LiveRampソリューション実装後の未来 ーポストクッキー時代の今後の対策 |連載 第5回

 2023.10.12  株式会社Hakuhodo DY ONE

デジタル広告ってIT用語やマーケティング用語といった専門用語が多くて難しいですよね。昨今では「ポストクッキー時代」と言われていますが、「これまでと何が違うのかわからない」「そもそもクッキーって何?」と思われている方もいるのではないでしょうか。

本連載(全5回)では、デジタル広告に関わる方はもちろん、全ての方にわかりやすく「ポストクッキー時代」の今後の対策について解説していきます。
前回は、LiveRampソリューションを導入するために必要なことをご紹介しました。最終回となる今回はこれまでの振り返りと改めて1stパーティーデータの重要性についてご紹介します。

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Introduction

前回、ポストクッキー対策として有効な共通IDソリューションの1つである、LiveRampの実装方法について確認した3人は、その後RampIDに変換するためのATSを導入し、半年が経過したようです。


WhatISCookie_登場人物紹介
WhatISCookie_yamada-iconヤマダさん)
RampIDを導入してから半年が経ったね。その後、売上も少しずつ回復しているようだよ。

WhatISCookie_takeda-iconタケダさん)
良かったです!導入した甲斐がありました。(RampIDの生成に必要な)ATS(※1)を実装したことで、当社媒体の広告枠がRampIDをキーにした広告配信の掲出先になったことによる効果ですね!

※1:LiveRamp社が提供しているモジュールの1つで、メールアドレス等の確定データをRampIDに変換するために必要。ATSの詳細は第4回の記事をご参照ください。

 

RampID/ATS実装による効果

WhatISCookie_watanabe-iconワタナベさん)
共通IDソリューションを導入することで、今までクッキー規制によってターゲティングができなくなっていたユーザーへも広告を届けることができるようになったんですよね。

WhatISCookie_yamada-iconヤマダさん)
そうそう。効果としてはまずまず、といったところかな。CPM単価があがったし、配信在庫も少しずつ増えてきているね。DACの人からもこれから市場に共通IDが普及することで今後売上は伸びてくるだろうと言われているよ。早い段階で導入できてよかったと思っている。

WhatISCookie_takeda-iconタケダさん)
そうですね。ところで、当社のWebサイトのログイン率は、Webサイト訪問ユーザーの3割程度でしょうか。ATSは、基本的にはログインしたユーザーのメールアドレスがRampIDに変換されるものなので、もう少しログインユーザーを増やすことができれば、RampID数も売上も、伸びるかもしれませんね。

WhatISCookie_yamada-iconヤマダさん)
なるほどね。ログイン率の向上は前から課題に感じているところではあるけど、Webサイト離脱につながるのは避けたいからと言って後回しにしてしまっている部分もあるんだよね。これからは会社としても会員のログイン率を増やして1stパーティーデータを取っていく必要があるよなあ。

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WhatISCookie_takeda-iconタケダさん)
1stパーティーデータを活用するという文脈では、以前もご紹介しましたがLiveRampのソリューションのメインであるLiveRamp Safe Haven(セイフ・ヘイヴン)というDCR(データクリーンルーム)/DMP機能も有用ではないでしょうか?

 

LiveRamp Safe Havenで実現できることとは?

WhatISCookie_yamada-iconヤマダさん)
LSHって呼んでいたものだっけ?改めてもう一度教えてくれる?

WhatISCookie_takeda-iconタケダさん)
もちろんです。LSHはLiveRampが実現したい世界観の根幹にあるサービスです。媒体社・広告主・事業会社・データホルダーなどどんな企業も平等にデータのやり取りができることを目指していて、企業はLSHを利用することによってデータエクスチェンジが可能になります。

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WhatISCookie_watanabe-iconワタナベさん)
データエクスチェンジとはなんでしょうか?

