昨今ポストクッキーについての話題が多く取り上げられている中で、実際にはどういった対策があるのかイメージできていない、知りたい、と思っている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、ポストクッキー時代の共通IDソリューション「AudienceOne ID®」の特長と、従来のAudienceOne®レポート画面から「AudienceOne ID®」に基づくレポート画面への切り替え方、そしてレポート画面で分析可能な項目についてご紹介します。
なお、本記事で取り上げているAudienceOne ID®は、こちらの資料でも紹介しています。ぜひ合わせてご活用ください。
ポストクッキーの潮流
近年、インターネット上におけるユーザープライバシー保護の需要が高まるにつれ、ユーザーのデータ収集やその利用に関しては、世界各国で法律による規制や、ブラウザやデバイスにおける技術的な制約が拡大しています。
AppleのWebブラウザであるSafariでは、すでにITP(Intelligent Tracking Prevention)によりのクッキー利用を制限しているほか、GoogleのWebブラウザであるGoogle Chromeにおいても、2024年の後半に3rdパーティクッキーを廃止する見込みとなっています。
これにより、3rdパーティクッキーに基づいて行われるターゲティング広告や広告効果計測が困難になり、今まで行ってきたデジタルマーケティングの継続に影響を与えます。
AudienceOne®のポストクッキー対応
DACが提供しているデータ・マネジメント・プラットフォーム(DMP)のAudienceOne®も、3rdパーティクッキーをベースとしたプロダクトであり、ポストクッキー問題の影響を大きく受けています。
日本のスマートフォンの利用状況は、iOSユーザーの比率は約7割、Safariユーザーの比率を約6割が占めています。
AudienceOne®を用いてサイト訪問者のデータを調査すると、Safariによるサイトアクセスの総数を100%とした時、3rdパーティクッキーが利用可能なユーザーはわずか約8%という状況でした。
スマホによるサイト訪問ユーザーが多くなっている昨今においては、リターゲティングやサイト来訪ユーザーの分析の大部分が制限されおり、マーケティング機会を損失していると言えます。
この状況に加えてさらにGoogle Chromeの規制が行われてしまうと、ほとんどのユーザーへのアプローチが困難になってしまいます。
そこでDACでは、この状況への対応策として共通IDソリューション「AudienceOne ID®」を開発しました。共通IDとは3rdパーティクッキーに代わるID生成を行うソリューションです。
AudienceOne ID®では、IPアドレスやOS、ブラウザ等のアクセス情報を基に推定でID生成を行っており、特定可能な ID(メールアドレス等)を持っていなくても導入可能です。
共通IDソリューションAudienceOne ID®の3つの特長
AudienceOne ID®が持つ3つの特長を簡単にご紹介します。
① 3rdパーティクッキーに依存しないユーザー判定
AudienceOne ID®は独自の推計技術によって、ポストクッキー時代に対応したユーザーIDを既に約3.4億※発行しています。
このIDを使用することで、従来約8%しか捕捉できていなかったSafariユーザーを、約84%まで捕らえることが可能になります。
※2023年7月時点での発行数です。
② 3rdパーティデータによる属性・興味関心判定
AudienceOne®で保有している性別・年齢などの属性データや、約1,400カテゴリに及ぶ興味関心データを、AudienceOne ID︎®に紐づくデータとして利用することができます。
③ タグ設置のみで導入が簡単
AudienceOne®︎のタグを導入するだけでポストクッキー対応が可能です。このタグはタグマネージャー経由でも設置可能となっているためサーバー構築やAPI実装などが不要です。
また、既にAudienceOne®︎のタグを設置済の場合、AudienceOne ID®︎のためにタグの張り替えを行う必要はなく、そのまま利用可能です。
このように、3rdパーティクッキーベースでは捕捉できなかったユーザーを含めた分析が可能になるAudienceOne ID®ですが、AudienceOne ID®に基づくデータで作成するレポートは、既にAudienceOne®のレポート画面から切り替えてご覧いただくことが可能となっています。今回はそのAudienceOne ID®に基づくレポート機能についてもご紹介いたします。
AudienceOne ID®に基づくレポート機能
AudienceOne®のレポート画面上の左側にある「レポートを切り替える」を押すだけで、AudienceOne ID®のレポートを見ることが可能です。
3rdパーティクッキーに基づいたAudienceOne®のレポート画面と、AudienceOne ID®に基づくレポート画面では、同じサイトを対象にした場合であっても計測されるUU数等に差が出てきます。
AudienceOne ID®のレポート画面では、以下のような項目を見ることができます。
サマリーレポート
日別UU(ユニークユーザー)数を確認できます。
また、フレッシュユーザー数も可視化することが可能です。
デモグラ・ユーザー環境レポート
年齢・性別や年収、職業などのライフスタイルデータや、ECでの購買志向、郵便番号単位での居住地や勤務地、ユーザー環境としてキャリアやブラウザ、OSの項目がプリセットされており、項目ごとに属性が判定できたUU数を表示しています。
この機能により、年齢毎の割合の把握が可能となるため、ユーザー傾向の可視化、ひいてはターゲットの属性について把握することが可能です。
▼ ライフスタイルデータ
▼ ユーザ環境データ
サイコグラフィックレポート
Web上の行動をもとに判定された約1,400個の興味関心カテゴリ毎に、UU数とアフィニティレベルを表示します。
アフィニティレベルとは、レポートの対象のユーザーをAudienceOne®全体と比較した際に、全体の平均を1.0として、興味関心度が高ければ1.0以上、低ければ1.0以下として数値化したものです。
ユーザーが興味を持っているか・いないかだけでなく、興味関心の度合いを把握することができます。
この機能により、デモグラ属性と同様にユーザー傾向、ターゲットの興味関心を可視化できます。
まとめ
今回ご紹介したAudienceOne ID®は、AudienceOne®タグを入れていただくだけで使用が可能であり、導入が容易な共通IDソリューションです。
また、AudienceOne ID®に基づくレポートは、すでに提供しているAudienceOne®のレポート画面から切り替えが可能となっており、ポストクッキー時代においても従来実施してきた施策活用を継続することが可能です。
現在、AudienceOne ID®に基づいたレポート画面はベータ版の提供となっており、「URL」や「流入キーワード」など一部の項目が表示されないようになっておりますが、今後のアップデートによって使用可能な状態を目指しています。AudienceOne ID®に基づいたプランニングや比較分析なども対応を予定しておりますので、ぜひご期待ください。
iPhoneユーザーが多い日本では、すでにポストクッキー問題が起きています。
Google Chromeの規制をただ待つだけでなく、3rdパーティクッキーに依存しない共通IDソリューション「AudienceOne ID®」ならびに「AudienceOneID®」のレポートの活用をオススメいたします。
ご興味のある方はぜひこちらよりお問い合わせください。
また、本記事で取り上げているAudienceOne ID®は、こちらの資料でも紹介しています。ぜひ合わせてご活用ください。