Cookie規制が進み、企業のマーケティング活動にデータの活用が重要視されている昨今、『カスタマー・データ・プラットフォーム(CDP)』が注目を集めています。
本ブログでは、このCookieレス時代で直面する技術規制や法改正などの環境変化に適応し、いかに顧客とのエンゲージメント強化を図ることができるか、CDPの活用方法をLINEとの連携に着目してお伝えいたします。
この前編ではCDPが担う役割やフルファネルマーケティングの重要性について、後編ではLINEと連携することで可能なマーケティング施策を具体的にご紹介いたします。
データ規制とCDP需要の高まり
現在インターネット上におけるプライバシー課題として、ブラウザ・デバイスによるCookie規制、OS規制が始まっており、今後もオープンIDへの制限が広がる可能性は高いものと見られています。この規制による影響は大きく、デジタルマーケティング活動においても多大な影響を受けるものと考えられています。
規制への対策として、これからのCookieレス時代では以下の3点を意識した対応が重要となってきます。
- 自社IDおよびデータの活用
- 大手プラットフォーマー連携
- 厳格な同意管理
これらの対応を行う上で重要な役割を担うのが「CDP」です。
CDPについては過去のブログでも触れておりますので、ぜひご一読ください。
デジタルマーケティング活動を推進する上でもCDPは重要な役割を担います。事業を行う中で発生する様々なデータを保有し、統合する。統合したデータを分析し、顧客とのコミュニケーションに活用することのできるCDPを導入することで、Cookieレス時代においても顧客体験の最適化、つまりLTVの最大化を目指すことが可能となるためです。
売上最大化のためのフルファネルマーケティングとLINE
消費者は大まかに、サイトへの来訪・閲覧といった自社製品をユーザーに知ってもらう「認知」のフェーズから、他社との比較・料金シミュレーションといった「興味関心・理解」のフェーズを経て、成約という「獲得・購入」のフェーズの順序で購買プロセスをたどります。
デジタルマーケティング活動では、消費者と企業の接点となるこの各フェーズに沿ってアプローチを行うことが必要になります。
また、事業売上の最大化という観点では、顧客シェアを高める取り組みも必要になります。
その場合、「獲得・購入」までの領域だけでなく、その先の顧客を管理し育成する「再購入」「優良顧客化」といったCRMの領域までカバーすることが重要です。
これら「認知」から「優良顧客化」までの各ファネルで発生するデータは、CDPを活用することで保管することができます。例えば「認知」となるサイト来訪ユーザーであれば関心データとして、「興味関心・理解」となる他社比較ユーザーであれば見込データとして統合して保管していくことで、顧客の理解につながるだけでなく、新規訴求やリターゲティング広告の実施に保管したデータを用いることもできます。
このように、各ファネルでOne to Oneコミュニケーションの高度化やコミュニケーションの重み付けなどを実施することで、LTVを意識しながら自社データを施策に活用できる点がCDPの強みです。
データの活用をより促進していくためには、大手プラットフォームとの連携も押さえるべき要素となります。現在多くのプラットフォームが台頭していますが、その中でもLINEは「認知」から「優良顧客化」までの施策をフルファネルでカバーできるLINEアカウントと広告プロダクトが用意されているため、CDPを用いた施策との相性がよいプラットフォームです。
LINEの優位性として、日本人の約8割が利用しているという非常に多くのユーザー数を保有する点が第一に挙げられますが、コミュニケーションの接点として電話番号・メールアドレス・Cookie・広告識別子といった多様な識別子でアプローチできることも大きな特長です。それらのデータを使ったプロモーションの選択肢も多く、CDPとデータを双方向で連携することで、比較的早いサイクルで施策のPDCAを回していくことが可能です。
LINEとCDPの連携によるコミュニケーション
ここまで、LTVの最大化にはフルファネルマーケティングが重要な点、LINEとCDPを活用することでそれが実現可能な点をお伝えしました。以下はLINEとCDPを連携することで可能な、自社データを用いたLINE施策の一例となります。
(1)One to Oneメッセージ配信
・購入/申込完了メッセージの配信
・過去の閲覧/購入情報に基づいたレコメンド配信
・購入済みユーザーへのステップメッセージ配信
(2)分析をベースに個別最適化された広告出稿
・オーディエンスを活用した配信
・属性データを活用した配信
・オーディエンス、属性の掛け合わせ配信
このようにLINEで保有しているデータや施策結果をCDPに連携、統合した自社データをさらにLINEに再連携するといったサイクルを作ることで施策の幅が広がります。
この連携にあたっては、DACが提供を開始したデータ連携サービス「DialogOne®Connect」を用いることで実現できます。DACのLINE対応ツールであるDialogOne®で双方向のデータ連携を行い、自社データとLINE IDを組み合わせた施策を実施することが可能です。
LINEからはメールアドレスやLINE IDといった識別子、それに紐づくフォローやクリック、アンケートといった行動データの連携を行います。受け取ったデータをCDPでセグメント化し、再度LINEに戻すことで前述したような顧客のファネルに沿った最適なコミュニケーションを行うことが可能です。
まとめ
今回は、LINEとCDPの連携で可能となるフルファネルマーケティングについてお伝えしました。
DACでは、CDPの構築やコンサルティング、データ戦略など、今回お伝えしたサービスに留まらず、課題に合わせてさまざまなサービスを提供しています。CDPにご興味のある方、導入を検討している方は、お気軽にご相談ください。
次回はLINEとCDPを活用したマーケティングの高度化をテーマに、実施可能な施策を交えながらより具体的にお伝えいたします。