WhatISCookie_takeda-iconタケダさん)
各企業が持っているユーザーの属性や行動履歴などのオーディエンスデータを企業間で交換する仕組みのこと。他社のデータをかけあわせることで自社の持つユーザーの情報をリッチにしたり、データを利用してセグメントを作成し広告配信に利用することができるようになるよ。

WhatISCookie_watanabe-iconワタナベさん)
データをやり取りする箱のイメージですね。そうすると、我々媒体社としての活用方法は具体的にはどんなものがあるのでしょうか?

WhatISCookie_takeda-iconタケダさん)
イメージしやすい活用法だと、この3つでしょうか。
 ①データの販売によるマネタイズ
 ②外部配信などの新規広告商品開発
 ③自社ユーザーの情報のリッチ化

WhatISCookie_watanabe-iconワタナベさん)
「①データの販売によるマネタイズ」では、当社のWebサイトのユーザー情報を外部の企業に買ってもらうということでしょうか?

WhatISCookie_yamada-iconヤマダさん)
需要があるか心配だなあ。会員情報としては基本的な属性情報しかとっていないからなあ。やっぱりこれからは会員数を増やすだけではなくて、さらに独自性があるデータをとる必要があるよね。

WhatISCookie_takeda-iconタケダさん)
そうですね。Webサイトの閲覧記事から紐づけられる興味関心情報は取れていますが、さらに会員向けにアンケートを実施してもいいかもしれません。
データの価値を高めるために、私たちができることはたくさんあると思います!

WhatISCookie_watanabe-iconワタナベさん)
「②外部配信などの新規広告商品開発」は、私たちの会員に対してSNSや他の面に配信できるという意味ですよね。他の企業で媒体資料に載せてあるのを見たことがあります!「③自社ユーザーの情報のリッチ化」とはなんでしょうか…?

WhatISCookie_takeda-iconタケダさん)
LSHではデータの掛け合わせができるので、私たちが他の企業のデータを購入することもできます。私たちが取れていないデータを掛け合わせることで、会員さんがどんな人なのか解像度をあげることができるので、データをリッチ化すると呼んでいます。

WhatISCookie_yamada-iconヤマダさん)
その使い方は気になるね!会員数を増やす施策にも活用できそう。

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1stパーティーデータの重要性

WhatISCookie_watanabe-iconワタナベさん)
クッキーレスの時代においては、各社がどんなデータを持っているかが重要になってくるんですね。

WhatISCookie_takeda-iconタケダさん)
自社で独自性の高いデータを持っていれば広告やマーケティングに限らず活用していくことができるので、取り組んでいかなければならないポイントの1つだね。

実際、Google などの国内外のプラットフォーマーでは確定データをベースとしたマーケティングの展開をしているんだよ。

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  • カスタムオーディエンス広告:広告主のもつ情報(※2)を配信対象として入稿し、確定データにもとづくターゲティング広告を実施。

  • アドバンスドマッチ計測:コンバージョンしたユーザーの情報*を送信し、確定データに基づいた広告成果の判定を実施。

  • データクリーンルーム:各データホルダーが保有するユーザーの情報*を、隔絶された専用環境にてデータ集計を実施。高度な分析を実現。


WhatISCookie_watanabe-iconワタナベさん)
データクリーンルームは以前教えていただきましたが、カスタムオーディエンス広告・アドバンスドマッチ計測は初めて聞きました。まだまだ勉強しないといけないですね…!


※2:メールアドレス等の確定データ

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DACのコンサルティングサービス

WhatISCookie_watanabe-iconワタナベさん)
これからのポストクッキー対策としては、共通IDソリューションの導入だけではなく、各社が1stパーティーデータをとることが重要になっていくことがわかりました!

WhatISCookie_takeda-iconタケダさん)
私たちも、もっともっとWebサイトを大きくしていかないといけないし、会員数を増やしてデータもとっていく必要があるよね。そういえば、DACではサイトのグロース支援もしているらしいし、会員管理ツールも提供しているってこの前聞いたよ。LiveRampだけじゃなくてどんどん頼ってみようかな!

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今回のまとめ

WhatISCookie_watanabe-iconワタナベさん)
今回のまとめです!ご確認お願いします!

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