「費用をかけてクリエイティブを制作したけれど、果たしてユーザーの行動喚起につながっているのだろうか…」「自社製品の良さを広告で伝えきれていない…」「クリエイティブ制作から広告配信、効果の可視化まで一貫してお願いしたい」
今回はこのようなお悩みをお持ちの皆さまに向けて、生活者の広告体験を損なわずにエンゲージメントを向上させることのできる弊社新サービスを紹介します。
インターネット広告の現状と配信における課題
インターネットの普及によってインターネット広告費も年々伸張しており、今やテレビを抜く勢いで需要が増えています。一方で、調査(※1)によればインターネット広告への抵抗感はテレビよりも高く、広告の表示箇所や表現方法などに多くの課題があるといえます。
インターネット広告の効果に起因する要素は、ターゲティングやリーチを抜いてクリエイティブが70%ほどであるといわれており、消費者一人一人に嫌われず有用だと思われるクリエイティブ表現が、今後より一層重要になってきています。
よって広告主がすべきことのひとつは、消費者に抵抗感を抱かせず、かつ一人一人に商品やサービスの内容を正しく伝えることのできる広告クリエイティブの配信によってKPIを達成することです。
しかし、想起や認知獲得を目的として活用されることが増えている動画広告は、静止画広告に比べてCPMが高いことや制作費用が高いことなどから活用幅が限られています。また、静止画広告では、商品やサービスの内容、ストーリーまで丁寧に伝えることが難しいという面があります。そして、動画/静止画広告どちらもクリエイティブの質を担保し続けることや、PDCAを回して改善を行っていくことにも手間暇がかかる現状があります。また、クリエイティブ制作、広告運用、分析までの幅広い知識が必要になります。
事業会社あるいはデジタル以外の広告も取り扱う広告代理店やコンサル会社の担当者が、限られたリソースの中でこれらの知見を一長一短で深めるのはなかなか難しいという状況の中、このような課題を解決しお手伝いをするため、博報堂DYグループ内のクリエイティブにおけるプロフェッショナルを集い、新たなチームを立ち上げました。また、クリエイティブのパフォーマンスを最大化するための持続可能なサービスとして「Rich Creative Promotion Service」の提供を開始します。
※1 :一般社団法人 日本インタラクティブ広告協会(JIAA)
「2020年インターネット広告に関するユーザー意識調査(定性)」
サービス概要
「Rich Creative Promotion Service」とは
「Rich Creative Promotion Service」は広告体験を損なわず、データによる最適なクリエイティブ選定を行い、エンゲージメントの最大化を目指すサービスです。Googleソリューションを活用し、商品やサービスの魅力を最大限に表現したクリエイティブの制作から配信設計、ダッシュボード、分析までワンストップで提供します。また、独自指標を含めた配信データを活用しクリエイティブを基点とした高速PDCAを回すことが可能です。
シリーズ第一弾「Rich Creative」の概要
本サービスの一環として、まずはシリーズ第一弾「Rich Creative」をリリースしました。
「Rich Creative」は、以下のような形で高速PDCAを回すことが可能なサービスです。
①『Google Web Designer』を活用したクリエイティブ制作と独自指標の取得
Googleが提供するコーディングツール『Google Web Designer』を活用して、視認性、エンゲージメントの向上を目的とした動きのあるクリエイティブを制作、独自指標の取得設定を行う
②『Display & Video360』による広告配信
①で作成したクリエイティブをGoogleが提供する世界最大級のDSP『Display&Video360』で広告を配信
③『Data Portal』で配信結果を可視化
②の広告配信結果をGoogleが提供するBIツール『Data Portal』の設計・構築により視覚化し、独自指標も含めた分析環境を提供
目的に応じたクリエイティブフォーマット
キャンペーンのKPIに合わせてご用意しました各フォーマットについて紹介します。
①パノラマ
複数のスライドのコンテンツで構成され、スワイプ操作で詳細情報を表示することが可能です。商品の理解促進や、複数商材の訴求を目的とした場合におススメなフォーマットとなっています。
②ブランクスレート
