ポストクッキー時代の新しい手法!FacebookのConversion APIとは?

 2022.01.17  株式会社Hakuhodo DY ONE

 昨今、クッキーの計測規制に備えてプラットフォーマー各社が対応策を講じています。アドバンスドマッチングやクリックID等様々な対応策がある中、現在最も注目されているのがサーバー間連携方式です。現在クッキー規制の対策としてサーバー間連携方式を採用しているプラットフォーマーはGoogleとFacebookのみです。特にFacebookは、2020年より本手法をリリースしており、またリリース当初より実装方法の簡易化が進んでいるためクッキー規制の対策としてかなりハードル低くご活用いただけます。

 本記事ではサーバー間連携方式とFacebookのConversion API(CAPI)について説明した上で、CAPIの導入ポイントとDACからご案内できる連携手法について、一部紹介します。

サーバー間連携方式とは?

 各プラットフォーマーのポストクッキーの対応として様々なものがありますがサーバー間連携方式はとりわけ最近用いられ始めた技術となっております。今までの広告計測は媒体が発行するJavaScriptタグ(広告計測タグ)で数値を計測・変換していましたが、AppleのITP(※1)によってiOS環境によるクッキー規制によりサードパーティクッキーでの計測が困難になりました。サーバー間連携方式は、サードパーティクッキーに依存しない形で広告計測を実施できる手段の一つと言えます。

 サーバー間連携方式は、「今までサードパーティクッキーで取得していた広告計測をサーバーを経由して取得・媒体側に数値を変換する」という仕組みです。従来のポストクッキー対策であるクリックID方式やアドバンスドマッチング方式は広告タグに依存した形での計測であったため、クッキー規制の影響をうける等少なからず制限がありました。サーバー間連携方式はサーバーを経由する技術を用いているためクッキー規制の影響をうけない強みを持ちます。

サーバー間連携方式とは?

※1 ITP:Intelligent Tracking Preventionの略。2017年からAppleがSafariに搭載しているトラッキング防止機能。 

FacebookのConversion API(CAPI)とは

 FacebookのCAPIは、クッキー規制による広告計測を改善する手段として用意されたFacebook独自のAPIです。

従来の広告計測はFacebook Pixel(広告計測タグ)によって行われていましたが、APIを利用することで事業主とFacebookのサーバー間をつなぐことができます。このAPI経由で広告計測値を送信することが可能です。

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GoogleプロダクトにおけるITP対策

 サードパーティクッキーの規制が行われると、ターゲティング施策や効果計測への影響が出てきてしまうため、Google社では代替手法によってITP対策を行う方針です。具体的には、サイトワイドタグとサーバーサイドタグを用います。サイトワイドタグ、サーバーサイドタグでITP対策をすることで、ITPの影響で欠損しているCV数を補完することができ、結果的に広告運用のパフォーマンス改善につながります。

GoogleプロダクトにおけるITP対策ピクセル経由(青点線):クライアントウェブサイト上にFBピクセル設置、イベントが発火時に管理画面に反映
API経由(赤点線) :クライアントが管理しているサーバーとFBサーバーがAPI連携。取得した情報を直接送信。

CAPIのメリットは大きく分けて2つあります。

メリット① クッキーやブラウザに依存しない配信
 これは、AppleによるITP、Googleによる2024年のサードパーティクッキー規制への対応策になり得ます。サードパーティクッキーの規制という、大きな業界変化に影響うけないシステムです。

メリット② 質・量に応じたデータのコントロール化
 従来の計測手法の場合、広告タグの発火に応じて計測値を戻す仕組みでしたが、CAPIの場合はある程度送りたいデータの質・量をコントロールできます。これにより、質の高いデータでのオーディエンスを作成し、配信に活用できます。

 

