※2023/1/27更新:
最新記事としてAdobe AnalyticsとGA4との比較記事を公開しています。合わせてご参照ください。
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Webサイトの運営において今や欠かせないアクセス解析ツールですが、現在は、アドビ社提供の「Adobe Analytics(以下、AA)」と、Google 社提供の「Google アナリティクス(以下、GA)」の2つが大きな存在感を示しています。
アクセス解析ツールを選定する際に、「AAとGA、結局何が違うのか」と疑問に感じるマーケティングやWebの担当者も多いのではないでしょうか。
本記事では、そんな疑問を解決できるよう、AAとGAを比較しながら紹介します。
※GAは「ユニバーサル アナリティクス」の機能での比較です。
Adobe Analytics と Google アナリティクス の簡単な比較
それでは、AAとGAの特徴について、「①分析・レポート、②実装、③価格 」の3軸で比較していきましょう。
Adobe Analytics の特徴
① 分析・レポート
Analysis Workspace に特徴あり
「Analysis Workspace」という、画面上でドラッグ&ドロップ操作だけで簡単に指標やディメンションを掛け合わせて分析できる機能が用意されています。
検索窓で掛け合わせたい項目を検索して選択したり、その場で閲覧したい項目に瞬時に差し替えたりすることもできるため、非常に柔軟性の高い機能です。また「フォールアウト」や「フロー」などフォーマットも充実しています。
ただし、柔軟性が高い分、正しいディメンションの理解と適切な指標を使用する知識やノウハウが必要です。
※Analysis Workspace については、後述の「3.それぞれを導入した際のメリットとは」で詳しく解説します。
AIによる自動分析
AIによる自動分析レポートが複数存在します。
<例>
異常値検出 過去のデータをもとに計測値を異常と見なすか判定する。
貢献度分析 異常値と見なされた結果に寄与した要因を発見する。
セグメント比較 比較対象のセグメントに対して自動で調査し、統計的差異を出す。
② 実装
柔軟性は高いが、実装難易度も高い
AAは、GAと比べてカスタマイズしやすいのが特徴です。
一方で、実装の難易度は高いと言われています。
③ 価格
4段階の機能別プラン、月間利用ボリュームで価格決定
機能別に4段階のプランがあります。
(使えるアカウント数、ReportBuilderやアクティビティマップ等の使用可否の差)
月のサーバーコール数(=GAで言うヒット数)にも左右されます。
Google アナリティクス の特徴
①分析・レポート
Google 広告、Google 他製品との連携
・Google 広告との連携
Google 広告との連携が可能です。GA側で Google 広告のレポートの確認、
またGAと横断したレポートの確認ができます。
・Google 他製品との連携
Google の他製品と連携することで、GA側でレポートの閲覧ができます。
サイト内回遊データと横断したレポートの確認も可能です。
<例>
ーSearch Console との連携
ーCampaign Manager との連携 ※有料版のみ
クロスデバイスレポート
GAでは、Google シグナルを有効にすることで、クロスデバイスレポートの閲覧ができます。(広告のカスタマイズをオンにしているユーザーのデータが元になります。)これにより、複数のデバイスからの同一ユーザーによるアクセスを重複カウントすることなく、より精緻な分析が可能となります。
② 実装
比較的シンプルな実装で、デフォルトのレポート確認が可能
GAは、比較的実装ハードルが低いと言われることが多いソリューションです。デフォルトで取得できる値がいくつか用意されており、タグを設置するだけでも、ある程度のレポートを参照できることが理由の一つです。
またGAでは、CVの設定なども画面上で比較的簡単に実装できます。
③ 価格
無料版がある。有料版は利用ボリュームのみで価格決定
既にご利用の方も多いと思いますが、一定のヒット数までならGAは無料版を利用することが可能です。有料の Google アナリティクス 360(以下、GA360)のプランは1種類のみで、価格はヒット数に左右されます。
それぞれを導入した際のメリット
本章では更に詳しく、ツール選択のポイントになりそうなそれぞれのメリットについて、例を挙げながら解説します。
Adobe Analytics のメリット
