストアかメーカーかの違いで分類されており、Yahoo!ショッピングに出店しているストア向けがストアマッチ、出店していないメーカーでも利用可能なのがストアマッチプロです。ストアに提供されているストアマッチではアイテムマッチが利用可能で、メーカーに提供されているストアマッチプロではアイテムマッチとショッピングブランドサーチアドが利用可能です。
アイテムマッチはストアにおいてもメーカーにおいても利用可能ですが、ストアへの提供のアイテムマッチでは、キーワード入札が使えないなど一部広告の仕様が異なっています。
また、ストアマッチプロの利用においては重要な注意事項があります。それは、メーカーとストアの間で事前に承諾・合意を得た上でストアマッチプロの運用を行うことが規約として定められている点です。合意していないストアへの入札をしてはいけない決まりで、規約違反が発覚した場合、アカウント停止などの措置が取られることがあります。
本記事では、メーカー向けのアイテムマッチについての解説を行っていきます。
アイテムマッチの配信面
アイテムマッチはYahoo!ショッピング内の検索結果ページ、カテゴリの商品リストページなどに配信されます。検索結果ページ、カテゴリの商品リストページについては、PCでは最上部5枠、スマートフォンでは最上部の4枠に掲載されます。
またその他、商品詳細ページなどにあるレコメンド枠にも掲載することが可能です。
実店舗の売り場には、メーカー同士が奪い合っている“ゴールデンゾーン”(商品陳列棚の中で目につきやすく手に取りやすい高さ/範囲)がありますが、Yahoo!ショッピングにおいてもゴールデンゾーンは存在します。検索結果ページの上部は、まさにユーザーの目につきやすい重要なポイントであり、アイテムマッチを活用することでこの検索結果ページの上部の“棚”を獲得しに行くことができます。
アイテムマッチの広告フォーマット
アイテムマッチは、下記図のようにオーガニックの商品と同様の見え方で掲載することができます。商品画像の左上に「PR」と記載されているものが、アイテムマッチで露出している広告です。Yahoo!ショッピング内で買い物を楽しんでいるユーザーにとって、非常に目につきやすく、また「PR」の文字の記載はありつつも、抵抗なくクリックしてもらえるフォーマットです。
モール内の検索連動型広告且つ、オーガニックの商品と似たフォーマットで露出するという特徴は、Amazon広告ではスポンサープロダクト広告、楽天広告ではRMP-Sales Expansion(RSE)、Rakuten Promotion Platform(RPP)と共通しており、類似の広告です。
アイテムマッチのターゲティング
アイテムマッチのターゲティングでは、キーワード入札(完全一致・フレーズ一致)と商品入札を活用することができます。キーワード入札では、広告配信するキーワードを独自に決定することができます。ビッグキーワードなどカテゴリキーワードへの配信の他にも、自社キーワードへの配信で刈り取りの実施や、競合キーワードへの配信で競合からのブランドスイッチなどが狙えます。
キーワード入札では、広告配信するキーワードを独自に決定することができます。ビッグキーワードなどカテゴリキーワードへの配信の他にも、自社キーワードへの配信で刈り取りの実施や、競合キーワードへの配信で競合からのブランドスイッチなどが狙えます。
また、広告配信を行いたくないキーワードに関しては最大30個まで部分一致で除外設定を行うことが可能です。1キーワードに設定可能な単語数は1単語までとなっており、この単語が含まれる検索キーワードには広告が配信されません。除外設定を活用することでより目的に沿った配信を行うことが可能となります。キーワード入札の配信面は検索結果ページのみにしか配信されませんが、商品入札では検索結果だけではなく、商品詳細ページなどのレコメンド枠にも掲載することができます。
商品入札で幅広くリーチをかけながらも、具体的に狙っていきたいキーワードに関してはキーワード入札で設定することで効率的なターゲティングを行うことができます。
アイテムマッチ活用のメリット・デメリット
メリット
①広告用の別途クリエイティブ準備不要
アイテムマッチではストアが出品している商品情報(商品画像や商品名など)をそのまま利用して広告掲載されるため、クリエイティブを作成する手間がかかりません。
②ユーザーの目につきやすい場所への掲載
アイテムマッチは検索結果ページにオーガニックの商品に似たフォーマットで露出するため、Yahoo!ショッピング上で何か商品を購入しようと検索したユーザーにとって非常に目につきやすい位置に掲載されます。自社商品の検討層や顕在層の刈り取りに有利な広告メニューであり、費用対効果も高くなっています。
③Yahoo!ショッピング内で自然検索の掲載順位改善期待
掲載順位が決まるロジックは非開示となっていますが、アイテムマッチによってGVやクリックを獲得することで商品の実績が蓄積され、掲載順位が上昇しやすくなると言われています。上位掲載できるようになれば、広告費を抑制しながらも商品詳細ページへ誘導することができるようになります。
④特定の日にちの指定配信強化
アイテムマッチには事前に特定の日にちを指定してその日の入札額と予算を予約しておく指定日ブースト機能が備わっているため、セール日など配信強化をしたいタイミングを逃しません。
デメリット
入札額の変更以外、動かせる運用のレバーがほとんどなく、細かな運用調整を行いにくいメニューです。
まとめ
それでは、本記事で解説した「アイテムマッチ」の概要についておさらいしましょう。
・Yahoo!ショッピング内に掲載できるCPC課金の検索連動型広告。
・ストアマッチ/ストアマッチプロの広告の1つ。
・検索結果ページや商品詳細ページにオーガニックの商品と同様のフォーマットで掲載され、Yahoo!ショッピング内のゴールデンゾーン(検索結果ページ上位)の獲得に活用できる。
・ターゲティングはキーワード入札(完全一致・フレーズ一致)と商品入札の2種類
・Yahoo!ショッピング内を回遊する購買意欲の高いユーザーに広告を配信できる刈り取りに有効な施策で、費用対効果が高い。
今回は、Yahoo!ショッピング内に掲載できる広告「アイテムマッチ」について解説をしてきました。アイテムマッチの広告としての仕様や活用することでどんなメリットが得られるのかを理解していただきつつ、どのシーンで活用していきたいかイメージしていただけていると幸いです。アイテムマッチの他にもEC関連のYahoo!広告について解説記事を出しているので、そちらも是非ご一読ください。
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