CAPI実装における設計の考え方

 CAPIを実装するにおいて、踏まなければならない3つのフェーズがあります。

CAPI実装における設計の考え方

<設計>
CAPIをどう連携し・どの計測イベントを収集し・どのユーザーマッチキーと共にイベントデータを送信するのか、CAPI実装の設計を決めるフェーズ

<実装準備>
管理画面上で実施しなければならない設定事項の対応フェーズ

<実装(エンジニアリング)>
設計フェーズで決定した項目に応じて実際のAPI連携作業を行うフェーズ

 上記3つの中で特に重要なのが設計フェーズです。設計フェーズ内で決めなければならないことは以下3つです。

CAPI実装における設計の考え方

特にCAPI実装で重要なのは「APIの連携方法」です。これは事業主とFacebookのサーバーをどう繋ぐか、もしくは直接サーバー同士を繋がず代替手法を用いるかを検討する必要があります。APIの連携方法は大きく分けると下記の通りです。

直接連携

APIを直接繋ぐ連携手法。事業主サーバーからFacebookサーバーを繋げるため事業主側のサーバー上でプログラミング開発が必要となる反面、カスタマイズ制が高いことが利点。
サーバーの管理環境によって開発コスト・時間がかかる。

ツールを挟んだ連携

Facebookが公式認定しているツールを利用してCAPI連携を実施する手法。ツールにはCDP、CMS、タグマネージャー等幅広いツールが活用できる。直接連携に比べCAPI連携は容易だがツール毎に連携手法が異なり、ツール操作における知識が必要になってくる。

 どの連携手法を用いるのかは事業主のサーバーの状況や開発が可能かどうか・もしくは利用中/予定のツールがあるかどうかによります。特にツール連携の場合は直接連携に比べ実装手法が容易という利点があります。DACではこのツール連携の実装サポートを行っています。

 

CAPIのツール連携の紹介とDACでご提供できる手法

 前述した通り、CAPIのツール連携は様々なツールにより実現できます。それでは、実際どういう連携が挙げられるのでしょうか。下記に<連携金額>と<連携難易度>、2つの軸で各ツール連携のマッピングを行いました。

CAPIのツール連携の紹介とDACでご提供できる手法

縦軸:連携にかかる金額
横軸:連携にかかる難易度

現状様々なツールによる連携が可能になっています。特にCMS(Contents Management System)ツールの場合はサイト作成やECショップ利用の際に利用する事業主も多いため、すでにBASEやShopify、Wordpress等を実装している場合はこれらツール経由で実装が可能です。一方、実装ハードルが比較的高い分類に位置するタグマネージャー連携も実装において独自の利点があります。例えば、Google タグマネージャーの場合、CAPI連携を実装するためにサーバーサイドタグを用います。これによりFacebookの広告計測だけではなくGoogleプロダクトの広告計測の対応も併せて実装が可能となります。各連携手法によってできることが異なってくるため事業主のステータスに応じてツールを選定していただくことが必要となります。

DACでは、連携サポートとしてAudienceOne®を用いたCAPI-AudienceOne連携とGoogle タグマネージャー連携のご紹介・ご実装が可能です。またグループ会社であるトーチライト社が提供するSherpa CAPI Optionのセールスも行っております。またその他連携手法に関しても、事業主側ですでにツールがある場合は実装における問い合わせ対応も承っております。ツール連携においては全方位的な対応が可能となっていますので、ご検討の際はぜひご相談ください。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回は各プラットフォーマーのポストクッキーの対応の中でも、最近話題となっているCAPIのご紹介をさせていただきました。

以下、この記事のまとめです。

✓Cookieの計測規制への対応手法として最も注目されているサーバー間連携方式は、サーバーを経由して広告計測値を戻す手法
CAPIはFacebookのサーバー間連携方式であり、APIを用いて事業主とFacebookのサーバーを直接繋ぐことができる
✓CAPIの連携手法は多種多様。特にツールによる連携の選択肢が豊富かつ簡易的
✓弊社DACでは各ツール連携の実装サポートやお問い合わせ対応が可能

CAPIの連携に関してご不明点がございましたら、是非ご連絡ください!CAPIのご紹介から各種連携手法のご提案までさせていただきます。ご連絡お待ちしております。

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この記事の執筆者

株式会社Hakuhodo DY ONE

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