商品の質感や、イメージを視覚的に表現するフォーマットです。肌座りや質感を訴求する商材と相性が良く、特別感を演出することで視認性の向上が期待できます。
③キューカード
クリエイティブの訴求部分を複数スライドで表現することが可能です。商品・サービスに関する情報詳細を伝える際におススメなフォーマットとなっています。
④パララックス
スクロールに応じたアニメーション表現でユーザーを惹きつけるインタラクティブなフォーマットです。モバイルWEB向けに最適な設計をしており、煩わしさを感じさせることなく、関心を引き付けることが可能です。
※ご紹介しましたフォーマットはこちらのギャラリーで実際の挙動をご覧いただけます。
サンプルURL:http://rc-demo.g-age.jp/
「Rich Creative」活用実績紹介
DACグループでSNSマーケティングを主要事業とする株式会社トーチライトで実施した検証の内容と結果を紹介します。
検証内容
目的:パノラマのフォーマットを配信し、通常の静止画と比較してどれだけ効果があるのかを検証するため。
仮説:通常の静止画では1impに1訴求のみのところ、パノラマを使用することでスライドごとに異なる訴求のクリエイティブを表示することができるため、広告内でユーザーの商品理解を促進することができるのではないか。
検証時期:2021年4月1週間
訴求内容:コンテンツソリューション「Quick AR」
配信クリエイティブ:実際に配信したパノラマフォーマットのクリエイティブが下記です。
それぞれのスライドが異なる訴求で構成されています。
1枚目:最先端ARサンプル
2枚目:ARトータルサポート体制
3枚目:SNS認定パートナーとしての実績
4枚目:SNS広告運用における強み
検証結果:通常の静止画と比較して配信効率が大幅に改善!モバイルでのCTRが約2倍、CPCも57%減、2スライド目以降の到達率は約60%と、複数訴求で商材の紹介をすることによるユーザーエンゲージメントの向上が確認できた事例となりました。
「Rich Creative Promotion Service」サービス提供体制
新設のクリエイティブチームについて
今回新設したクリエイティブチームには、弊社DAC、株式会社博報堂アイ・スタジオ(以下、博報堂アイ・スタジオ)に所属する、数多くの企業のデジタルマーケティング、クリエイティブ制作に携わってきたメンバーが集結しています。
DACのマーケティング領域におけるノウハウ、博報堂アイ・スタジオの卓越した表現力と最先端の技術力を統合・活用することで、広告主のマーケティングにおける課題にクリエイティブの視点から解決方法を提示し、持続可能なサービスとして提供致します。
まとめ
今回の記事でお伝えしたいポイントは3点です。
1.近年のインターネット広告を取り囲む状況と課題について
インターネットの普及に伴い広告費も伸張する一方、ユーザーのインターネット広告との接点も比例し増加傾向。そこでいかに消費者の広告体験を損なわずにエンゲージメントを向上させるのかが、今後重要となる。
2.新サービス「Rich Creative Promotion Service」とは
前述した課題をクリエイティブの側面から解決すべく立ち上げたサービス。Googleソリューションを活用し、クリエイティブの制作から配信設計、ダッシュボードの提供とパフォーマンス分析までを一貫した対応が可能。データを最大限活用しクリエイティブを基点とした高速PDCAを回すことを目指す。
3.導入するとどうなるのか
インターネット広告に辟易している消費者に対しても、逆に広告への好感度を上げつつ、商品の魅力を正しく伝えてエンゲージメントを高めることが可能。マーケティング、クリエイティブの知見を備えたチームが制作~配信~分析~改善までのトータルサポートを提供。
特にシリーズ第一弾の「Rich Creative」ではキャンペーンKPIに沿った新しいフォーマットの配信、各指標の計測と分析、クリエイティブ改善まで短期間での実施が可能です。クリエイティブ領域で何か新しい施策に取り組んでみたい企業の皆さま、限られた予算でサービスの本質を伝えるクリエイティブを制作し、ユーザーのエンゲージメントも高めたい企業の皆さまなど、是非お気軽にお問い合わせください。
また「Rich Creative Promotion Service」シリーズでは第二弾以降も続々とリリース予定となっております。天気情報と連動したクリエイティブや、機械学習の分析結果を使用したクリエイティブなど、より多様なデータを活用するサービスを提供予定ですので、今後もご期待ください。