・Analysis Workspace の利便性
Analysis Workspace について使用例を挙げて詳しく紹介します。
Analysis Workspace では、フリーフォームを使用して自由にデータを確認することができます。分類やセグメントごとの比較も簡単です。
<例> 訪問回数のレポートを閲覧した時に、ブラウザー別で確認したい場合
まず、画面左上の検索窓に「ブラウザー」と入力し、ディメンション「ブラウザー」を探します。次に、検索結果にあるディメンション「ブラウザー」を右側のテーブルにドラッグ&ドロップ操作で追加します。
これだけの簡単な操作で、ブラウザー別の訪問回数レポートを確認することができます。
また、追加した項目は簡単に追加・差し替え・削除することが可能です。ブラウザー別訪問回数レポートを表示させた状態で、「訪問回数と直帰率を並べて見たい」「ブラウザー別訪問回数1位の Google Chrome の内、入口ページの内訳が知りたい」といった深掘りも同様の操作でレポートを確認することが可能です。
・他のAdobe製品との連携がしやすい
Adobe Analytics は、Adobe Target や Adobe Audience Manager といった他のAdobe製品との連携も可能です。Adobe製品同士のため、比較的簡単に連携ができます。
ABテストやターゲティング等の顧客エクスペリエンス最適化に必要な機能を持つ Adobe Target と連携すれば、Adobe Analytics のデータを利用したコンテンツ出し分けも実現できます。
例えば、商品詳細ページを閲覧した未CVユーザーがTOPページに訪れた際に、バナーを表示するといった施策も可能です。
・より細かい定義のセグメントが作成可能
Adobe Analytics は細かい粒度での分析に長けています。
レポートにかけ合わせるセグメントを作成する機能はGoogle Analyticsにもありますが、Adobe Analyticsではより細かくセグメントの条件を定義することができます。
例えば「Aページを見た後1日後以降、かつ3日後以内にBページを見たユーザー」というセグメント定義はGoogle Analyticsでは実現が難しいですが、Adobe Analyticsにはセグメント設定に使用可能な演算子が豊富に取り揃えられているため、こういった複雑なセグメントも作成可能です。
Google アナリティクス のメリット
・GA無料版を元々導入していた場合、スムーズな移行が可能
「無料版のGAを既に利用していて、有料版のGA360に移行したい」という場合、タグの差し替えは必要ありません。そのため、制作会社などにタグの差し替えを依頼するといったコストの軽減にも繋がります。
また、無料版のGAで計測していたデータはそのまま引き継がれます。
・Google 広告との連携が可能
Google 広告と連携することでGA側で Google 広告のレポートの確認、またGAと横断したレポートの確認ができます。下図では、Google 広告レポートのクリック数やクリック単価と、GAのコンバージョン数等を横断して表示しています。
・キャンペーン マネージャー との連携が可能
Googleの第三者配信ツール「キャンペーン マネージャー」との連携も可能です。キャンペーン マネージャー で計測している広告表示から広告クリックまでのデータと、GAで計測しているサイト内回遊データを連携することで、クリックスルーCV、ビュースルーCVが確認可能となります。
Google 製品同士のため、簡単に連携できることが、GAの強みと言えます。
・Search Console との連携が可能
GAは Search Console という、自社で管理するサイトの Google 検索トラフィックや表示順位を測定するツールとの連携が可能です。
連携により、GAの画面上で Search Console のデータを確認できるようになるだけでなく、URL表示回数ごとのCV数など、GAのデータと横断したレポートの確認が可能になります。
・参考になる書籍等が豊富
GAは参考にできる書籍やインターネット記事が豊富に存在するため、わからないことをすぐに自分で調べられます。
まとめ
AA・GAそれぞれの特徴について、ご理解いただけましたでしょうか。
ツールの選択には自社のマーケティング戦略に合った分析方法やレポート内容、実装難易度・柔軟性などを考慮することが重要です。
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